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12月30日(月)M「山の声ーある登山者の追想ー」

作:大竹野正典、構成・演出:シライケイタ、プロデューサー:綿貫凛、オフイスコットーネ、赤坂CHANCEシアター
 48歳で海水浴で事故死した関西の劇作家大竹野の作品を、綿貫プロヂューサーが埋もれていた優れた作品を小さなスペースで上演することを意図したオフイスコットーネアナザー公演。この作品は第16回OMS戯曲賞大賞作品で昨年12月の初演だが、昨年は同じ大竹野の作品「黄昏ワルツ」「海のホタル」と連続して上演し、この大竹野の作品の上演に演出・俳優としてかかわったシライケイタの力もあって、大竹野の作品再評価が注目を浴びて、この作品の再演の運びになった。戦前の登山家加藤文太郎の登山記録からの作品で、厳しい冬山に挑む二人の登山者加藤(シライケイタ)と吉田(飯田太極)の天候悪化kによる遭難のドキュメント、ベテランの加藤、若いが優秀な加藤が信頼した登山家吉田の刻々と迫る危険に対処する息詰まるような事態が活写されて客を同調させてゆく二人の演技が、テキストの優秀さを証しだす上演だった・・・。それはこの作品が、加藤の山への執念と愛する妻と娘への思いが両立する山男の姿と気持ちが見事に舞台化されたこと・・綿貫プロヂューサーの大竹へのイレコミが稔ったのだ・・。

▲この芝居で今年の観劇は終了した。12月の芝居が例年にないあ多さで30本観た・・。年間272本、来年1月が激減するだろう・・。この演劇ブログを読んでくださった方々に心から感謝します。来年も面白い芝居に遭遇することが多数あれと祈りましょう!
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by engekibukuro | 2013-12-31 06:11 | Comments(0)  

12月29日(日)





▲白井聡「永続敗戦論」(太田出版)読了。
 ・・・靖国神社問題について「東京裁判によって死刑に値する有罪者とされたA級戦犯が1978年以降「神」として祀られている場所に日本の政治家が参拝するという行為は、本来は対アジア諸国との関係においてのみ問題となる事柄ではない。どう理屈づけしようとも参拝は東京裁判に対する、すなわち米国を筆頭とする全連合国に対する不満の表明というメッセージたらざえるを得ない。
 現在のところ、米国はあえて論理を突き詰めることをしてこなかった。しかし、だからといって、今後も同様の姿勢が継続される保証などどこにも存在しないし、「警告」が発せられた出来事もすでに起こっている。保守勢力における「戦前的なるもの」を代表する安倍晋三は、第一次政権時代に「歴史認識問題をめぐって、米国の「虎の尾をすでに踏みかけた。・・・・」第二次安倍政権で”踏んでしまった”・・。
 この本は、基本的に米国の意向に逆らえないのに、戦前的な価値を、つまり新憲法の戦後的なものを否定するねじれを詳説したもの・・、あまりにねじれすぎていて、論理を追うのが大変だが、再読、三読に値する本だ。現在の日本が、そのねじれのどん詰まりで、世界で孤立して、戦争前のかっての日本を彷彿させていると、この著者は警告している・・・。
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by engekibukuro | 2013-12-30 07:33 | Comments(0)  

12月28日(土)





▲「芸術新潮」1月号のつげ義春特集で、つげは山下祐二とのロングインタビューで「マンガは芸術じゃないとぼくは思っていますが、まあそれはいいとして、どんな芸術でも、最終的に意味を排除するのが目標だと思っているんですよ」と語っている、そのサンプルが「新潮」1月号の筒井康隆「ペニスに命中」、この小説の主人公の老人は「惚けけ老人だから何をするかわからぬという怯えた顔をしとるが、わしはお前らの言う認知症などではないいぞ。わしは謂わばパラフレーズ症なのだ。別名互換病」だとわめいて街に踊りでて、若い女の子をひっかけ、交番で巡査の拳銃をかっぱらい、そのピストルを街で乱発、カルチャーセンターに乱入して「源氏物語」を講義、四文字猥語連発で会場騒然などなど大騒動を起こす老人のたった一人の暴動を描く、大爆笑のナンンセンス小説の傑作だ・・・。そのデタラメ放題の振舞の活気、奔放縦横のペダントリー、老人にとって「これっきゃない」と思わせる、”救い”の小説だった。つげ義春は”もう描かないんですか”という問いに”ひきこもりの息子の世話と家事でもう描けません”と・・・。
同誌の岡田利規の戯曲「地面と床」を読んだが、舞台もそうだが、私には判じ物だった・・・。
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by engekibukuro | 2013-12-29 08:04 | Comments(0)  

12月27日(金)M「アクアリウム」シアター風姿花伝

作・演出:谷賢一、DULLーCOLORED POP

 あるシェアハウス、男女数名が住み、共通ルームにアクアリウム(養魚水槽)が置いてあり、しのほかに擬人化されたワニとトリが同居している・・・。ワニはピンクモコモコドリ、トリはオレンジフワフワドリ。住人はいろいろ問題を抱えている人たちで、それでもなんとかクリスマスパーテイを開くのだが、その最中に太っちょとガリガリの二人組みの刑事が踏み込んできた・・・。通り魔殺人事件の捜査だという・・。この滑稽な二人組の刑事の操作から、同居人の過去やメンタリテイがあばかれてゆく・・・。いまどきの若者のタイヘンさが如実に感じられる芝居だが、谷の才気が空回りしている気味があって、とくにせっかくのワニやトリの参加があまり冴えないような感じで・・・。それでも、新しい才能を楽しめた舞台ではあった・・・。谷は第六回「小田島雄志・翻訳戯曲賞」を、今年木場克巳主演で上演された、マーク・セント・ジャーメイン作「最後の精神分析ーフロイトvsルイスー」の翻訳で受賞した。

▲「群像」1月号、戌井昭人「どろにやいと」を読む、戌井ファンのわたしだが、これもめっぽう面白い。「芸術新潮」1月号は「つげ義春特集」で、そこに戌井が熱烈なつげへのオマージュを書いている。つげが住んでいる多摩川の調布で生ま育った戌井は、つげの漫画にのめりこみ、つげと多摩川の土手ですれちがうのを夢見ていた・・・。この小説、まえから戌井の小説の風味がなにかに類似していると感じていたのだが、そうかつげだったのだ・・。この父親がお灸の行商をしていた息子の話で、挫折したボクサーだった息子が父親が死んで、後を継ぎ、行商にでて山奥の村に閉じめられた話は、まったくのベタのつげ風味だった・・・。
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by engekibukuro | 2013-12-28 08:14 | Comments(0)  

12月26日(木)









▲光ヶ丘図書館へ。「すばる」1月号川上未映子「ほかの誰よりも最高の気分」、「文学界」1月号対談・柄谷行人・いとうせいこう「回帰する柳田國男、先祖・流動性・ラジオの話」、「群像」1月号・新連載ー片山杜秀「鬼子歌・近現代日本音楽名作手帖」、隔月新連載ー古井由吉「躁がしい徒然」・・・。

・安倍首相靖国参拝、日本は戦前回帰、世界で孤立する気配感じる・・・、戦前の戦争直前の構造を醸成すると思える行為を参拝された戦死者たち”英霊”は喜ぶのだろうか・・・。
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by engekibukuro | 2013-12-27 06:21 | Comments(0)  

12月25日(水)S「ANGELS IN AMERICA」

作:トニー・クシュナー、演出:門井均、tpt、近泉ピット

 この作品は2004年ロバート・アラン・アッカーマン演出で、Ⅰ部、Ⅱ部一挙上演読売演劇大賞優秀作品優秀作品賞、紀伊国屋演劇団体賞を受賞したtptにとって大切な”壮大な奇跡のような戯曲”だと門井はいう。

この初演を観たとき舞台からアメリカの暗部のさまざまな情景が、濛々たる熱気と雰囲気に巻き込まれた記憶がる・・・。今回の舞台は、ほとんど無名の若い俳優によって上演された・・。だから、初演のような舞台の空気は薄かったのは仕方がないが、よく頑張って演じていた舞台だった。その結果、戯曲の構造とセリフがより明瞭になったとはいえる。若い俳優たちの頑張りと、門井のここまでもってきkた指導を評価したい。


▲今年最後の神保町の萱へ・・・。あっという間の1年、ママのSちゃんとはもう50年つかくの付き合い・・。二人とも後期高齢者・・、常連の平凡社の三沢さんの自家製のゆずのジャムをなめなめ焼酎を飲・・。それと岩合光昭の写真の犬の卓上カレンダーをいただく・・・。
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by engekibukuro | 2013-12-26 08:23 | Comments(0)  

12月24日(火)












▲朝のテレビ小説「ごちそうさん」に南河内万歳一座の内藤裕敬がでていた。1年分のパンフレット、フライヤーなどの整理で丸1日・・・、イヴ、コージーコナーのショートケーキを食べる・・・。
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by engekibukuro | 2013-12-25 09:18 | Comments(0)  

12月23日(月)M岸田今日子記念 円・こどもステージ

「おばけリンゴ」(作:谷川俊太郎、演出:小森美巳、企画:岸田今日子、シアターΧ

 毎年暮れの円の行事、この舞台は子どもたちの生き生きした笑い声が楽しみ、この愉快な反応を見て、中には泣きわめいて退場する子もいるが、暮れをしみじみ感じるのが毎年の恒例だ・・・。この巨大リンゴを作ってしまって、これをどうするのか作った貧しいワルタは迷いに迷う・・・、ちょっとややこしい話だが、子どもたちはガンガン喜んでいた。今回は、科学研究所所長と称する奇怪な人物を、円のヴェテランの高林由紀子、金田明夫、石住昭彦、吉見一豊が日替わりで演じる、今日は石住の日で、勢いいっぱいの怪演で会場を圧し、子どもも大人も大喜びだった・・・。
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by engekibukuro | 2013-12-24 09:03 | Comments(0)  

12月22日(日)














▲8馬身差、有馬記念のオルフェーベルの強いこと!すごい!素晴らしい引退レースだった・。ムーアに乗り替わったゴールドシップは3着、競馬は馬7、人3だというが前走ジャパンカkkプで15着の馬を3着に持ってきた、この英国人ジョキーはその割合を超えたな・・。ワイド専門だから3着でOK・・・、寺山修司からは演劇、短歌とずいぶんと教わり、楽しんだが、競馬エッセーにもいれこんで、競馬を続けてきた・・。老齢にはアタマを活性化するツールだが、やりくりがタイヘン!
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by engekibukuro | 2013-12-23 07:36 | Comments(0)  

12月21日(土)M紛争地帯から生まれた演劇・5

アラブ・イスラム世界の現代戯曲「包囲されたシタイ屍体」(アルジェリア)(作:カテブ・ヤシン、翻訳:鵜戸聡、演出:広田淳一)。東京芸術劇場アトリエウエスト

 この「紛争地帯からの演劇」は今年で5回目だ。日本初訳・初演の作品を巡るリーデイング&ラウンドドテーブルということで、小劇場の俳優たちがリーデイングをする・・。
 この作品はアルジェリアがフランスの内地県だったころの1945年、作者25歳のときに書かれた作品だそうだ。紛争は当時のアルジェリア独立戦争時代の話だ・・。詩的で複雑な作品で俳優たちは懸命に読み、演じるが、なかなかわかりにくい・・・。この作品がいまの時代の紛争とどうかかわるのか、ピンとこなかった。
いまは、シリア、エジプトの中東でおこっていることは、”紛争”の域を超えて、厳しい殺し合いの闘争だ。グローバリズムが煮詰まった新帝国主義の時代の紛争は、せっぱつまっているとおもう。日本では沖縄の基地をめぐる紛争は、焦眉の急を告げている・・・。そういうアクチュアリテイはこのリーデイングからは感じられなかった・・。

▲おもろ、カップル、中川君、28日まで店は開いているが、わたしは今日が今年最後の土曜日来年も泡盛で元気をもらおう・・、”よい、お年を!”と皆にいって店を出る・・・。
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by engekibukuro | 2013-12-22 08:06 | Comments(0)