10月31日(火)M「作者を探す六人の登場人物」KAAT神奈川芸術劇場

作:ルイージ・ピランンデッロ、翻訳:白澤貞雄、上演台本・演出:長塚圭史
長塚の再起溢れる舞台で、俳優陣も山崎一を筆頭に活気に満ちた舞台だった。だが、この名作は作者が誰だかわからい6人の登場する家族の物語なのだが、この6人が、ある劇場の稽古場に突然現れて、稽古中の劇団の座長の興味を惹いて、この6人の物語りを潤色して舞台化する話が
両者の思い違いからややこしいい状況になる。そのありさまが生き生きと、特に継娘を演じた安藤輪子の飛びぬけた演技が舞台を膨らませるのだが、ちょっと疑問も湧いてきたのだ・・。私は昔たしか文学座だと思うが、この芝居を観たが、この作者を探す登場人物とは、一種の存在論的契機をはらんだ芝居で、われわれも生物的な意味以上の、作者を探しているのだと思わせた記憶がある・・。だが、今回の舞台には、そういう気持ちになることはなかった。まあ、難しい芝居であることは確かで、十分堪能したのだったが・・。


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# by engekibukuro | 2017-11-01 09:58 | Comments(0)  

10月30日(月)M「ある階段の物語」新国立小劇場

★新国立劇場演劇研修所公演 第11期生試演会
作:アントニオ・ブエロ・バリエット、翻訳:野々山真輝帆、演出:田中麻衣子
舞台は、階段の上に1、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ号室が並んでいる。スペイン内戦を経たフランコ統治下のスペインの庶民の生活。作者はスペイン共和派の兵士だったが、投獄された。この芝居も出獄後、フランコ治下の検閲を経て上演された。この4つの部屋に住む男女の、苦しい、時としていがみ合い、愛し合う苦しい先の見えない生活の中で、生きている人々が活写されている。たぶん日本では初めての作家の芝居で、フランコ治下のスペインの庶民の暮らしを見せてもらって、貴重な観劇だった。


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# by engekibukuro | 2017-10-31 09:25 | Comments(0)  

10月29日(日)

橋爪大三郎「正しい本の読み方」を読んだ。以前橋爪の本をよく読んだが、偏見だとは思うが、橋爪もそうだが総じて社会学の学者の書く本は
なんでも知っているが、それだけだと思ってしまった。この本もその”偏見”は覆らなかった。
・40万部を突破したという中公新書の呉座勇一「応仁の乱」を読み始める。予期始める。この時代の基礎知識がないとちょっとついてゆくのがたいへん・・。
・大雨の不良馬場での「天皇賞」、武のキタサンブッラクはやはり強かった。2着にミルコ・デムーロのサトノクラウンが鼻差まで追い詰めたが、それでも2着にきて、多少のプラスになった。

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# by engekibukuro | 2017-10-30 09:44 | Comments(0)  

10月28日(土)M「明日がある、かな」紀伊国屋ホール

作・演出:中津留章仁、トム・プロジェクト・プロデヂュースデ
 舞台は1960年代の北関東、高度成長時代の夜明けだ。そのための道路工事が盛んになり、工事のためのアスファルトの粉末とスギ花粉が混じって、花粉症が頻発した。成長期にともなう一種の公害問題が村落に亀裂をもたらした。中津留は骨太に、その実情を描きだす。その結果が今の日本なのだが、「明日がある、かな」というタイトルがミソで、現在の日本に果たして「明日がある、かな」という問題を客に突き付けた芝居だった。・おもろ、中川君、沢さんと飲む。

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# by engekibukuro | 2017-10-29 05:53 | Comments(0)  

10月27日(金)M「パレスチナ、イヤーゼロ」あうるすぽっと

フェステイバル/トーキョー17
作・演出:イナト・ヴァイツマン
作者はイスラエルで活躍する女優で、人権活動家。舞台は、イスラエル当局に破壊された家屋を調査するパレスチナ人鑑定士の事務所。事例ごとに並べられたファイルが、一つひとつ、ひっくり返されてゆく。イスラエル当局によって不法に破壊されてゆく状態が例示されてゆく。イスラエルによる大量追放、剥奪、離散を現在進行形で描き出した、アラビア語で「大惨事」を意味する「ナクバ」の状態を俳優がその事例ごとのファイルを一つ一つひっくり返し、舞台にその資料を積み重ね、その破壊の事例を語り上げる。これは演劇としてどのようかものかというより、演劇でしか体感できない、今のパレスチナの現状の報告になっているのだ。ナチス・ドイツに迫害されたイスラエルが、なぜこのような暴虐を重ねてゆくのか、その事実そのものを直視できる舞台だ。その暴虐にひるまず生きてゆくパレスチナの人々の強さをも感じることができる舞台だった。
 

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# by engekibukuro | 2017-10-28 10:50 | Comments(0)