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12月11日(月)M「断罪」青年座

作:中津留章仁、演出:伊藤大、青年座劇場
中津留章仁は過剰性の作家である。リアルを過剰に表現することが、芝居を盛り上げもするが、度が過ぎると観るのが、つらくなることもある。今回の芝居は、”ある大物俳優が、生放送の番組で現政府を批判し、所属する芸能事務所を去ることになった。この一件により、事務所幹部は、これまでより更に所属タレント及び社員の発言と行動に対して厳しく管理していくことになる。”その過剰な管理が人権侵害のあたると、事務所の女性マネージャーが、上部に訴えるが取り合ってもらえず、体質改善を訴える内部告発に踏み切る。この芝居は、芸能事務所が舞台だが、その事務所の人間関係やこの業界の特殊性が、徹底的にリアルに描かれる。芸能事務所というものが、こういうものかと、ヴィヴィッドに描かれ、そのデイテイールは実際の事務所の日常をを見ているようで、中津留の観察力、表現力がいかんなく発揮され、芸能事務所というところはこういうものかと、知らされる。伊藤の演出も細部を生き生きと描いてゆき、中津留の過剰性を巧みに抑制し、スピーデイなたぐいまれなリアリズムの舞台表現にして成功させた。

by engekibukuro | 2017-12-12 09:36 | Comments(0)  

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