3月31日(水)S「竹田恵子オペラひとりっ切り:にごりえ」

作:樋口一葉、作曲:吉川和夫、演出:恵川智美、ヴァイオリン:山田百子、四谷区民ホール。
 吉川が、このひとりオペラを現代の義太夫として、三味線をヴァイオリンにして作曲した。それに応えて竹田が見事な成果をあげた。歌の力は充分なのはもちろんだが、竹田は歌の途切れる地の文の朗読、芝居の演技力の力があるので、それぞれの人物がくっきり描かれて、一葉の世界がイメージ豊かに眼前のものとして具現化した。銘酒屋菊の井の売れっ子お力、彼女に入れあげて破滅した源七、その女房のお初。貧困が底にある物語だが、貧困を越えた、どうしようもない人間の業がひしひしと迫ってきたオペラだった。お力が七つのときになけなしの米をどぶに落としてしまった回想や、源七一家をどん底に落とした苦悩を歌う絶唱は鬼気迫るものがあった。原文どうりに歌った2時間弱、それもたった1日だけの上演で、少しの乱れもなく演じた素晴らしい舞台だった。昔、文学座と提携して今井正が「にごりえ」を淡島千景、杉村春子、宮口精二で監督した映画が一葉の舞台化、映画化で最高だと思っていたが、この舞台はそれに匹敵するオペラだった。

▼メモ。3月は異常で舞台を29本観た。王子小劇場から日生劇場まで多種多様の舞台。今年からは厳選して本数を少なくする方針だったのに、3月はなりゆきでこういうことになってしまった。だが3月の反動で4月は少ないようだ。ゆっくりできそうだ。四谷区民ホールで竹田さんに挨拶して帰る。晩は、手羽元の酢煮、ひりょうと青菜の煮物、もやしとじゃこのサラダ。
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# by engekibukuro | 2010-04-01 11:07 | Comments(0)  

3月30日(火)M★ル アトルS★★赤坂ACTシアター

★「シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ」(原作:筒井広志、脚本:横山由和・ワームホールプロジェクト、演出:ワームホールプロジェクト、音楽:筒井広志/八幡茂)音楽座。貧しい作曲家と足を洗ったスリの娘との純愛物語。幸福の絶頂から不幸のどん底へ、過酷な運命に翻弄される二人の物語の深奥には宇宙のスピリッチュアルの謎、ラス星人の介入があった。二人の暮らしを支えてくれたコーヒー店のオーナー夫婦、店に集まる人々、地球に降りてきたラス星人、娘を脅かす悪辣な養父、など二人を囲む多彩な人々が悲喜劇的に描かれ、作曲家役の安中淳也、娘役の高野菜々の熱演を音楽座の一糸乱れぬ歌とダンスのアンサンブルが支えて、1088年の音楽座ミュージカルの第一作であるこの作品が音楽座ミュージカルの原型で、その魅力の発祥の舞台であることを納得させた。地上の雑踏から、ソラ(宇宙)の只中まで壮大なヴィジョンを踏まえたこの舞台の幕が降りるとブラボーの声が起こり、スタンデイングオベレーションでカーテンコールが重ねられた。
★★「薔薇とサムライ」(作:中島かずき、演出:いのうえひでのり、作詞:森雪之丞)劇団☆新感線。新感線は30周年だそうだ。いのうえは支えてくれたお客さんに感謝して、「今回は思いっきり”お祭り”にしよう」ということで、ど派手な音楽活劇を目論み、極上の舞台に仕立て上げて。無論主役石川五右衛門は古田新太、対する女海賊の頭目は客演の天海祐希、ほかに客演は、藤木孝、浦井健治、山本太郎、神田沙也加、森奈みはるの面々、それと劇団のベテランン橋本じゅん、高田聖子、粟根まこと、それに実力脇役ら全員総力で舞台を盛り立てた。舞台は日本の日本の大泥棒五右衛門とイベリア半島近海の海に出没する女海賊アンヌ・ザ・トルネードを巡る、荒唐無稽の大活劇で、森の歌詞の曲を面々がホントに嬉しそうに歌いまくる。青山円形劇場で初めて新感線の全員ローラースケートを履いての芝居を観たのは何十年前だったのだろう。そこで古田新太という凄い役者と出会い、高田聖子の魅力に痺れた。今回の舞台も芝居の芯、二大支柱はやはり古田と高田だった。
▼メモ。マチネーもソワレもミュージカルという珍しい日だった。全くテイストが異なる舞台で面白かった。それにしてもこの不景気のさなかで新感線はチケット12500円、パンフ2300円あわせてほぼ15000円で満員。女性が大半だが・・・。帰宅、エボ鯛の干物、がんもと青菜の煮付け、うどの酢の物。
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# by engekibukuro | 2010-03-31 14:45 | Comments(0)  

3月29日(月)

▼メモ。奥秋君からのツイッターを見るまでに悪戦苦闘。アラ7にとっては、情報ツールの発達と情報量への応対能力は減退の一途をたどるね・・。つぶやけるまで、まあ、ゆっくり頑張ろう・・・。そんなこんなであっという間に夕方、CTにも行けず、今晩芝居がなくて助かった。晩はタラ入り湯豆腐とサラダ。、
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# by engekibukuro | 2010-03-30 10:03 | Comments(0)  

3月28日(日)M「泣き虫なまいき石川啄木」ハイリンド

作:井上ひさし、演出:水下きよし、赤坂レッドシアター。客演の外波文明の力を借り、女優陣を中心に大善戦だったが、今ひとつ芝居が展開しきれなかった。だが、井上ひさしの芝居をあまり観ていない客層だと思えるので、有意義な公演であることは確かだ。

▼マルケス「百年の孤独」再読読了。やはり大傑作だね、おなじノーベル賞作家でも日本の大江健三郎の四国の森の住民より、コロンビアのマコンドの人々に親しみを感じるのは何故だろう。セリーヌの「夜の果ての旅」と「百年の孤独」はおれには20世紀の二大傑作だ。昼は赤坂でマチネー、夜は新宿のルノアールで「シアターアーツ」の編集会議。帰宅、晩飯八宝菜、キンピラ。高松宮記念はビービーカルダンの複勝のみ。赤字だ。
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# by engekibukuro | 2010-03-29 10:44 | Comments(0)  

3月27日(土)M「7ストーリーズ」青年座劇場

主宰:文化庁 新進芸術家育成公演等事業
作:モーリス・パニッチ、訳:吉原豊司、演出:小林七緒。
舞台はマンションの7階。七つの部屋の窓があり、その窓が舞台の平面になっており、物理的には不可能な人物の立ち振る舞いだが、この危うさが、7人のそれぞれの物語、それを媒介するこのマンションの7階に偶然紛れ込んできた男の話にリアリテイを与える仕組みになっている。この男は7つの物語に律儀につきあうが、その律儀さのために破滅し、そして蘇生する。非常に安定した戯曲で、それを小林がきちんと演出して立派な芝居になった。これまで流山児★事務所の舞台の演出が主で、流山児の有形無形の援護があっただろうが、初めてよその柴田義之らのベテラン俳優相手の演出で、小林は自分の力を発揮できた。めでたい。

▼メモ。k園から代々木八幡の青年座劇場へ。小林七緒がロビーで演出家然としていて嬉しかった。終わっておもろへ。カップル、中川君、カツオのたたき。エンゼルスの松井が打った場外ファウルでオーナーのベンツを壊してしまった話、松井は謝っていたが、責任があるのかね、もっともそのあとホームランを打って、オーナーが喜んでいたというが・・。帰宅、晩は自家製のしめ鯖。 
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# by engekibukuro | 2010-03-28 09:56 | Comments(0)