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5月30日(金)映画「ブルージャスミン」


▲W・アレンが78歳でこんな映画がつれるなんて!びっくりするような傑作だった・・。これはテネシー・ウイリアムスの「欲望という名の電車」が大元だ。むろん、話の中身は異なるし、場所もニューオーリンズでなくサン・サンフランシスコだが、主人公のジャスミンはただちにブラショ・デュボワを彷彿させ、妹ジンジャーは二人の男の子の子持ちで夫と別れているが、まごうことなくステラだし、ジンジャーを追い回すチコという男は、スタンリーだ。尾は打ち枯らして欲望という名の電車に乗ってニューオーリンズのステラの家に転がり込んできたブランシュは、ジャスミンではニューヨークのセレブ暮らしが完全に崩壊し飛行機でシスコにつき、ジンジャヤーの家にたどりつく冒頭部はそっくり・・。ブランシュはステラの夫スタンリーの酒を盗み飲むが、ジャスミンは抗鬱剤をかたときもなく口に入れ、ウオッカマテイーニを昼からの飲む・・、精神失調すれすれなのは同じ・・。話のアレコレはずいぶんちがうとしても、骨格はまごうことなく「欲望・・」、、これほどアレンの持ち味で「欲望・・」の脚本を書いて、アカデミー賞脚本賞にノミネートされたのもうなずける。小林信彦がW・アレンは喜劇より悲劇の方が成功作が多いと書いていたが、そうだな・・。しかもジャスミンの転落を容赦なく追いつめてゆく手法は、W・アレンが好きだといっていうブレヒト風の異化タッチ・・。T・ウイリアムスをブレヒトタッチで映像化したとうべきか、しかもこの映画の変幻自在の映像を運ぶテンポの驀進的スピ^ドの凄さ、客は同化される暇もなく異化されてゆく、ジャスミンを演じたケイト・ブランジェットがアカデミー賞女優賞を獲ったのは当然だし、こういうなんの救いもない硬質な映画を評価するアメリカ文化の奥深さをつくずく感じた。もっとも「欲望・・」を知っているか知らないかでずいぶん違うだろうな・・・。
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by engekibukuro | 2014-05-31 08:33 | Comments(0)  

5月29日(木)★M・★★S「プルーフ/証明」

「プルーフ/証明」昼夜観劇を敢行・・。
★作:デヴィッド・オーバーン、翻訳・演出:詩森ろば、風琴工房、SHIBAURA HAUSE
★★翻訳・演出:谷賢一、DULL-COLORED POP、サンモールスタジオ
・梗概を★★から要約・・。シカゴ、冬。天才数学者・ロバートが103冊のノートを遺して世を去ったところから物語は始まる家に引きこもり、人を寄せつけようとしない次女キャサリン、ロバートの研究を引き継ごうと家を訪れる青年研究者ハル、キャサリンの身を案じる長女クレア。3人は惹かれあい、傷つけ合いながら、やがて一冊の「証明」が書かれたノートを発見する。数学の歴史上、あらゆる数学者が証明しようとしてきた、おそらく不可能と思われていた「証明」。ロバートの最後の偉業と思われる「証明」について、キャサリンが驚愕の事実を打ち明ける。これはパパが書いたものじゃない、その「証明」は・・・。
★・★★ロバート:佐藤誓・大塚仁志、キャサリ:清水穂奈美・百花亜希、クレア:李千鶴・遠野あすか、ハル:金丸慎太郎・山本匠馬。佐藤、大塚以外は初めて見る俳優だ。輌者、演出も演技も差異があるのは当然だが、差異より、差異そのものを些少なものとしか感じさせないっ戯曲の力に圧倒された。★は新装ビルの5階のガラスばりのスペ^スで、芝居の半ばで突如ガラスを覆っいたカーテンが引かれると、眼下の芝浦のビルの林立の風景が開けて、眼下の人や車の動き、モノレールの上下の運航が眼に入ってくる。モノレールをみながら舞台を観るという趣向になって珍しいのだが、舞台への集中はきれない。この戯曲の俳優への規範力、それぞれの俳優への要請の高さ、役の強固さが、俳優のめいっぱいの挑戦、没入へ邁進させ、若い俳優たちの演技がおどろくほど目覚ましかった・・。むろん、ヴェテラン佐藤、大塚の舞台を締める存在感の役割も大きいのだが、とくにキャサリンという天才だが、エキセントリックで実に厄介な、はた迷惑な言動を演じる清水、百花は下手すると客がうんざりしかねない役を見事にクリアーしていた・・。3人の関係が完全に破たんする寸前にヘビービターのハッピーエンドが到来する。「証明」を書いたのがロバートの数学の血を継いだキャサリンだということをハルが証明したのだ・・。数学を媒介にした愛の物語、人間存在の危うさ・・とか、この物語を意味ずけ、普遍化することはあまり興味をもてない、このシンプルな戯曲の強固さに感嘆するだけでいい。昼は因幡屋通信の宮本起代子さん、長田育恵さんと、夜は高橋豊さんと観た。ハードな芝居だが、昼夜観て疲れなかった・・。いい芝居の効用か、帰りに寄った神保町萱での三沢、横山さんと吞んだ酒とおしゃべりが無上のリラックスになった・・。
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by engekibukuro | 2014-05-30 09:52 | Comments(0)  

5月28日(水)M「正義の味方ー風間杜夫のひとり芝居」

作・演出:水谷龍二、プロデューサー:岡田潔、トム・プロジェクト、下北沢・本多劇場
 テンガロンハットをかぶって”ヒーロー”♪・・を歌いながら風間登場、舞台を降りて客と次々の握手、キンキラキンのド派手なでガマの油の具師の口上を述べ、オボカタさんをナニして”ホップ、スタップ、ジャヤンプ、いいじゃないかスタップ細胞があったって”と世相もやりだまに・・・、この男、大角卯三郎、95歳、舞台は銭湯・・、大角はこの銭湯のオーナーだ。戦前にここの銭湯大正湯のひとり娘と惚れあって銭湯を継ぐはずだったが、戦争に行き、ルソン島から九死に一生をえてやっと復員してきたが、戦死公報がきて娘は別の男と結婚していた・・。やっとあきらめ、やけのやんぱちで頑張って金持ちになったが、最後は大正湯が廃業に追い込まれているとしって、買い取って営業に口をださないオーナーになった、ただ、あこがれの番台には座らせてもらう・・。ざっとこんな具合で、戦闘にくる常連との交流が無対象の一人芝居で相手を感じさせ、ほとんどは爺さんばあさんらしいいが、風間はそういう雰囲気を彷彿とさせて・・、だが、水谷の狙いは、喜劇で張るが、この95歳の男の生きてきた戦前から戦後の歴史、名もないひとりの庶民の目からみた日本のこれまでをいろんな事件の写真を流して、この男の生涯を浮き彫りにすること、風間はその狙いを体現して、みじめに戦死した戦友を思い、いまの世の中を慨嘆する・・・、まさに”正義の味方”なのだ・・。さすがのひとり芝居だった。
▲カズオ・イシグロ「日の名残り」を読む。まったくおくればせで、蜷川演出のイシグロの「私を離さないで」を観てから思い出して読みだした・・。襟をただすような名作だね・・・、いろんな読み方ができる・・、この小説の主人公ステイーブンソンはダ-トリン・ホールという広大な屋敷の執事。英国の貴族社会・強固な階級社会にがっちりはめ込まれた執事という職掌を被虐性を浄化させて天与の職業として主体化するステーブンソン。「私を離さないで」の人間の犠牲になることを覚悟したクローン人間に似ている・・。解説の丸谷才一がこの小説が、E・M・フォースターの名作「ハワーズ・エンド」をおもわせると書いていたが、そうだな・・。だけど、かってダートリン・ホールで女中頭をして、今は結婚して孫もいるミス・ケントンとひさしぶりに再会したステーブソンが、雨の降るバス亭でミス・ケントンのステーブンソンへの昔の思いを聞き、二人のかなわなかったかっての恋情を浮上させた場面の素晴らしい描写に感動した、なにより屈指の恋愛小説だと思った・・。 
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by engekibukuro | 2014-05-29 08:18 | Comments(0)  

5月27日(火)S「関数ドミノ」(作・演出:前川知大)

イキウメ、シアタートラム
 ”ある地方都市で奇妙な交通事故が起きる。見渡しの悪い交差点、車の運転手は歩行者を発見するが、既に停止できる距離ではない。しかし、車は歩行者の数センチ手前で、まるで透明な壁に衝突するように大破した。歩行者は無傷。幸い運転手は無傷だったが、助手席の同乗者は重傷。目撃者は6人。保険調査員の横道はこの不可解な事故の再調査を依頼された。”という発端の芝居で、そのごさまざまな目撃証人、そこから派生する人間関係の重層、そして事件解明の決め手は、目撃者の一人真壁薫の断定、荒唐無稽かもしないが、これはドミノ現象だ、至近距離の目撃者、歩行者の兄の左門森魚はドミノ保持者だ、これはあくまで仮説だが、検証に値する、というようなことをいい、その線で解明が始まって・・・。この公演は再演だが、初演では舞台に超常現象の空気が充満していて、その空気に呑まれて、ドミノというものにそれほど留意しなくても済んだが、今回は芝居の運びの論理性が高く、ドミノという概念のわかりにくさが浮上、ドミノ倒しとはちがうのか、新種の念力かとかつかまえるのに往生した・・。しかし、それはそれとして、イキウメの役者群の個性的面々の演技はそれじたいで十分楽しめる、前川の劇作のコンセプトをそれぞれ体現した独特のアンサンブルの魅力、演技賞を受賞し、評価がどんどん高まっている安井順平、浜田信也、独特の高い声が魅力の大窪人衛、うだつが上がらないのはこれ以上ないような役で、忘れられない存在感を示す小柄な森下創、外の舞台できらめいた伊勢佳世、吉田蒼、新倉ケンタ、盛隆二、岩本幸子、順風満帆の安定感を前川・イキウメという劇団に感じるのだ・・。
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by engekibukuro | 2014-05-28 08:17 | Comments(0)  

5月26日(月)
















・早朝3:00プレイボールのヤンキースのホワイトソックス戦で、連勝がとまった田中マー君が投げて7対1で勝った・・。堂々と落ち着いていて大したもの・・・、次のより高いステージへのスタートだ・・。
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by engekibukuro | 2014-05-27 07:13 | Comments(0)  

5月25日(日)S「桃太郎の母」唐組

作:唐十郎、演出:唐十郎+久保井研、雑司ヶ谷・鬼子母神境内紅テント
 平成2年4月7日、女子大生・真理子、台南・高雄にて消息を断つ。行方切れて5日後、母元に一通の手紙あり。「待ってて、母さん、私の息を届けます」ー真理子が住んでいたアパートの前。ヤク中毒患者収容所「ブルーシャトウ」から逃げ出してきた男二人が、もう帰らない彼女をしのんでグラスを合わせる。そこへ女検事・名月が探偵・カンテン堂を捜しにやってきた。・・・・
 真理子の足取りと、桃太郎の母。まり子から真理子へ贈られたアンモナイト。真相はその中にある・・!!
「息は隘路をめぐる。代る代る訪れる隘路をくぐり、まりこと名のる女とカンテン堂は、真理子の「息」を求めて奔走する。日本と台湾を駆け抜けた原始睡眠の果て、唐十郎・博山炉がロマンチシズム!!パンフの惹句を書きぬいてみたが、この芝居唐の極北的独自ワールドで、ワタシの唯一の手がかりは、唐が偏愛するカンテン棒、昔駄菓子屋で売っていた色とりどりのカンテン棒・・・、同世代のありがたさ・・か。今回の舞台、久保井、稲荷卓央、辻孝彦、藤井由紀、赤松由美の主力俳優の終結場面が多々あってテキストに肉薄し、ラストは久保井の名探偵灰田は、ムンクの「叫び」の背景のような海の背景画が突然まっぷたつに割れて、その奥に引きずりこまれてゆき・・屋台崩しへ・・・。桃太郎の母は、桃であることは間違いない・・が・。
▲唐さんは初日のカーテンコールで歌ったそうで、元気になってきているのがうれしい・・。
・高橋豊さん、渡辺弘さんとベンチに座って観る。本来は桟敷に座って観るのが唐芝居の正しい鑑賞法なのだが、なにしろ・・・・で仕方なし・・。幕間に流山児★事務所の伊藤弘子ちゃんに会う・・・。
・オークス、岩田のヌーヴォコレクトが単勝1・3倍の強力一番人気ハープスターを首差押さえた。図星だった。


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by engekibukuro | 2014-05-26 08:19 | Comments(0)  

5月24日(土)M「ガーデン」オフイスコットーネ

作:田村孝裕、演出:和田憲明、プロヂューサー:綿貫凜

 面白い芝居をたくさん上演していた、いまはなきシアタートップスのフタッフで、新しい劇団の窓口的存在だった和田が、ONEOR8の田村と知り合い、田村の意欲作を何本も上演した・・・、実際ずいぶんと面白い舞台だった・・。この「ガーデン」は田村とつきあうきっかけになった最初に観た芝居だそうだ・・。
 舞台はガソリンスタンドの休憩室、バイトの男女が休んでだべったり、ぐちゃぐちゃして過ごす部屋で、この部屋にしょっちゅう来る威張り腐った自称アーテイストが助手を連れてきたり、店長はカフェバーの女の子の出勤につきあうし、店長の別れた妻との間の娘がきたりtとか、いろいろ出入りがあり、部屋のまんなかに据えられたテーブルはアーテイストの失敗作(?)で、この傾いたテーブルが”ガーデン”という作品だそうだ・・。登場人物それぞれが、心に人に言えないナニカを持っていて、その細かい言葉やしぐさに和田特有の静かなサスペンスフルなタッチで描き分けてゆく・・。このなにか特別な事件はおきない芝居だが、充分一局の舞台たりえていて、なにかの事情でやめて、今日故郷の高松に帰るバイトの女性が、ひとり洗面所で大泣きして、外に出ると一帯の草木が光り女を照らすガーデンの景になるラストトシーンは美しい・・・。

▲おもろ、中川君の京都旅行の写真付きの土産話し、小学校時代の友だち4人との、昼は寺社参りで、夜はキャバクラの豪華旅行だったようで、知り会っ女性の写真も、いまは独身の58歳・・まだまだ元気でけっこうだ・・。アkップルはお休み・・。、
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by engekibukuro | 2014-05-25 08:48 | Comments(0)  

5月23日(金)





▲「文学界「でオレのたいして変わらないトシの片岡義男の超若作りの小説「・・・カボチャパイ」を読む。若い男女のファッションや気分をよくこんなに生き生きと描けるねい・・・と感心する・・。
▲「テアトロ」。俳句誌「銀漢」に連載していた谷岡健彦さんの英国の劇作家の紹介が、「テアトロ」に移って開始されている・・。

・今日は芝居なし・・。
・昨日の森新太郎演出の「ビッグ・フェラー」のブログがちょとヘンテコになっているかもしれない・・・・。
とにかく3時間の面白い芝居だったこと、役者がみなよかったこと・・を確認しておく・・。
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by engekibukuro | 2014-05-24 07:56 | Comments(0)  

5月22日(木)M「ビッグ・フェラー」世田谷PT

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by engekibukuro | 2014-05-23 07:47  

5月21日(水)M「音楽幻想劇 リア王ー月と影の遠近法」

作:ウイリアム・シェイクスピア(坪内逍遥譯版)、脚色・演出・音楽:J・A・シ-ザー、美術・衣裳・メイク:小竹信節、共同演出・構成:高田恵篤、演劇実験室◎万有引力、座・高円寺
 シェイクスピア生誕450年、各所でさまざまなスタイルでリア王」が上演されている。この公演も際立った特有性を持つ舞台、もとより万有引力は寺山演劇の継承を本線とする劇団だ・・、この芝居も寺山路線上にはあるが、シーザーの独特の荘厳美学が加わって舞台を震わせた・・。場割りも(1)寓者の祭り あるいは 影の浄化の祭典 ◎球体偏執の乞食(ボッシュ)不思議な階段を背負った乞食(エッシャー)、鏡のついた車に乗る壁乞食(ブリューゲル)の萬話的世界、というような順列で・・。シーザーの音楽が主張トーンのもと、全体がゴテゴテしたコスチュームプレイで、スペクタクルの連鎖、音楽、美術、衣装などが同列な表現媒体で、演技も役者優位のものではない普通の演技力を問われるものではない。スペクタクルの総合性の一要素だ、リアに扮した高田恵篤も。ほかのカンパニーでは、リアルな演技もよくできる人だが、自分の劇団では万有引力の演技スタイルに徹する。だが、この「リア王」を観て、つくずくこの芝居は個人的な感想かもしれないが、この芝居は老人問題、いかに老人は正しく老後を過ごすかという問題を扱った芝居だと思った。老後の現実を直視し、自己を過大に評価する妄想を排すこと、父リア王におもねって美辞麗句で賛美する姉二人より、そっけなくいつものとおりの応対をしてリアをしらけさせたコーデイリアの方が、リアの老後の現実を直視した正しい愛と応対なのだ、結果リアはそてれに気付くのだからあたりまえの話だが、いまさら思った老人の感想で・・。
▲田中マ-君が負けた・・日本の記録からの連続の連勝も、ヤンキースでの連勝もとまった。無限につづくわかがないのだから、いつかくるものがきたのだが、3回に雨が強く降ってきて、手の平が濡れて変化球が急に変化しなくなった・・、残念な不運で、そうなると味方も打たなくなってさすがの強運も今日は見放された。
マー君はいままでの応援を感謝し、次の登板に備えると語った。謙虚な静かな決意を感じた。期待しよう。
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by engekibukuro | 2014-05-22 07:51 | Comments(0)