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11月29日(水)「歌舞伎と革命ロシア」永田靖・上田洋子・内田健介<編集>森話社

・上記の本を堀切克洋君に頂いた。堀切君はこの論文集の中の「異国趣味の正当化ー一九二十八年訪ソ歌舞伎公演をめぐって」(北村有紀子・ダニー・サヴェリ)を訳している。革命後のロシアが日本の歌舞伎をどう応対したか、興味深い論考だった。そして、この論集には鴻英良さんの論文「アルカイズムは未来主義を刺激するーエイゼンシュタインと歌舞伎」も入っている。エイゼンシュタインの”衝突のモンタージュ”が歌舞伎から学んだものだということはよく知られている。(映画「戦艦ポチョムキン」)。そのことを中心に論じられているのだが、鴻さんはロシア語ができて、ロシア語の文献を駆使し、さらにドイツのブロッホやルカーチの論文を引用している論文だ。内容は私にはよく理解できないところがあるのだが、その文章が素晴らしい。ほんとうに書くことの喜びが直に伝わってくる文章なのだ。これは「ゲンロン」に掲載された大野一雄と埴谷雄高を論じた「虚体、死体、そして<外へ>-二十一世紀のダンスの理念に向けて」という論文でも感じたことだ。鴻さんの文章は昔から読んでいるが、これほど見事に成熟した文章をかくことになるとは!

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by engekibukuro | 2017-11-30 09:52 | Comments(0)  

11月28日(火)吉野源三郎「君たちはどう生きるか」(岩波文庫)

この本は、いま漫画化されてたくさんの人が読んでいるようだ。池袋の三省堂にいったら、文庫版は品切れで、2,3週間入荷するのにかかると言われた。それで、同じ池袋のジュンク堂にいったら、ちゃんとあった。さすが!この本は少年時代から知っていたが、生意気盛りで、このタイトルがいまでいうダサイ気がして読まずじまいだった。今回、丸山真男の長文の解説が載っている、この本を80歳を超えて読んだ。まずなにより、この本の主人公コペル君が中学生だったころの、昭和の雰囲気が圧倒的に懐かしかった。それに、コペル君の遭遇する出来事に似たような体験があった、そのとき考えたことも似ていたなと、勝手に思ってしまえた。なにより丸山の詳細極まる解説、これはこの文庫本の解説のために書いたものではなく、雑誌「世界」に書いた論文を文庫版の解説に転用したものだ。この解説が、子の本の委細を尽くしている。コペル君の家はお父さんが亡くなって、お母さんと暮らしているのだが、女中がいるのだ。まるで漱石の小説のようで、昭和の中流階級の生活が、私の家は父親が貧乏詩人で貧しかったが、親戚はそういう家が多かったので、懐かしかったのだ・・。読み終わって、やっと宿題を果たしたようで落ち着いた気持ちに慣れた。

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by engekibukuro | 2017-11-29 10:12 | Comments(0)  

11月27日(月)

・今日は例年暮に集まる「ソバを喰うう会」、本郷三丁目の蕎麦屋「田奈部」に集まった。この会は目白小学校(入学時は戦前で高田第五小学校)の同級生4人が例年集まり、酒を呑みソバを喰う会だ。主宰は我妻元君、彼は日比谷高校から東大へ行った秀才で、最後は伊藤忠商事の子会社の社長だった。林務君は元日本水泳連盟理事で、東洋の飛び魚と称された古橋広之進のアシスタントだった。安岡治雄君は、博報堂のコピライラーの先駆けだった。我妻君は今年心筋梗塞の手術をして無事終わった。彼は前に舌癌の手術をして、話は腹式なのだ。前は夜集まったが、現在は午前11時半に集合する。みな平均寿命を過ぎて、酒も弱くなったし、ソバも種物でなく、みなモリかカケ。林君は一滴も酒が飲めないが、お茶だけで不通におしゃべりをして、会計も皆と同じ・・。今年も皆無事に集まることができた。メデタイ!

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by engekibukuro | 2017-11-28 09:52 | Comments(0)  

11月26日(日)

・81歳の誕生日を家人と義妹のT子が祝ってくれた。赤ワイン1本半を3人で開けた生ハム中心で・・。平均寿命が来た年齢に到達したのだ。さて、これからどう日々を過ごすか、芝居を当分観られる幸せがあるのはずいぶん恵まれているのだろうな・・・。
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by engekibukuro | 2017-11-27 09:38 | Comments(0)  

11月25日(土)

12月の感激予定をたてる。案内がたくさん来ていて、毎週ほとんどうまるくらいだ。年末でどこまで観られるか・・。
土曜のマチネーがない珍しいど土曜日・・。おもろへ行くが、沢さんも中川君もこない。一人わびしく飲む・・。店は、懸念していた今年いっぱいで終わるのかということを店主にきくと、とにかく来年も店を続けるとのこと、しかし、来年いっぱいではないと・・。老夫婦ではもう大変だと・・・。とにかく安心した・・・。

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by engekibukuro | 2017-11-26 07:54 | Comments(0)  

11月24日(金)

俳句結社「銀漢」の結社誌「銀漢」12月号が届いた。
 この号に銀漢同人で演劇個人誌「因幡屋通信」を出している宮本起代子さんの句「秋北斗」」が載っているので紹介しよう。
 秋北斗 -劇団唐組 紅テント公演の記ー
 ”色鳥来テントの柱目印に”・ ”座長名は唐の十郎秋北斗”・秋夕焼テントの紅のなほ映ゆる”・”客入れを合図に止めり秋黴雨”
 ”夜業あと駆くる開演五分前”・蔦紅葉舞台明かりに照らさるる”・”芝居跳ね囲む酒宴の夜長し”・”畳まるるテントの小さき冬隣”

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by engekibukuro | 2017-11-25 09:47 | Comments(0)  

11月23日(木)M「グランパと赤い塔」吉祥寺シアター

作・演出:吉田小夏、青☆組
” 夕日が照す帰り道、立ち昇る夕餉の支度の湯気が、そっと夜空を流れてくる。白黒テレビに映るシャボン玉、ラジオから流れてくる甘いタンゴ。銭湯帰りに見上げる月を、ライカ犬を乗せた宇宙船スプートニクが横切ってゆく。この高台の片隅に、戦前から続く工業所を営む一家が暮らしていた。東京に、大きな空のあったころ。祖母から聞いた話と、祖父かから聞けなかった話。その光と影を結ぶ物語。作者が自身の先祖をモチーフに創作する新作は、戦後を生きた市井の人々を瑞々しく描く群像劇。”ちょうど東京タワーを建設中で、その工事のために田舎から出てきたとびの職人が、この一家に寄宿し、その男の恋物語が芝居に花を添えた。

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by engekibukuro | 2017-11-24 11:18 | Comments(0)  

11月22日「くじらの見た夢」座・高円寺

作・演出:坂手洋二、燐光群
坂手には鯨を主題にした優れた舞台があった。鯨は逆手にとって終生の主題のようだ。今回は沖縄のイルカ漁だ。”イルカ漁の豊な歴史を抱く平和な名護漁港と、米軍基地の占拠された辺野古。同じ名護市なのに、海の風景は、西岸と東岸で、まったく違うのだ。”この芝居は、坂手のもう一つの主題、沖縄とくじらの主題ががったした作品だ。この舞台を観ながら、イルカ・くじらと沖縄のいろいろのことを学べる。だが、ざまざまな坂手の取材で得た情報が舞台の演劇性と拮抗して、ややもすると情報過多でそれを咀嚼するのに精一杯になってしまうきわみがあった。いまの日本の最大の問題は沖縄であること、日本が真に自立するのは沖縄が結節点だと私も思っていて、この舞台のアクチュアリテイは貴重なものだと思うが、もうすこし演劇的に整理されいたらとも、思ったのだ。

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by engekibukuro | 2017-11-23 09:35 | Comments(0)  

11月21日(火)五木寛之「孤独のすすめ」(中公新書ラクレ)

<高齢者が稼ぐ>
「一方、高齢者の比率が高まればたかまるほど、その世代特有のカルチャーが醸成され、影響力を高めてゆくでしょう。日本初のカルチャーといえば、高齢者世代のそれという時代が遠からず来るかもしれません。私は、むしろ意識的に高齢社会に文化の中心をシフトさせていくべきだ、と考えるのです。社会全体が”老人カルチャー”を理解し認識すれば、そこからまた新たな産業や市場が生まれる可能性もあるでしょう。繰り返しになりますが、超高齢化が進むこの国にあって、このように産業も文化も、国のあり方そのものも、老人たちを中心に考えてみようじゃないか、というのが私の提案なのです。シンプルな表現を使えば、「もっと、もっと、老人に注目してほしい」ということです。「高齢者の優遇に拍車ををかけるだけではないか」と言われるかもしれません。誤解していただきたくないのは、「老人を中心に」が、「高齢者を保護し優遇する」と同義ではない、ということです。ともすれば、「社会のお荷物」に、「静かに」していてもらうのでなく、より一層、社会の前面に出て奮闘してもらおう。ただ時間潰しに日銭を稼ぐといった位置ではなく、国力アップの推進役を務めていあただたい。それが、私の理想とする新しい時代の老人像です。日本経済を再生させる主要メンバーという意味で「大切に」考えてゆこうではないか、とおいうことです」
 以上がこの本の主要なメッセージだ。老人の一人として元気ずけられる本だった。

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by engekibukuro | 2017-11-22 09:54 | Comments(0)  

11月20日(月)第四十九回 俳句を作る演劇人の会

於・神保町銀漢亭 今回の兼題は「山茶花」と「勤労感謝の日」
毎回五句出しで、そのうち一句を特選とする。
 私の句は、「勤労感謝の日トンカツ特大で」を三人の方に、「勤労感謝の日トンカツ特大で」を二人の方に採っていただいた。それと「勤労の語感になじめず日を過ごす」を前回から参加されている、谷岡さんと東工大の同僚で化学の先生の三上農耕先生に採っていただいた。「農耕」の俳号は、祖父から三代にわたって受け継がれてきた俳号とのこと。
・今月24日は、私の八十一歳の誕生日、三上先生にオーストラリアの白ワインを、大西酔馬さんにヌーボーボージョレをいただき、参加者みんなで祝ってくださった。この会も5年目に入り、一回も休まなかったのは私だけということになったが、俳句は一向に上達しない。顧問の俳句結社銀漢主宰の伊藤伊那男先生の、毎回の講評に取り上げられたことはない。これからも精進しなければ・・・。

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by engekibukuro | 2017-11-21 09:43 | Comments(0)