11月15日(水)M「ちょっと、まってください」ナイロン100℃

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ、本多劇場
 自ら主宰する劇団ナイロン100℃への3年ぶりに書き下ろした作品だ。今の演劇界で、常に高水準の自らの作:演出で、あるいはチェーホの演出で提供してきたケラの今回の作品は得意の「ナンセンス・コメデイ」ではなく、「不条理喜劇」だ。これはケラが甚大な影響受けた別役実の不条理劇を元にした劇だ。実際この芝居には、電信柱などのほか様々な別役劇のアイコンがちりばめられている。芝居は金持ちと乞食の往還する一種のコスチュームプレイで、少々不条理劇というには、納得しにくいのが残念だった。もちろん、三宅弘城、みのすけ、犬山イヌ子、峯村リエ、大倉孝二らナイロンの役者たちは、懸命に演じてこの劇世界を作っていたし、大変な意欲作だがケラの狙いが成就したとはちょっといいにくい。だが、むしろ客の反応などの危惧を予期しがらのこの冒険的な試みは今のケラだからこそできることで、別役実へのオマージュとして立派な舞台だと思う。

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by engekibukuro | 2017-11-16 10:48 | Comments(0)  

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