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3月30日(水))M「魔術」作・演出:く内藤裕敬

 企画・制作:関西テレビ、本多劇場
 舞台は店主が不在の屋台の夜中のおでん屋、その屋台にオッサン(勝村政信)、青年(橋本淳)、女(中山美穂)、男(萩原聖人)が集まってきた。近くの駅で事故が起こったが、町は無人で、4人とも帰れないらしい。おでんの湯気の向こうの人影が見えない街、4人とも魔術にかけられたのか、混乱し、狼狽する4人・・。
中山美穂の初舞台の芝居だ。

 毎朝5ページづつ読んでいた岩波文庫の森鷗外「椋鳥通信」(下)読了。鷗外全集で900ページの本を、上中下の文庫版にした。1909年から1914年までのシベリア鉄道で送られてくる欧米のニュースを鷗外が即座に訳して雑誌に載せたもの。そんななかで演劇関係の記事が目だって多い。ドイツ留学時代、陸軍留学生だった鷗外は、目を輝かせて劇場に通っていた。それでこの通信でも、目下大評判の新作公演、名優のエッピソード、制作者と劇作家の対立、ゴシップ、新作のプログラム、スタニスラフスキーが現役だった舞台の紹介もある。その頃の欧米の文化の中心は演劇だった。おもえばこの「椋鳥通信」という書物を教えてくれたのは、亡くなった扇田昭彦さんだった。
 次はマルセル・プルースト「失われた時を求めてー9 ソドムとゴモラⅡ」を毎朝5ページづつ読むことに・・。
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by engekibukuro | 2016-03-31 07:17 | Comments(0)  

3月29日(火)M「対岸の永遠」追加公演 風姿花伝

作:長田育恵、演出:上村聡史
 女優の那須佐代子さんが支配人の劇場:風姿花伝で、プロミシングカンパニーとして長田主宰のてがみ座が選ばれて、3月いっぱいのロングラン公演をを行った。それが大好評で、新聞各紙にも劇評が出て、とうとう追加公演が行われることになった。その追加公演も階段に座布団を敷く大入りで、この公演大成功だった。私も初日に観たが、追加公演も観た。初日に観損なった部分がかなりあったことに気づき、何を観ていたんだと恥ずかしいかぎりだだった・・。ソ連時代のロシアの詩人ヨシフ・ブロッキーをモデルにし、ソ連からユダヤ人として国外退去を強制され、アメリカで認められたたこの詩人と、ソ連に残した、現実と幻想の娘との困難な交流を主眼にしたこの劇は、ソ連崩壊時代の混乱を極めた時期を舞台にした。その時期になんとか生き延びようとしているさまざまな人物が出てきて、ロシアにもこの時期を扱った現代劇がないようだから、日本人がその時期を描くということはなかなか冒険的な試みだったと改めて思った。そしてそういう特殊な芝居が評価され、客が集まるというのは、長田の現在の世界に起きている現状の核心に迫っているからだろうと思う。長田はパンフに書いている、「またこの物語を書いていたのは2015年の秋から冬。ちょうどパリやトルコででのテロ事件が起こっているときでした。暴力や報復の連鎖の根源はどこにあるのか。どこまで遡ればやり直すことが出来るのか考えました。そして気附いたのは、歴史をいくら遡っても根を絶つことは出来ないのではないか、ということ。神話の時代から人はそうした行為を続けてきた。人の中では逃れられない業があるのではないかと。だとしtら、今生きている私たちが自分の中の闇をみつめながら、それでもなにを選んでいくかがたい説だと感じました。」と・・・・。
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by engekibukuro | 2016-03-30 09:50 | Comments(0)  

3月28日(月)横浜美術館

 村上隆のスーパーフラット・コレクショントー蕭白、魯山人からキーファーまでー

 村上隆は六本木の森美術館で「村上隆の五百羅漢図展」という素晴らしい展覧会があったが、村上はまた日本や中国の古美術、国内外の現代美術、さまざまな民族資料にいたる、驚くべきコレクションを築いているのだ。そのコレクションが横浜美術館で展示された。まず冒頭のキーファーによる飛行機の残骸のような巨大な作品。yぽくこれほど大きな作品を輸送、展示で来たものだと度肝を抜かれる。その奥には、石を敷き詰めたリウハンによる静謐なインスタレーション。そして村上が敬愛する蕭白、白隠、魯山人・・アラーキーの写真まで、念入りに練られた展示構成によってあらゆる時代や国籍、ジャンルを織り交ぜ、まさに「スーパーフラット」なビジョンを展示しようとする意図が隅々まで行き届いた展示だった。
 これほど多種多様な展示をみていると、若い頃ならおおいに興奮してすみずみまで何度も見て歩いただろうが、寄る年波で目まいがしてどっと疲れる。だから、昔から好きだったキーファーのガラス箱に入った3作品を何回も見て退出した・・・。
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by engekibukuro | 2016-03-29 10:05 | Comments(0)  

3月27日(日)「悲劇喜劇」5月号

 特集:第3回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞
 受賞作「リチャード2世」及び蜷川幸雄の特集。蜷川については、「欲望とエネルギー 吉田鋼太郎が語る蜷川幸雄との仕事」(聞き手 山口宏子)」。吉田は「たいていの演出家は、「ここまではやっていいけれど、この先はだめ」と芝居をきっちり組み立てる。でも蜷川さんの稽古場では、やっちゃいけないことがない。俳優はどこまでも自由になれる。こんなに嬉しい現場はない。」「稽古中、指示がコロコロ変わることもあります。それは、蜷川さんが次の境地に行っているからなんですよね。あの歳で、新しい境地に向かい続けるその凄さをずっと追いかけて、ついてゆきたいですね」と語っている。
 徳永京子「真逆からの邂逅」では、「リチャード2世」のネクストとゴールドの協働について書いている。「この作品は、本番中の舞台上にさまざまな仕掛けをする必要があり、視力や筋力の弱ったゴールドのメンバーには危険が伴う。蜷川はそのサポートにネクストのメンバーにさせた。「一緒に稽古させてると、ゴールドのメンバーがつくってきたおかずを休憩中にネクストの連中に、”野菜を食べないでしょ?”なんて言って分けるんだよ。ネクストはネクストで、足の悪いゴールドのメンバーに手を貸したりしてさ。そういことを含めて、異なる世代で芝居をつくる豊かさを形にしていきたい」と語っていたのは稽古中だったが、それは本番の鮮やか生まれ変わりに反映されtのである。と・・・。
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by engekibukuro | 2016-03-28 10:02 | Comments(0)  

3月26日(土)M「月から星へ」こまばアゴラ劇場

 工藤俊作プロデュース プロジェクトKUTOー10
作:中村賢司(空の驛舎)、演出;岩崎正裕(劇団○太陽族)
 大阪のユニットの公演だ。
 どこかしらぬ駅の待合室に人が集まってくる。ラッシュアワーの電車のひ見知らぬ他人と触れあうこちとが出来ず、教員を退職した男のモノローグ、妻と別れて失意の人生を送っている男、道しるべのNPOの女性がつきそう初期の認知症の男、親に会いに来ない退職した教員の弟は兄をなじる・・。どうもこの駅には、失意の人生の敗残者が集まってくるらしい・・・。陰陰烕滅な空気をこの駅舎は醸しているのだが、ひるがえってわが身を照らせば、この舞台の登場人物たちといかほどの差があるのか・・と考えてしまう芝居だった。
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by engekibukuro | 2016-03-27 09:51 | Comments(0)  

3月25日(金)第三回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞

 
 第三回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞の授賞式と祝賀会が、明治記念館で行われた。
今回の受賞は、彩の国さいたま芸術劇場による、さいたまネクスト・シアターとさいたま・ゴールド・シアターの合同公演、W・シェイクスピア作、松岡和子訳、蜷川幸雄演出「リチャード二世」に授与された。選考委員は、鹿島茂、辻原登、今村忠純、小藤田千栄子、高橋豊。
 選考結果の発表・説明は辻原登さんがされた。受賞の挨拶は、ネクスト・シアターからリチャード2世を演じた内田健司、ゴールド・シアターからはグロスター公爵夫人を演じた重本恵津子、この重本さんは現在90歳、挨拶の声も全く歳を感じさせない若々しさで満場の大拍手で、演劇の高齢者へ素晴らしい効用をまざまざと感じさせた。さらに、この受賞を祝っての、トム・ストップパードからの挨拶が披露された。
 受章式の前に、ネクスト・ゴールドのメンバーが入院中の蜷川さんを見舞ったとのことで、、元気でリハリビを頑張って4月には戻ってくる言ったとのこと・・。
 この「リチャード2世」、これからルーマニアのシビウ演劇祭に持って行き、公演する。
ネクストとゴールドの「リチャード二世」は、若者と高齢者のありうべき係わりを示したサンプルとして、芝居の面白さと同時に、今の日本の現状へ貢献した舞台なのだ。オメデトウ! 
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by engekibukuro | 2016-03-26 10:04 | Comments(0)  

3月24日(木)S「記念碑」名取事務所

名取事務所公演 現代カナダ演劇・最新作連続公演、下北沢「劇」」小劇場
作:コリーン・ワグナー、翻訳:吉原豊司、演出:小笠原響

 「人を殺すのが犯罪なんなら、どうしてつまで戦争を続けているんだ!」とこの芝居に登場する兵士は叫ぶ。人を一人殺しても罪になり、ところが百人殺しても罪に問われず、逆に英雄視されるのが戦争。この芝居は、20万人の死者と200万人の難民を出した、1990年代のボスニア・ヘルツコビナの紛争に材を得て、カナダの女流劇作家コーリン・ワグナーが1995年に書いた作品だ。強姦と殺人の罪で処刑用の椅子に座ったその兵士の、自分の犯した罪業の告白と、それについての強引な弁明のモノローグで舞台は始まり、それが一人の女性尋問官と連れだって、自分で犯し、殺した女たちを埋めた場所を掘り起こしにゆく場面に移行する。
兵士は鎖で拘束されているが、女性尋問官と二人きりで埋めた場所を探しにゆくのは、一つ間違えば尋問官に兵士が襲い掛かることが可能なシチエーションだ。この芝居は、そういう現実の行為よりも、女性訊問官の兵士への憎悪にもとずく命令と、それに対する兵士の反発と服従の連鎖の会話がポイントになってくる。この会話が、戦争と人間性に関わる通り一片の解釈や、判断に綻びが見えてくる、そのプロセス自体が、単なる反戦劇の域を超えてゆく・・。それを感じさせたのは、兵士を演じた寺十吾(ジツナシ サトル)のそういうこの芝居のコンセプトを言葉と身体のギリギリまで全身的に表現した演技、それに応じた女性尋問官を演じた森尾舞(モリオ マイ)の演技・・。とても充実した二人芝居だった。
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by engekibukuro | 2016-03-25 10:51 | Comments(0)  

3月23日(水)S「真夜中の太陽」劇団民藝

原案・音楽:谷山浩子、作:工藤千夏、演出:武田弘一郎、全労災ホール

 この芝居は、谷山浩子の作曲した「真夜中の太陽」をモチーフに工藤千夏が自由に舞台化した作品だ。

 ものがたりは、
”太平洋戦争の末期、ミッション・スクールの女学生たちが、音楽室で空襲に遭う。女学生たちは防空壕に避難しようとするのだが、「防空壕に入っちゃダメ!ム」と叫ぶ女学生がいた。その女学生はよく見ると、おばあちゃんだった。彼女は「真夜中の太陽」の楽譜を音楽室にとりに戻ったため一人生き残った女学生で、防空壕のなかで亡くなった友だちを助けようと、70歳のときをへてふたたびあの日に還ってきたのだったー”。
 このおばあちゃんを日色ともゑが演じる。最初、戦争中のモンペ姿の女学生の中に、このおばあちゃんがなぜ、自分も仲間のように振るまっているのが、フシギだったが、それが物語が進むうちに解ってきて、「防空壕にはいっちゃダメ!」と言う叫びが、無人の音楽室で老婆の口からでて、戦争の無残さが浮き彫りになった。

 
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by engekibukuro | 2016-03-24 09:45 | Comments(0)  

3月22日(火)篠原勝之「骨風」(文芸春秋)

 鉄の彫刻家のクマさんこと篠原勝之の小説を読み始める。いつも唐組の終演後の飲み会で、着流しのスキンヘッドのクマさんを見ているが、この小説の文章の端正なことに驚く・・。17歳の時、横暴な父親から逃れるため、北海道の室蘭の生家から家出する。それから土木工事などで働きながら、美術の勉強をして、鉄の魅力に魅かれ鉄の彫刻家になる。これは、短編集だが、そのなかの「花食い」という作品は、クマさんが、故若松孝二監督の「キャタピラー」という映画に出た話で、これは私は見た。クマさんは、村でバカ扱いされている変人を演じていて、その異様さに驚いた記憶がある。面白い小説だ・・・。
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by engekibukuro | 2016-03-23 09:54 | Comments(0)  

3月21日(月)M「カムアウト 2016←→1989」

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by engekibukuro | 2016-03-22 07:11