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11月29日(日)




 



 ★今月24日で79歳の誕生日を迎えた。そんでもって作29日に誕生祝を強行開催、義妹kをよぶ。久しぶりに壇一雄の「壇流クッキング」をとりだして、豚肉料理の王様の東坡肉(トンボーロ)という豚バラ肉の角煮を1日かけて作る。これは中国の宋代の大詩人である蘇東坡が大変に愛好した料理だからである。1キロのバラ肉を茹でてニンニク醤油に漬けて、焼いて、生してというタイヘンな手間でほぼ1日がかり・・。それを息子をよんで持たせたり・・。その割にうまく仕上がらなかったのは残念、みなうまいとは言ってくれたが・・。まあ、この年までよく生きてこられたという感慨に義妹がもってきてくれた上等赤ワインを飲んでふけるのだった・・・。
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by engekibukuro | 2015-11-30 09:55 | Comments(0)  

11月28日(土)M「God Bless Baseball」

作・演出:岡田利規、翻訳:イ・ホンイ、ドラマトウルク:金山寿甲(東葛スポーツ)、イ・ホンイ
舞台美術:高嶺格、衣裳:藤谷香子(FAIFAI)
出演:イ・ユンジュ、捩子びじん、ウイ・ソンヒ、野津あおい  FT/15参加作品、あうるすぽっと
 日韓共同制作で俳優も男女日韓二人ずつ出演。この芝居を、今月の朝日新聞の論壇時評で、高橋源一郎が巻頭に取り上げている。  「テーマは野球、野球を知らない女の子たちに男たちが野球とは何かを教えてゆく。その過程で、日本と韓国の相克の歴史が浮かび上がってくる。アメリカを発祥の地とする「野球」によって翻弄される、日本と韓国という二つの国。ふと気づくと、そのか弱い女の子ふたりが、同じ苦しみを持つ二つの国そのものに見えて、寂しい、切ない思いで、私の胸はいっぱいになった。・・・・」。まさしくそういう芝居なのだが、舞台表現の岡田特有の身体パフォーマンスがさらに進化して目を奪う・・。日本人の男が、”野球は人生のアレゴリー”だといって、野球に使う体の操作を教えて、女の子の一人が”アレゴリーとはなんですか?という質問を無視してどんどん体をクネクネさせ、身体のあらゆる部分が、その体の持ち主のモノでないこと、体は当人にとって他者であることを身をもって証明する・・・、そのクネクネのダンス的な面白さ、柔らかい迫力はまったく独創的なもので、そして野球が人生のアレゴリーなどという言辞がまったく虚妄のコトバ、アレゴリーなどという言辞も怪しいものだということを納得させるのだ。さらに舞台中央に据えた多角形のオブジェ、このオブジェの意味するものが、主演者の執着の重さがわからない・・。だが、その不可解さそのものがこの舞台の魅力になっている、細部にわたって舞台の時間が寿実している、なんともいえぬ秀作だ・・・。
/・終演後に、韓国の女性製作者と演出家の、最近起こった、修学旅行の生徒が事故に遭ったセオル号のことを劇化したことへの韓国の検閲についてのアッピールがあった。司会は岡田で、多田淳之介も参加した。



 
 
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by engekibukuro | 2015-11-29 08:02 | Comments(0)  

11月27日(金)M「颱風奇譚」FT/15参加作品

・キラリ・ふじみレパートリー新作 日韓協同制作
作:ソン・ギウン、演出:多田淳之介
 2013年に上記二人が創ったチェーホフの「かもめ」を翻案した「カルメギ」が韓国の大きな演劇賞である東亜演劇賞を受賞した。今回の芝居は、二人はシェイクスピアの「テンペスト」を翻案した。南シナ海の孤島に颱風で難破した船から日本の高貴な要人たちが辿り付く。島に国を追われた朝鮮の老王族李太皇公が王国の再建を夢見ながら暮らしていた。つまり、日韓の現在の関係の状態を念頭に入れた翻案で、細かい台詞は席が遠くてよく読み取れずわかりにくかったが、いかにも「テンペスト」らしく、多田はダイナミックなスペクタクルに仕上げておおいに迫力を感じた舞台だった。終わって、ポストトークに多田と岡田利規があった。ただ、その話が現在の日韓の政治問題にほとんど終始いしているのがよくわからなかった。しかも、その政治問題が表面的で、肝心の上演された芝居のことにあまり言及されず、せっかく面白い芝居なのに、その面白さが深まることにならないのがフシギななりゆきだった・・。
・毎朝5ページ読むことにしたプルーストの”「失われた時を求めて」8 ソドムとゴモラ”を読了した。毎朝、20世紀初頭のウランスの社交界の話を読むのも浮世離れしてイイものだった。この8巻目が後半に入ったというから生きているうちに読み終わることができるかしら・・。
・次は交替で読んでいた森鷗外「椋鳥通信」(下)にはいる・・。
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by engekibukuro | 2015-11-28 07:51 | Comments(0)  

11月26日(木)M「バターフィールド」新国立劇場中劇場

脚本:ジャン=クロード・カリエール 翻案・演出:ピーター・ブルック、音楽・演奏:土取利行 

 1988年に銀座セゾン劇場でピーター・ブルックの演出によって全18編からなるインドの長大な叙事詩「マハーバーラタ」を「賭け」「追放」「戦争う」の3部作に集約し、9時間にわたって上演した。それを現在90歳になるブルックが、30年を経て創作された本作は、すべての闘いが終わったt戦場を舞台に、戦いの集約を簡潔に研ぎ澄ませた70分に仕上げた舞台だ。アイルランドやアフリカの俳優が、土取利行の太鼓のリズムに乗って語り演じる作品だ。長い戦いが終わったことを、芯から感受させる土取の太鼓の響きが一切を象徴するような活力が重く沈んだ、静謐な心に沁みるような舞台だった。

 そして、この公演で驚いたのは、招聘制作したパルコがこの公演のために出したパンフレト。これはパンフレットとうより書物といっていい冊子で、ピーター・ブルックに関連する日本の演出家、評論家、俳優、学者の執筆、談話、ブルックや土取りへのインタビューが掲載された200ページ強の書物といっていい印刷物。まだ全部は読んではいないが、とにかくブルックの作品が初めて日本に来た時の舞台が「夏の世の夢」を観たときの驚きを、インタビューに応じた蜷川幸雄も佐藤信も語っていて、さらに二人とも9時間の「マハーバーラタ」については、叙事詩の混沌をあまりにシンプルに綺麗にし過ぎたと言って点が辛い。これは私もそう感じていたので共感したのだが、ブルックのシンプリシテイにつては、いろいろ意見があって興味深いのだが、ブルックの「いい芝居は、それを観る人間それぞれのレベルで存在する」という名言に痺れた・・・。オレはどのくらいのレベルなんだろう・・・・とにかく読みでがある冊子でとても感心したのだった。i
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by engekibukuro | 2015-11-27 09:42 | Comments(0)  

11月25日(水)S「平成・駅前旅館」龍昇企画

 作:前川麻子、演出:塩野谷正幸、中野あくとれ

 龍昇企画は1985年に発足し、今年で30年になる。旗揚げ回公演は、高円寺明石スタジオで「の風花の駅」(直井おざむ作)だった。龍と大鷹明良の二人芝居(女の子が一人いたかな)で、じつに爽やかな好公舞台だった。そのころ私が連載していた「噂の真相」誌の劇評で絶賛した思い出がある舞台だった。あれから30年!龍昇はコンシタントに公演を続けている・・。エライ!
 今回の芝居は、これまで何回も龍昇企画に書いてきた前川の作品で、前川は役者に当て書きして、役者のキャラを活かす・・、今回はしばらく観ていない役者、根本和史、桜井昭子、ひらたよーこなどが出演していて懐かしかった・・。前川の持ち前の才気で、ガタピシャのホテルでの各種外国人の客も入り混じる人間模様を描いた芝居、ホテル務めもタイヘンだ・・・。 
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by engekibukuro | 2015-11-26 10:32 | Comments(0)  

11月24日 「隠居宣言」横尾忠則(平凡社)


 功なり名を遂げた芸術家の「隠居宣言」というのは凡人の参考にはちと成りにくいが、こんなに時代の寵児であり続けた人も稀だろう・・・。
 その横尾がデビューした60年代を回顧して書いている。
「三島由紀夫、澁澤龍彦、大島渚、寺山修司、土方巽、唐十郎、こういう人たちと交流ができて、60年代という時代精神が形成されていったんですよね。
 あんなに熱気を帯びた時代はもう二度と来ないし、あんな熱気を帯びた若者ももうやってこないんじゃないかな。我々の時代でそううものは終わったのかなあ。今は何を誰に期待していいのかわからない」
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by engekibukuro | 2015-11-25 07:22 | Comments(0)  

11月23日(月)★M「クリスマス解放戦線」★★S「犀」

★作・演出:畑澤聖悟・工藤千夏、渡辺源四郎商店、こまばアゴラ劇場
 渡辺源四郎商店:ナベゲンはついに創立10年を迎えるという。月日の経つのは早いな!よく頑張ってきたな、おめでたい限りだ。それに畑澤は、来年の劇団民藝の2月の本公演に「光の国から 僕らのためにー金城哲夫伝ー」という芝居を書き下ろす。ちなみに秋の民藝の本公演は、中津留章仁と長田育恵だ。
さて、この芝居は、青森県の一切のクリスマスを祝う行事や、ケーキなどのそれに関連する飲食も禁止するという時代の話、ひとつには青森にイエス・キリストの弟が移住してきて布教したという伝説を信じるカルト集団の活動を禁ずる県の条例があり、青森県警はそれに準じて一切のクリスマス祝儀を取り締まる。舞台は、青森の秘かにクリスマスを祝う結社のはなし、合言葉は”赤いトナカイさん・・・”で、それを唱えて集まり、貴重なクリスマスケーキをひそかに運び込む・・。まあ、荒唐無稽の話だが、それを信じさせる青森のローカリテイの魅力と、結社員それぞれの疑心暗鬼を隠しているパーソナナリテイが、これはいかにも畑澤流にイキイキ描かれていて、畑澤特許の”デタラメ世界”の魅力をたっぷり見せた舞台だった。
★★作:ウジェーヌ・イヨネスコ、演出:エマニュエル・ドウマルシー=モタ、パリ市立劇場、F/T15,彩6の国さいたま芸術劇場。
 これは素晴らしい舞台だった。いままで日本では、イヨネスコの不条理劇だとして、ある日街に突然大きな犀が現れて、人々がびっくりして大騒ぎするという、それだけの舞台が大かったが、この舞台はまるで違う。”犀”は、ファシズム、抑圧的なイデオロギーの象徴として描かれ、それをまるで古典劇の様に重厚に演じてゆく。その俳優全員の演技力、効果的な装置、それらが一切合体して、切実で堂々たる対話劇として成立している。なんだか、まるで格が違う舞台で、フランス演劇の伝統、俳優の演技力の質の高さに瞠目するばかりだった。優れた舞台、演劇は不条理劇とかのカテゴリーに関係なく、観客を世界に向かう新しい見方を教えてくれて元気づける・・。これぞ演劇文化の粋だ・・。演劇の無垢の力を強く感じさせてくれた舞台だった。
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by engekibukuro | 2015-11-24 07:03 | Comments(0)  

11月22日「自由に老いる」海老坂武



 独身で80歳を迎えるフランス文学者のエッセー、夏はフランスに、沖縄の那覇にも部屋をもっていて、
豊かに悠々と暮らしていると思えるはずだが、どうもあまり楽しく暮らしている印象を受けない。
モンテーニュなどの引用も学者らしくあるのだが、年老いた学者の知識、教養の力など加齢にとってはたいして役に立っていなくて、漠々たる寂寥感が本のページから立ち上ってくる気配・・・。

 こちらが老いたと言っても、どうも”老いの本”を読んでもどうしようもないみたい・・。”老いの本”はやめるか・・・。
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by engekibukuro | 2015-11-23 07:26 | Comments(0)  

11月22日「自由に老いる」海老坂武



 独身で80歳を迎えるフランス文学者のエッセー、夏はフランスに、沖縄の那覇にも部屋をもっていて、
豊かに悠々と暮らしていると思えるはずだが、どうもあまり楽しく暮らしている印象を受けない。
モンテーニュなどの引用も学者らしくあるのだが、年老いた学者の知識、教養の力など加齢にとってはたいして役に立っていなくて、漠々たる寂寥感が本のページから立ち上ってくる気配・・・。

 こちらが老いたと言っても、どうも”老いの本”を読んでもどうしようもないみたい・・。”老いの本”はやめるか・・・。
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by engekibukuro | 2015-11-23 07:26 | Comments(1)  

11月21日M★「青いプロペラ」M★★「お母さんが一緒」

★作:南出謙吾、演出:森田あや、らまのだ、渋谷spaceEDGE
★ 劇作家協会の「月いちリーデイング」で注目されている南出が、森田と共に立ち上げたユニット「らまのだ」の旗揚げ公演。南出の故郷の北陸能登の小さな町のコンビニの話・・。この町にも大きなショピングセンターができて、このコンビニの経営も危うくなってきた。そういうコンビニで働く人々の悲喜こもごもの内情をヴィヴィドに描いたインサイドレポートでもあり、コンビニで働く男女の青春を語った群像劇でもある。いまの時代を写す臨場感あふれる舞台で、旗揚げ公演こその初々しい舞台で爽やか印象が瑞々しく残った。

★★ 脚本・演出:ペヤンヌマキ、ブス会、ザ・スズナリ
 女性のAV監督でもあるペヤンヌマキは女性の本体を直視して、ショキングな舞台を作ってきたが、今回は母親を温泉旅行に連れてきた三人姉妹の話(それにサプライズとして三女の恋人も)。ペヤンヌマキは「”血縁”で繋がった女たちが、他人には決して見せりことのない”ブス”な本性を曝け出しまくります」と宣言するが、もうその曝け出しにたじろぐばかりの芝居だった。あまりのこちだけに、最後のちょっとした緩和がつかたしみたいだった・・。どうも、いままでの舞台では、たいへんハードでもなにかアッカラカンとした後味がのこったのだが・・・今回はそれがどうもそうはいかなかったようで・・・。

・本日6:00から先般亡くなった演劇評論家村井健さんの偲ぶ会が、紀伊国屋ホールのロビーで行われた。参列者がそれぞれ短い文章を書いて村井さんの遺影の前に献げる会だった。冥福を心から祈ります、合掌!
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by engekibukuro | 2015-11-22 10:24 | Comments(0)