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11月29日(木)「人生の特等席」(監督:ロバート・ロレンツ)









▲4年ぶりの自分の監督作品ではないクリント・イーストウッドの主演作。實年齢82歳のイーストウッドがメジャーリーグの老スカウトを演じる。早くに妻を亡くし、一人娘をスカウトの旅から旅へと連れまわして、その一人娘は、おかげでとてつもない野球通になるが。今はほったらかしの育ちを、自分でがんばって一流の弁護士だ・・・、そのいまでもわだかまりが残る父娘の確執が、ノースカロライナの高校生の素晴らしい新人投手を娘が見つけたことで・・・。父と娘が、それぞれ窮地に陥った直後に、あざといくらいの大逆転がおこるというストーリーだが、これがもっとも上質なハリウッド映画の伝統を感じさせる映画になっているのだ・・。アメリカの普通の人間が、自分の仕事をやり遂げて、老齢を迎えて、イーストウッドがそれを如実に、スクリーンからはみ出すように、それを感じさせる・・・。それと、イーストウッドがかって発掘した投手が、調子を崩していまはスカウトになった青年と娘の恋愛もおおきなサブストーリーで、恋愛映画としても素晴らしいのだ。老齢の客だから、涙がおさえきれなかった・・。
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by engekibukuro | 2012-11-30 07:17 | Comments(0)  

11月28日(水)M「紙芝居 アメ横のドロップ売り」

作:唐十郎、演出:金守珍、新宿梁山泊、ザ・スズナリ。
 ある国の王女様が、王位を狙う叔父の手下の盗賊に誘拐され森に捨てられる。その森に棲む優しいおおかみの一家に救われ、王女は成長し、飛行機事故によって森に迷い込んだ日本人の少年と出会う。少年はおおかみたちと共に森を破壊しようとする悪人たちと戦い、王女と少年によって悪人は退治され、王女も王宮に帰り、少年と結婚し、国を治めるようになり、人間と動物たちに平和が訪れる。これが山口正太郎作・画の紙芝居の名作「おおかみ王女」の物語だ。この紙芝居を終戦直後の上野のアメ横近辺で子供達に見せ、物語って薄い煎餅にブルドックドースを塗って売り、わずかな金をみらう紙芝居屋の先生、この先生をしたっているアメ横のドロップ売りの艶(渡会久美子)は、ある日ブルドックソースの量り売りをアメ横で買って買える途中に復員兵の青年牧村(広島光)に体をぶつけられ、ソースをこぼす・・・。これが発端で、ヤクザや浮浪児や戦争直後の街に徘徊する人物群が登場し、名作「おおかみ王女」の24枚の紙芝居のうちの1枚がなくなってしまう話を中心に展開し、大阪からこの紙芝居を貸した大阪文化連盟の浪花(金守珍)が現われ、激怒して先生をどやしつけ、もめているうちに自分の手の平に怪我をしてしまう・・・。上野育ちの唐のノスタルジアに満ちた唐ワールドの唐人物、唐コトバ、唐の愛弟子金がいとおしむように演出し、自ら浪花に扮して、これぞ、唐芝居の演技だぞというようなハイテンションの標本のような芝居をして楽しませてくれたのだった。カ-テンコールで金は”唐さんはゲネプロにきて、スズナリの急階段の昇り降りが自力でできました、唐さん快方に向っています”と報告した、嬉しいはなしだ・・。
▲アイスランドの推理作家アーナルデュル・インドリダソンの「湿地」(創元社)を読んだ。寒くて小さな島アイスランドのレイプ事件をあつかったミステリー、暗い陰気な話で気が滅入るが、アイスランドという国と住んでいる人々のことがわかって、それが興味ぶかかった・・。
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by engekibukuro | 2012-11-29 09:37 | Comments(0)  

11月27日(火)S「地球☆空洞説」(原作:寺山修司)

音楽:J・A・シーザー、振付:前田清美、音楽監督・演奏:坂本弘道、構成・脚色・演出:天野天街、村井雄、流山児祥、流山児★事務所、豊島公会堂(みらい座いけぶくろ)。
 昭和27年に建設されて60たつ豊島公会堂は池袋育ちの私は、ここで沢山の芝居を観たし、様々な集会に参加した。劇団民芸の宇野重吉主演のシング作「西の国の人気者」もここで観て、その面白さの記憶がいまでも蘇る。この公会堂で今年から3年間毎年11月に流山児★事務所によって寺山修司の作品を上演することが決まった。そのテラヤマプロジェクトの第一弾がこの「地球☆空洞説」。これは豊島区の区政施行80周年記念の区イヴェントとして流山児が取り付けたもの。流山児の大物(文化の区の高野豊島区長)との交渉力、篭絡力(?)が遺憾なく発揮され賜物だ。公会堂の前の中池袋公園に小屋を建て、50人余名の俳優が公演に様々な衣裳で散らばり、小屋の屋根に流山児と大久保鷹の掛け合いでオープニング、公演の地面にパイプを差して、空気入れで地球を膨らましている男がいて・・、そこから三々五々と公会堂に入場する。まずは塩野谷正幸扮する男が、銭湯から帰ったが、住んでいるアパートが消えてなくなっていた・・。ここから、テラヤマワールドのミュージカルが始まった・・。舞台だけでなく、劇場内の通路を使った、50人の俳優の一糸乱れぬパフォーマンスは実に見事なもので、シーザーの音楽の主調旋律が場内を支配し、前田の振付が沢山のシーンを独創的なダンスで躍動させて、俳優は力一杯踊り、歌い、演じたのだ。中でも男達が前を隠して裸で踊る銭湯での群舞が圧巻だった・・。流山児のスタッフ・キャストへのを統率力の見事な大成果!流山児の舞台でもベストに入るだろう。テラヤマ作品を流山児流のミュージカルに仕立て上げ、最高のエンターテイメントにしたのだ。その流山児と大久保鷹の老優二人が、舞台を締めたのだが、大久保が1972の情況劇場での唐十郎の名作「二都市物語」での大きな箱を背負っての余興がオールドファンにはたまらない・・。終わりは公園に俳優がまたもどり、公会堂の屋上から上がった気球を眺める・・・。池袋西口には東京芸術劇場がキレイにリニューアルされて活性化しているが、東口のこの古い公会堂もこの上演で蘇ったといっていい・・。
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by engekibukuro | 2012-11-28 12:04 | Comments(0)  

11月26日(月)









▲第59回湯島句会。狙った句は選ばれず、軽めに作った句が一句だけ選ばれた。
それでも嬉しいね・・▲<兼題:干大根・ヴェランダに干す大根に光あれ・
畏友谷岡健彦、堀切克洋君は相変わらず多句選ばれていたが、ここでは
11月の週刊金曜日の櫂未知子選の俳句欄に入選した両君の句を紹介しよう。

▲谷岡健彦:特選<兼題:茸狩>
 ・名人にいちいち見せる茸狩
▲月光ほろり(堀切克洋俳号):入選2句:<兼題:満月>
 ・満月の使者なる猫の来りけり 
 ・名月や書きさしの文そのままに
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by engekibukuro | 2012-11-27 09:35 | Comments(0)  

11月25日(日)


















              ▲バースデイP 息子一家がきた・・。
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by engekibukuro | 2012-11-26 08:31 | Comments(0)  

11月24日(土)M 「ザ・ファクトリー2」 さいたま芸術劇場

さいたまネクスト・シアター:テネシー・ウイリアムズ一幕劇連続公演。
★「話してくれ、雨のように・・・」(演出:藤田俊太郎)★★「財産没収」(演出:井上尊晶)
★★★「火刑」(演出:蜷川幸雄)★★★★「ロング・グッドバイ」(演出:蜷川幸雄)
・4本の芝居は、劇場の中のそれぞれ異なった会場で上演される。いわば劇場案内と兼ねている形の上演だ。★は劇場構内の工具室の部屋らしい。室内は色々な工具が並んでいる。そこの空間クオにベッドあがり・・、、ニューヨークのマンハッタンの散らかったうらびれた部屋での、孤独な男女の彷徨とわびしい夢の語り合い、話がつきて二人はベッドに・・・、T・ウイリアムズの暗い抒情が癒しの力になっている・・・。★★は劇場通路に鉄道のレールを敷いての上演、借りてきたような晴れ着着て、偽の宝石類を体にじゃらじゃらじゃらつけたを若い女の子がレールの上をおっかなびっくり歩くのを、男の子がついてまわる。女の子の家は家族が離散し、家は差し押さえに・・、女の子は病で亡くなった派手だった姉のはなしをする・・・、それと家に下宿していた鉄道関係の人のことも。客はレールをはさんで対面式に観る、劇場関係の通行人も客席の裏を通ったりして・、女の子は男の子のちょっといやらしい期待をシカトし、元気に生きてゆくと宣言して長い通路を去ってゆく・。それだけの話だが、趣向の面白さが女の子の気持ちを生き生きと伝える役目をはたした・・。★★★は小ホールの昇降口の回りに客席を並べ、客は怪談の踊り場で演じられる劇を見上げて観る・・。病弱な息子と母親の会話劇、母親は終始椅子に座っている。郵便局務めの息子が郵便物に入っていたワイセツ写真の処理に悩んでいる。そのことを母親と話すが、息子の口調は終始興奮気味で、せっぱつまっている、母親はなだめるが、二人の会話は狭い踊り場での高密度で不穏な気配がみなぎる・・。写真は燃やすのか、異様な衝撃を感じるのか・・。★★★★はセントルイスらしき大都市の街のなかのうらぶれたアパートに売れない小説家のジョーがフラッパ-の妹マイラと住んでいる。母親がガンで死に、アパ-トを今日引き払う・・、友達のシルヴァが来たり、マイラが悪い男にひっかかったりして、運送屋がどんどん家具をもってゆく・。鬱屈したジョーの過去と現在・・、これは家族構成はことなるが、「ガラスの動物園」の原形のような芝居だ・・、これは劇場のボイラー室で演じられた。
T・ウイリアムズの一幕もの4本、面白いアイデイアで堪能した。ネクストの俳優たちの懸命な演技も心に残った・・。
▲おもろ。カップルと中川君、今日は私の76歳の誕生日、皆で乾杯してくれた。
・スコット・トウロー「無罪」を読んだ。2段組450ページのリーガル・ミステリーは疲れるね。それもコンピューターの難しい仕組みが決め手のミステリーはコンピューター不案内のわたしのいは向かない・・。
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by engekibukuro | 2012-11-25 09:02 | Comments(0)  

11月23日(金)S「吸血姫」(作:唐十郎、演出:中野敦之)

劇団唐ゼミ、浅草花やしき裏 特設テント劇場。
 「吸血姫」は唐十郎の戯曲の中でも飛び切りの傑作である。扇田昭彦「唐十郎の劇世界」を引用しよう。「唐十郎の『吸血姫』は、この多作な劇作家の戯曲のなかでもきわだってすぐれたもののひとつで、1971年、情況劇劇が紅テントで初演した舞台は、観客にはほとんど戦慄的な感銘を刻み込んだ。李礼仙の海之ほおずき、四谷シモンの高石かつえ、麿赤児の袋小路浩三、唐十郎の花形、大久保鷹の中年男=川島浪速、根津甚八の肥後守、不破万作の看護婦長、十貫寺梅軒の少女の父、石原由起子のユリ子・・と、いわば70年代はじめの状況劇場の黄金時代の豪勢な顔ぶれだった。11年後のいまも、躍動するシーンのかずかずが、まるで昨夜観たばかりのように、怖いほどに生き生きとよきがえってくる。私の好みからいっても、これは唐十郎の劇のうち、最も好きなもの上位3本に、しかもトップクラスで入る作品だ。(「吸血姫」と「吸血鬼」の間ー『吸血姫』考」。
 中野と唐ゼミの全員は、このイメージの手をつけられない自己増殖と、思考のアンビバレンツがそのままダイナミックな劇世界へ飛翔する傑作に総力で挑んだ。大善戦で初演をわたしの観た初演の舞台を喚起さえせるものだったといえるが、同時にテキストの壁の厚さも感じたのだった。椎野裕美子の海之ほおずき、禿恵の高石かつえ、水野香苗のユリ子などとても頑張っているし、土岐泰章の肥後守は根津甚八を彷彿とさせるし、さらに西村知泰の袋小路浩三は唐芝居のテイストを濃厚に発散させて出色の演技だったのだが、そうじてこの頑強なテキストの壁にぶち当たって、砕け散った潔さと美しさが率直な印象だ。意欲そのものが感動的であるという,お世話心をうずかせる希有な舞台だった・・。
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by engekibukuro | 2012-11-24 09:01 | Comments(0)  

11月22日(木)S 世田谷パブリックシアター 

 イスラエルのダンスカンパニー:インパル・ピント&アヴシャロム・ポラックダンスパカンパニー。「ポンビックス モリwithラッシュ」。
 「ポンビックス モリ」は日本語でカイコ(蚕)のこと。ファンタジックでユーモが漂うシーンがさまざまなメタモルフォーズを遂げ、意表外のイメージの続出で、めまいがするようなステージだ。イメージの主軸は、むろんカイコから紡ぎだされた糸だ。この糸の変幻自在なダンスと連動するイメージ群の総体は、単なるダンス公演を超えたアート作品だ。糸を操る手つきも見えない高度な技術、ダンサーの肉体を自在に柔軟に彫琢できる材料にしている振付を軽やかに実現してゆくダンサーたちの超弩級のテクニック、イスラエルはダンス王国だそうだが、その輝かしい片鱗を目の当たりにしたのだろう・・。もう1本の「ラッシュ」はダンスと沢山の木製の椅子のあたかもダンスと見まがう躍動の連動で、これも目を見張るスピードとレイアウトの決まり方の美しさで目を奪われる・・。
そしてこの2作品は単にダンスの面白さ、アート作品の美しさだけでなく、もしかしたらいつか経験したことがあるかもしれない物語を潜めていて、その懐かしさが重なっているのだろう。
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by engekibukuro | 2012-11-23 10:06 | Comments(0)  

11月21日(水)「The Library 0f Life」

「まとめ*図書館的人生<上>」:作・演出:前川知大、イキウメ、東京芸術劇場シアターイースト。
 イキウメは今年で創立10年、そこでイキウメ・前川のユニークな短編シリーズ「図書館的人生」をまとめた。シリーズの各回のキイになるような代表作(『青の記憶』『輪廻TM』『ゴッド・セーブ・ザ・クイーン』『賽の河原で踊りまくる「亡霊」』『東の海の笑わない「帝王」』『いずれ誰もがコソ泥だ、後は野となれ山となれ』)と新作からなるが、ひとつひとつの短編の独立性はよりおおきなヴィジョンをもった劇として溶融して、次元の異なった舞台に変幻している・・。前川は書く・・「過去現在未来に存在するあらゆる人生が書籍として蔵される無限の図書館、という『図書館的人生』のコンセプトの中で溶け合い、一つの長編として生まれ変わろとしています」と。観ているとそれぞれの短編の印象的な記憶が蘇るが(たとえば賽の河原の絶望的な鬼とか、人の容喙を許さない美学をもったプロの万引き常習者とか)、そのそれぞれの強度はゆるやかになり、カフカ的な迷宮劇に変貌している・・。これは前川の劇作術の見事な円熟を示すものだが、見所はイキウメの役者のそれぞれの個性の全的な開示と、そのアンサンブルだろう・・。見せ場をそれぞれの役者に均等にふられた役者陣は十分に応えて演じぬき、イキウメの演技陣の充実と面白さを見せつくした。




 ▲西武池袋線の車窓からは見事に晴れ上がった天気のもと、雪をかぶった富士山がくっきり見えた。飯能の火葬場で10歳年下の妹の骨を拾った・・・。
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by engekibukuro | 2012-11-22 07:53 | Comments(0)  

11月21日(水)S「The


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by engekibukuro | 2012-11-22 06:57 | Comments(0)