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12月30日(火)映画「毛皮のヴィーナス」

 年末恒例の映画見物、このロマン・ポランスキーの映画、有楽町ヒューマントラスとで見たが、午前中なのに満席、ポランスキーの映画もポピュラーになったのだな・・。
 この映画、まったくの演劇映画、マゾッホの有名な原作「毛皮のヴィーナス」を劇化する脚色・演出家が主役女優のオーデイションを催すが、ロクな女優がいないと打ちきったあとに、遅刻してきた女優があの手この手で強引にオーデシションを強要する・・。この女優がポランスキーの妻エマニュエル・セニエ、演出家がマチュー・アマルリック。この二人の二人芝居、すべて劇場内、オーデイションのドキュメント映画のよう・・。この二人の演技比べの様相だが、これが見応え十分でみるみる画面にのめり込まされる・・。この妖気漂う大型女優は、原作を知っているのか知らないのか、無知の振りをしているのか、演出家はもううんざりしているのだが、どんどんこの女優の術中にはまってゆく・・。とうとう台本の稽古をはみだして、演出家との婚約者との今夜の食事までダメにされて・・。、この演劇と実生活、それが幾重にも瞬間々でダブってオーデイシヨンは名づけようのない世界へ、女優は黒いブラジャ-とパンテイ姿で鞭をもつサド・マゾの深淵へひっぱってゆく・・。
そしてオーデイションの結果はどうなのか、最後までそれは宙吊りにされる・・。二人芝居というのは舞台でもそうだが、みていて疲れる。だが、この映画は疲れ甲斐が充分あった。ポランスキー80歳、この歳でこな難度の高い映画を撮る・・脱帽!
・映画館をでて、「悲劇喜劇」のKERA特集で、赤堀雅秋がKERAに誘われて、二子玉川の稽古場から三軒茶屋までタクシーで(KERAは電車にのらないそうだ)行き吉野家の牛丼を食べたと書いていたのを思い出して有楽町の吉野家で牛丼を食べる。すこし残したがうまかった。新宿へ出て高島屋で予約してあった王子の扇屋の卵焼きを受け取り、池袋のやまやでお屠蘇にするシェリー酒を買う・・。
★本年の観劇総本数は274本でした。このブログを読んでくださった皆さまに心から謝意を申し上げます。来年も良い面白い舞台にめぐりあうよう、良いお年を!
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by engekibukuro | 2014-12-31 07:53 | Comments(0)  

12月29日(月)「悲劇喜劇」2月号



 ★特集・ケラリーノ・サンドロヴィッチ

・諸家の論評、ナイロン100℃の役者たちのコトバなど満載だが、出色は今村麻子編集長のKERAへのロングインタビュー。KERAの演劇、生い立ち、人生観などKERAの全貌を楽しく語らせた・・・。
 なにしろ小学4年生で小林信彦の「世界の喜劇人」「日本の喜劇人」を読み、中学生のころにキートン、マルクス兄弟のサイレント映画を捜して見まくっている・・。そのほか音楽活動のことなどもろもろだが、現在の演劇界の商業化に、プロデューサーがカーテンコールの役者の並びの番手にやたらに、その芝居の実際を無視してくちばしを入れるのに怒りまくる・・。
 ★・・・自分の融通の利かなさ、絶対曲げない信念、信念という言葉も嫌ですけど、我の強さ、我が儘を言い通す部分を信じて信頼をおいてくれるファンが音楽でも演劇でもたくさんいて、それまでずっとそういう人たちに支えてもらってきたと思っているから、商業主義にどっぷりつかって次々とこだわりなく作品をこなしていくことはできると思ううんですけれど、絶対やりたくない。それをやったら彼らを裏切ることになるし、自分にも負けたことになる。自己嫌悪に押し潰されるでしょうしね。
 ・KERAの演劇への理解を深めてくれる、有益かつ面白い特集だった。
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by engekibukuro | 2014-12-30 07:56 | Comments(0)  

12月28日(日)


 日本演出家協会協会誌「デイー」第13号の特別対談「タイプの違う作家ですからね、僕たち」鄭義信×鐘下辰男ーを読む。
 鐘下は青年座の養成所出身の新劇育ち、鄭義信(チョン・ウイシン)は黒テントのアングラ育ち、そのせいでもあるのか、話があまりかみ合わない・・。しかし、この二人の芝居を初めて観たときは鮮烈だった。鐘下の書いた芝居は、処女作ではないと思うが、小林秀雄と中原中也の長谷川?子を巡る二人の有名なエピソードと夭折した天才詩人富永太郎を絡めた芝居で、小林を演じた千葉哲也のむせかえるような強烈な演技が舞台を圧して、素晴らしい青春群像劇だった。劇場は俳優座劇場で、この頃の劇場支配人は富永一矢で、富永は富永太郎の甥であり、私の明星学園中学の同級生だった・・。ウイシンの芝居はこれは処女作で、練馬の黒テントの稽古場公演で、エンツエツベルガーの特集の一つだった。タイトルは失念したが、登場人物が黒マントを着て、黒い大きなトランクを持っていた。このトランクを持つ人物たちがいまでも記憶に残る、それ以後黒テントの芝居でトランクを使う芝居がたくさんあったような記憶があるが・・。とにかく面白かった記憶は残っている・・。いまや二人とも大成したわけだが、ウイシンが以前、”ボクは鐘下さんの芝居はダメです”と言ったのを思い出した。
★有馬記念、ジャスタウエーあわやの4着、最初は優勝したジェンテイルドンナを買うつもりだったが、中山競馬場が初めてだというので、替えてしまった・・。残念!今年はマイナスの数値が多少なくなった・・。来年4日の金杯から・・・頑張ろう・・。
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by engekibukuro | 2014-12-29 07:37 | Comments(0)  

12月27日(土)M「ひゅーどろどろ<2014>」シアターΧ

谷川俊太郎現代語狂言(作:谷川俊太郎、演出:小森美巳)○演劇集団円+シアターΧ提携公演×岸田今日子記念こどもステージNO33。

 ローソクからガス灯へ、ガス灯から電灯へ、電灯から蛍光灯へ、蛍光灯からLEDへ、どんどん夜は明るくなるが、人間の心はどんどん暗くなる・・・。

★でもいちばんおそろしいのは何かとと言うと、それは私たち人間のココロです。すべてのおそろしいものは、まず人間のココロから生まれてくるのです。・・・・・・・・・。
お化けのいるところは私たちのいるところにくらべると、
どうやらとてもいいところみたいです。
だってもうお金のしんぱいも、死ぬしんぱいもないし、
えらい人、えらくない人のくべつもないのですからね。
 谷川俊太郎(初演時パンフレット抜粋)・・・・・ひゅーどろどろ!!!
★この舞台で本年の観劇もめでたく終了!
★おもろ本年最終日・中川君と、”1年あっという間だな・・”と異口同音、今日は、常連の最長の岸本さん、それに久しぶりに校正のヴェテラン夏目さん、古本屋の石井君夫婦もきた・・。中川君からなとりのツマミ各種をお土産にいただいて帰る・・。
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by engekibukuro | 2014-12-28 09:09 | Comments(0)  

12月26日(金)


 来年3月号の「悲劇喜劇」の<昨年の演劇>評価特集のための本を読む。

・永井愛「鷗外の怪談」のために、鷗外の短編「沈黙の塔」「食堂」「半日」「普請中あ」を読む。この芝居の評価がたいへんのが分かってくる・・。
・清水邦夫「火のようにさみしい姉がいて」。これは蜷川演出の舞台もよかったが、戯曲そのものもたいへんな傑作だ・・。いまさら清水の戯曲に無知だったことに・・・まったく自分の不明を恥じる。これは舞台のための戯曲であると同時に、まぎれもなく文学作品だ。
・前川知大「新しい祝日」。これは舞台を観ているだけではわからない前川の芝居の真意がわかる・・、、前川が台本を評論家に配るのも納得・・。おもしろい・・。
・岡田利規「スーパープレミアムソフトWバニラリッチ」(「悲劇喜劇」掲載)、これは舞台もだが、この戯曲も傑作・・。「演劇最強論」で藤原ちからが岡田を「中興の祖」と書いたことがやっとわかった。
★蜷川さんが、朝日新聞のエッセイの連載を再開した。入院したときいて心配していたから安心した・・。さいたまゴールドシアターの「鴉よ、おれたちは弾丸をこめる」の香港公演のために香港にゆき、早朝下血して入院し、ジェット機をチャータ-して日本に帰ってきて入院した・・。その顛末を自分で書いているのだから、まずは大丈夫なのだろう・・。さらに香港で観るための蜷川さんの席に、日本からでむいた藤田貴大が替わって座ったそうだ。
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by engekibukuro | 2014-12-27 06:39 | Comments(0)  

12月25日(木)自画自賛 平田オリザ×三浦大輔

 芸劇+トーク 異世代リーデイング、東京芸術劇場シアターウエスト
 司会:徳永京子
・リーデイングの最初は三浦、自作「愛の渦」「人間失格」それに「裏切りの街」の一部を朗読、読むのに夢中になって時間を15分オーバー、袖からの注意も目に入らないで・・。無論、この三作、三浦の演劇の骨格になっている性の暗闇にうごめく人間たち・・。低調で卑猥な会話も三浦が読むと人間の底の底の真実をえぐっているようなどうにもならないようなトーンがあって聞きごたえがあった。
三浦の時間超過のあおりで、平田の時間が短くなったが、「転校生」と「東京ノート」を読んだ。「東京ノート」はいまや世界中で上演されている岸田戯曲賞受賞作だ・・。

徳永司会のトークでは、平田と三浦の接点を紹介する。それは以前、平田の名作「S高原にて」を若手演出家4人が演出した「贋S高原にて」の演出家の一人が三浦だった。この対談も三浦の要望だったそうだ。三浦も広い意味で平田の「現代口語演劇」の影響下で演劇を始めた一人なのだ。話題は平田の書いた初めての小説「幕が上がる」、これが映画化されて、この映画モモクリ主演で、前評判がタイヘンだそうでモモクリの演技指導は平田が担当して、ぐんぐんうまくなっていると・・・。面白い対談だった。
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by engekibukuro | 2014-12-26 08:56 | Comments(0)  

12月24日(水)瀬戸内寂聴「死支度」(文芸春秋)


 ただいま91歳、まだまだ死にそうもない。
 この本は、寂聴さんが常人ではない特別の人なのか・・。
我々にも多少は真似できる普通の努力家なのか・・。
もう自分は幽霊だと言っている境地への誘惑ではあるので、
片山杜秀のいうユーモア小説の極北として
ただ単に楽しめばいいのか・・。

 そうだね、この本、教訓くさいところが微塵もない。
文章は強靭で平明だ、平明な強さ!
うちき・。死も平明なのだよ・・・・。
それにこの人はいまでも酒を呑んでいも
二日酔いしないみたい・・・。

★クリスマスイブ・・。神保町へ、ヴェローチェで前川知大「新しい祝日」のテキストを読む。銀漢亭へゆき、麦焼酎三杯飲み、伊那男先生、水曜バイトの女流俳人展枝さん、競馬の話の相手をしてくれる俳人朽木さんに新年への挨拶して帰る・・。来年は俳句により精進しよう・・。栢水堂でケ-キを買う・・・。 
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by engekibukuro | 2014-12-25 07:39 | Comments(0)  

12月23日(火)M「ジョルジュ」(作:斉藤憐演出:佐藤信)

座・高円寺 冬の劇場22、ピアノと物語
 ガーシュインを登場させた「アメリカン・ラプソデイ」と共に同じ斉藤憐作の「ジョルジュ」は、ここ座・高円寺の毎年暮れに上演する「ピアノと物語」の作品だ。主人公はショパン、舞台中央にピアノ、両側に椅子。ショパンに扮してピアノを弾くのはピアニスト清塚信也、上手には竹下景子が扮する、ショパンを見出し、溺愛し、そして最後に別れたジョルジュ・サンド、下手にはそもそもショパンをジョルジュ・サンドに紹介した、ジョルジュの小説のエージェントでもある、弁護士ミッシェル、これは真那胡敬二・・。物語は、この終生変わらぬ友情を持ち続けた二人の往復書簡の朗読の形で進行する。そして、朗読の中心に清塚のピアノの演奏を位置させる。第一幕にショパンの作曲した曲を7曲、第二幕に8曲演奏する。
 ジョルジュ・サンドは当時の売れっ子の小説家だったが、その上先端的な女性解放の闘志であり、さらに貧しい農民や労働者の権利擁護、生活向上への献身的な運動にもたずさわった・・。実生活での恋多き女でもあったジョルジュのショパンへの豊かで複雑な愛の物語を軸に、この作品はそれらを総合しておのずからジュルジュ・サンドの生を使い切ったような変幻自在な豊かな人生が浮かび上がってくる・・。斉藤の音楽への深い教養と練達の劇作j術が渾然一体化した作品であり、オペラの演出でも第一人者でもある佐藤の演出がその斉藤のテキストをピアノ演奏と合体させて簡素に盛り上げる・・。年末掉尾の舞台として最適な作品だ。終幕近くに演奏される「葬送行進曲」が妙に身に染みるのは、年齢のせいか、このいやな時代のせいか・・・・。
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by engekibukuro | 2014-12-24 08:47 | Comments(0)  

12月22日(月)S「自作自演 立川談春×前川知大」

 芸劇+トーク 異世代リーデイング 東京芸術劇場シアターイースト

 ピカピカに剃りあげたような頭の「イキウメ」の主宰で劇作・演出家の前川と、なんと地味な三つ揃いのスーツにネクタイ姿の談春が並ぶと不思議な異種組み合わせで異様な空気を醸す・・。
 前半がリーデイング、休憩をはさんで二人のトーク。
前川のリーデイイングの自作は「地下室の手記」、これは原作ドストエフフスキーで、これを日本には移し替えて翻案したもの、これは・カタルシツ「地下室の手記」・として、イキウメの俳優安井順平の一人芝居として上演して評価が高かったものだ。談春の自作は「談春 古往今来」、談春には講談社エッセイ賞を受賞した「赤めだか」という自伝物もの傑作があるが、その続編らしい・・。こわごわ緊張して読む前川、これはしゃべりが生業の余裕しゃくしゃくで読む談春・・。その対比が見もの、聴きものでなかなかいい・・。
 トークは場慣れしない前川をかばいかばい進行させる談春が、年の差もあるがいい感じで・・。そもそも「イキウメ」の前川と落語家談春の接点は、と不思議だったが、それは、談春がテレビドラマに初出演したとき、そのドラマに「イキウメ」の大窪人衛が出たのがきっかけ・・。大窪は舞台でも子供役がうまいというより適性があって、このドラマでもランドセルが背負える俳優として使われたらしい(私の大好きな俳優だ)。その縁で「イキウメ」の前川作・演出の「獣の柱」を観に行き、感動したそうだ・・。なかなか緊張がとけない前川との、多少ギクシャクしたところもあったが、とても興味深い一夜だった・・。
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by engekibukuro | 2014-12-23 09:20 | Comments(0)  

12月21日(日)★M「山の声」★★MM「ビヨンド」

★ーある登山者の追想 作:大竹野正典、上演台本:シライケイタ、構成・演出:日澤雄介、プロッデユーサー:綿貫凜、下北沢 小劇場B1、第16回OMS戯曲大賞受賞作品
 この作品は、オフイスコットーネでシライケイタ演出・出演で上演して来たものの劇団チョコレートケーキの日澤が演出した。出演者は二人、劇団チョコレートケーキの岡本篤と浅井伸治。秀作ぞろいの大竹野の作品の中でも、この二人芝居はなかでも際立っている作品だ。1時間の芝居だが、感銘は深い。普通の勤め人である二人の登山者の話だ・・。二人とも有給休暇、正月休みしか山に登れない。年の違った先輩と後輩だ。先輩はアマツア登山家としては記録的な難行登山として登山家の中では知られた存在だ・・。この二人が組んで冬山に挑む・・。天候が大荒れになって雪穴を掘ってじっと待機して・・。こういう情景を二人の会話で報告されるのだが、この会話で二人の生活や、登山のこまごました持ち物や食べ物の話もされて、登山家と登山のイメージがわき出てきて・・、しかし、若い後輩は先輩の励ましも虚しく凍死してしまう・・。普段は穏やかな生活をしている人間が、なぜ命がけの登山に挑むのか・・。この芝居で、登山というものが人間の生命の本質に根ざしていること、死の危険に立ち向かうことは生きるlことの純度を確かめること、これが生きることを逆照射する・・。密度の濃い登山の緊張が解けて、先輩は日本海沿いの小さな町の、妻と娘がまつ我が家に帰る・・。その穏やかさが、緊張ときわだって対比されて芯から心を打つ・・・。それも二人のチョコレートケーキの役者、日澤の演出、劇団チョコレートケーキの力量の高さをまざまざ知らせた舞台だった。
★★ー先に向かって。勅使川原三郎デイクレションU18ダンスワークショプ・プロジェクト。勅使川原のメソッドによるダンスワークショプの生徒と、同じ、勅使川原の弟子のKARASの鰐川枝里と加藤梨花のダンス、この鰐川と加藤のダンスがて勅使川原のメソッドを完全に体現していると思わせる迫力と魅惑を舞台にまき散らしていて感動的な舞台だった・・・。
 
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by engekibukuro | 2014-12-22 07:51 | Comments(0)