9月8日(金)S「円生と志ん生」こまつ座

作:井上ひさし、演出:鵜山仁、紀伊国屋サザンシアター
この芝居、井上が別の仕事で大連のことを調べていた時、志ん生と円生が大連に600日滞在していたことがわかった。だが、二人ともそのことを語っていない。”更に面白いのは、二人とも満州から帰ってきたあと、見違えるように面白い噺家になっている。”それで井上はいろいろ調べた。それで、”どうやら二人が600日の間ほとんど人前で落語をする機会が、あまりなかったということ、けれども毎日落語の稽古を続けていたらしいことがわかった。飢えや寒さに苦しめられ、いつロシア兵に殺されるかわからないという恐怖にさらされながらも、決して落語から目をそらさなかった。もう一度寄席で、落語が本当にわかる人たちの前で落語をやりたいという飢えが空腹や恐怖に勝ったんでしょう。”
 今回の公演は再演だ。初演は、志ん生役は角野卓造、円生は辻萬長が演じた。今回は、志ん生はラサール石井、円生は大森博史が演じた。終戦間際の満州・大連でのさまざまな出来事、その苦労をやりすごす二人、可笑しみと哀感のペーソスあふれるラサール石井の演技が特筆もの。それに芝居のなかで、大連の尼たちとの落語の落とし噺とバイブルの掛け合いが無性に面白いのだが、この尼を演じる女優4人、大空ゆうひ、前田亜季、太田緑ロランス、池谷のぶえが、尼の役以外にそれぞれ4役を演じる趣向が面白かった。

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# by engekibukuro | 2017-09-09 07:35 | Comments(0)  

9月7日(木)M「ピノッキオ」座・高円寺

原作:カルロ・コッローデイ、脚本・演出:テレーサ・ルドヴィコ、台本監修:佐藤信、座・高円寺
”大工のジュペットは、冬の夜、森の中でみつけた大きな松の枝であやつり人形をつくります。じょうずにできた、その人形はピノッキオと名前をつけとたん、人形は生きているかのように動き出し、さっさと家を飛び出してしまいます。自由になったピノッキオは、やりたいほうだい、しほうだい、町中をさわぎにまき込、お父さんのジュペットが町の人たちからせめられてもきにしない。・・・・”杉並区の小学校の生徒たちと一緒に観た。ピノッキオを演じたのは辻田暁、その周りにジュペットを演じる高田恵篤ほか、KONTAなど脇役たちが舞台を面白く、華やかにして、杉並の小学生はここ座・高円寺でピノッキオだけでなく、いろいろお芝居を観られるのは幸せだなと感じたのだった。


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# by engekibukuro | 2017-09-08 07:29 | Comments(0)  

9月6日(水)

・青井陽治さんが亡くなったことを知った。ニール・サイモンの翻訳や演出で抜きんでた仕事をされた。さらに、演劇評論家として、歌舞伎や
新派からあまり名の知れない小劇場までほんとうにマメに芝居を観ていらして、その評論や対談から学ばせていただいた。いつも、大きな荷物を抱えて劇場にきていらした。その姿がもう見られない。合掌!

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# by engekibukuro | 2017-09-07 09:21 | Comments(0)  

9月5日(火)M「クライム・ザ・ハート ー心の罪ー」シアタートラム

作:ベス・ヘンンリー、翻訳:渡辺千鶴、演出:小川絵梨子、企画:中嶋しゅう、主催・製作:シーエイテイプロデヂュース
 この芝居は今年7月に亡くなった中嶋しゅうが企画した作品だ。ピューリツアー賞を受賞した戯曲である。開幕冒頭銃声が響く、この芝居に出る三姉妹の三女ベイブが夫を撃った銃声だ・・。この事件を新聞で見て次女メグが実家に戻ってきた。実家にいるのは長女レニーだ。この三姉妹、長女レニーを那須佐代子、次女メグを安田成美、三女ベイブを伊勢佳世が演じる。この一家は父が家出して、母が自殺、三姉妹は祖父に育てられて、今は長女が祖父の介護をしている。次女は、若い頃からタバコを吸い、酒を呑む派手な生きざまで、歌手をしていrたが、それも落ち目になり今は普通に働いている。ベイブが撃った夫は上院議員で、地元の名士だ。長女は、卵巣に欠陥があり、そのことで引っ込み思案の生き方で、結婚を半ばあきらめている。この1970年代のミシシッピー州の一家の物語、三女の弁護士バーネットは岡本健一が演じる。いろいろ大変な一家だが、この芝居の中の言葉、「人生は、永遠に続くハッピーエンドでも、全てバラ色でもない。けれど日々の生活の中には楽しい瞬間、うれしい瞬間、幸せな瞬間がいくつもある。それぞれには些細なことかもしれないけれど、そううことをたくさん持てること、そしてそれを喜べることこそが、人生の本当の幸せなのではないか」、この”瞬間”のシーンが巧みに配置されている芝居で、暗いこと、難しいことを突き抜ける舞台ができ上っていて、三人の女優がそれに最大限に貢献していた。

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# by engekibukuro | 2017-09-06 11:10 | Comments(0)  

9月4日(月)M「風間杜夫ひとり芝居 ピースPEACE」

作・演出:水谷龍二、プロデューサー:岡田潔、トム・プロジェクト、俳優座劇場
”1997年から創り続けた一人芝居も、今回で7本目となる。20年で7本の新作で一人芝居を演じ続けている俳優は世界でも稀なことであり、演劇史上ギネス並の快挙といっても過言では無い。何故継続できたのか?それはひとえ俳優・風間杜夫のあくなき探求心と限り無い冒険心から、生まれたものである。・・・”と岡田プロデューサーが自賛するのは全くそのとおり・・。7本とも本当に面白かった。今回は、風間は葬儀屋に扮する、葬儀屋といってもごくごく小規模の葬儀屋で、いろいろエピソードがくりこまれているが、なかでも飲み屋の店員に難民のベルジャーエフというシリア人がいて、そのシリア人が死んだとき、イスラム教徒なのに風間がお経をあげて弔ったシーンが心を打った。死者を弔うのに宗教が違っても、弔う心の真実のほおうが優先するのだ。終幕、観客と一緒に風間の音頭で一本締めで終わる。8本目が楽しみ!

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# by engekibukuro | 2017-09-05 09:25 | Comments(0)