2月12日(月)M「Bloody Poetry ブラデイ・ポエトリー」

脚本:ハワード・ブレントン、翻訳:広田敦郎、演出:大河内直子、赤坂レッドシアター
”1816年、スイスのレマン湖。詩人のパーシー・シェリーは妻のハリエットをロンドンに残し、恋人のメアリー、メアリーの義妹クレアとともに、詩人バイロン卿と彼の医師ボリドーリもとを訪れる。文学と愛を語り続ける5人。そして、彼らの革命と青春の物語が始まる。”
演出の大河内は蜷川幸雄の演出助手を務めていた。シェリーを猪塚健太、バイロンを蜷川幸雄が結成した「さいたまネクスト・シアター」の内田健司が演じた。裸舞台の台詞劇だが、シェリーやバイロンの波乱に満ちた生きざまを演じて、生気に満ちた舞台にした。ただ、いまシェリーやバイロンの物語りを通じて何を語りたいのか、俳優それぞれの熱演だけが浮き上がってみえてしまい、それが捕まえにくかった。

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# by engekibukuro | 2018-02-13 09:38 | Comments(0)  

2月11日(日)

新野守広さんから寄贈していただいた、ヨハイム・ガウク著、新野守広訳「ガウク自伝」を読み終わる。ガウクは東ドイツ出身で、東西ドイツ統一後にドイツ大統領に就任した。ガウクは東ドイツで生まれ、大学では神学を学び、教会の牧師として生きることになる。当時の東ドイツは共産主義のイデオロギーに全面的に支配され、シュタージと言われる国家保安省に、東ドイツの国民の隅々まで監視して干渉していた。ガウクュタージの干渉と闘い、共産主義のイデオロギーに対抗していた。その困難は、私も両親が共産主義者で、あとには弟も妹も共産党に入党した家で、私だけが共産主義に疑問を持ち続けたので、よくわかり体感できる・・。スターリン治下のソ連には、ピオニールという少年組織があって、ドイツにもあり、日本でも左翼劇団の子役だった私も首に赤いネッカチーフを巻いて、共産党の開催した祭りやメーデーにピオニールの一員として参加した。今は昔の話だが、そんなことを思い出させる本だった・・・。

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# by engekibukuro | 2018-02-12 10:04 | Comments(0)  

2月10日(土)S「臨時病室」劇団東演

作:沈虹光、翻訳:菱沼彬晁、演出:シライケイタ、東演パラータ
中国の現代劇だ。”働き詰めに働いて女手一つで三人の子供を育て上げた農村に暮らす劉大香は、ちょっとした腫物で大都市の病院に入院。そこへもう一人、経理の仕事をそてきた李天佑が、心臓の持病でこちらも入院。ところが二人が通されたのは会議室。担当の看護師によれば「夏の異常気象でベッドが不足していて、会議室まで病室として使用しているの。設備は何の問題もありません」ということらしい。結局この「臨時病室」で男女二人の老人は同居することになった。”劉はおおざっぱな性格で、人助けが大好き、李は神経質で融通がきかない。考え方も、生きてきた環境も対照的な二人が、同じ病室で暮らす・・。いろいろな行き違いや、それによる口論やなんやかんやがあって・・。この芝居は、劉を演じた腰越夏水と李を演じた能登剛の演技が見どころだ。創立60年のリアリズム演劇を追求してきた劇団の、リアルに”役を生きる”という実績が、この芝居で遺憾なく十全に発揮され、現代中国を生きてきた二人の男女の老人を生き生きと感じることができた。そして、演出の今ときめいている若いシライの演出が、バックにやわらかいジャズを流して、この芝居をとても見やすい、新鮮な舞台に仕立てた。この芝居、今年観た芝居で、一番観た甲斐があった.このごろ土曜日休業していたおもろが、今日は開いていた。やはり土曜日の泡盛とおもろ煮は生き返る。シンガーソングライターの沢さんもいて、話が弾む・・。店主は疲れていたが・・・・。


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# by engekibukuro | 2018-02-11 10:23 | Comments(0)  

2月9日(金)S「ヒッキー・ソトニテミターノ」ハイバイ

作・演出:岩井秀人、東京芸術劇場シアターイースト
 この芝居は、岩井が自らも体験者であるヒキコモリを主題にした芝居。2015年に初演された。今回は自らも俳優とし出演している。ヒキコリを外に出す役割(公的なものかどうかは不明)の女性が、ひきこもっている男性をかなり強引に外の寮に入れるプロセスを描いている。ヒキコモリといっても、もう40歳を過ぎた男性もいる。ヒキコモリは日本だけのことなのか、ある一定以上の水準の家、自分の個室を持たなけれ発生しない現象だろう。この芝居は、そんなヒキコリの人間を扱って、果たして外の出て働くのがほんとうに正常なのかという問いが、底辺の主題として流れている。ヒキコモリはイレギュラーとして「世界」に対峙しているという言葉を吐く人物もいる。この芝居で岩井が問う主題がヒキコモリ現象に新しい光をあてて、ヒキコモリを新しく考え直をさせる芝居担っているのだ。

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# by engekibukuro | 2018-02-10 07:06 | Comments(0)  

2月8日(木)M「Sing a Song シング ア ソング」

作:古川健、演出:日澤雄介、トム・プロジェクト プロデユ-ス、下北沢本多劇場
 第2次世界大戦中、兵士たちを慰問した歌手淡谷のり子の生きる姿を描いた物語だ。冒頭、憲兵隊の中佐に呼びだされた淡谷は、ブルースやシャンソンなど外国の歌を歌わないこと、華美なドレスなど着ないことなどの厳重警告を受ける。しかし、淡谷は私は”もんぺをはいて軍歌など絶対歌わない”と心に決めて、戦場へ慰問の旅に出る。そして、ドレスを着て、ブルースやシャンソンを歌う、それは生きることの喜びを歌うことと淡谷が心から信じているからで、聴いている兵士たちにもその気持ちが伝わり、歓迎され常に満場の拍手で終わる・・。その淡谷を戸田恵子が演じて、戸田もその淡谷の気持ちを体現して、もともと歌手でもある戸田が思い切り歌って淡谷の姿を再現する。最後は鹿児島の特攻隊の兵士たちを慰問するのだが、20才にも届かない特攻隊員が心の底から淡谷の歌を目を輝かして聞き入る姿をが目に浮かぶ・・。この芝居を活かした一つのアクセントは、慰問旅行に随伴する憲兵隊の軍曹の存在、淡谷の衣裳、外国の歌など中佐の禁止した事項を監視する役割などだが、結局黙認してしまう・・。それは淡谷の伴奏者がその軍曹が、戦前自分がピアノを弾ていたクラブでジャズを熱心に聞きに来ていた男だと思い出したからだが、この軍曹を演じた作者古川、演出日澤と同じ劇団の劇団チョコレートケーキの岡本篤が、その複雑な気持ちを微細に演じてこの芝居の味わいを深めていたのだ・・・・・・。


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# by engekibukuro | 2018-02-09 10:29 | Comments(0)