「ガラスの仮面」彩の国さいたま藝術劇場M8月16日

原作:美内すずえ、脚色:青木豪、演出:蜷川幸雄。あの有名な原作漫画を読んでいない私にはありがたいお芝居だった。こlこでは蜷川がこの舞台に出演している若い俳優についての考察をパンフで書いていて、それが今の若演劇人につてのポイントを的確に衝いているので、紹介しておく。「私は今後、このさいたま藝術劇場で、若い世代の俳優を育てる劇団を立ち上げたいと考えている。今回、それを意識して若い俳優とつきあってみて、彼らの世代特有の内向性を、痛烈に肌で感じた。それを”現代の俳優が持っている条件”として認めつつ、多くの観客の前に立つために自分を開くことを理解してもらうにはどうしたらいいか、ことあるごとに考えさせられた。若い世代の俳優を育てるには、若い世代に演劇に興味を持ってもらわなければならない。インターネットを使えば、家の中にいても自分が世界を救った気分を味わえる冒険ができる時代に、彼らに劇場に足を運んでもらうこと、ネットとは正反対のアナログな演劇に興味を持ってもらうこと」。とくに強固な「若い世代の内向性」の指摘は今の若い世代の演劇を考える際の重要なポイントだと思った。
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# by engekibukuro | 2008-08-17 09:04 | Comments(0)  

「春の夜想曲」TPS8月15日こまばアゴラ劇場S

北海道演劇財団シアターZOO企画。作・演出・音楽:斉藤歩、演奏:チェロ土田英順、ピアノ伊藤珠貴。札幌の中島公園の池の浮島の季節限定のホテルの別室が舞台。斉藤が話をつくりすぎているうえに、チェロの土田に芝居をさせたりして、内輪の芝居で白けるが、斉藤の作曲した夜想曲は札幌交響楽団のコンサートマスターだった土田の演奏によって十分聴き応えがあるものだった。まあ、音楽会として成功したわけだ。
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# by engekibukuro | 2008-08-16 07:28 | Comments(0)  

「足跡のなかで」劇団青羽(ソウル)8月14日S

タイニイアリスがソウルから呼んだ劇団だ。日本の舞台では目にできない種類の新鮮で面白い芝居だった。舞台は街外れの米屋。この店で殺人事件が起きて閉店中の建物に画家が引っ越してきてアトリエにする。近所の人々は米屋の再開だと思って買いにくる。米屋がないと困るから米を置けとうるさいので、画家は自動販売での米をおく。米を入れる袋に画家は絵を描いた。そのうち米以外の米にはキムチがつきものだとかいって、商品の数を増やされてついにはアトリエは雑貨屋になってしまう。画家は米袋の絵を評価されたか、個展も開くが、いつの間にか店主になってしまい絵を描かなくなる。ここのあたりの推移は字幕だけでは分かりにくいが・・。しかし、また思い直して商品を売らず、画家にもどる?とにかく画家は人間にとって米が大事で絵画は入らないという民衆の話に真剣に悩む。この芝居は藝術と生活について大真面目に議論するのが最大の魅力。それもシンプルな装置、ライトタッチの音楽にのって、人々がリズミカルな早足で出没するのと、形而上学的な議論が並立する面白さだ。だからとてもさわやかで、自分も考えなければと自然に思わせられる。シニシズムのかけらもない。画家を演じた李憲在はイケメンで魅力的だし、ほかの俳優たちもユーモラスで軽妙。ステキなアンサンブル。よくわからないところも多々あるので、「シアターアーツ」に掲載されるはずの戯曲を読んで再考したいが、分かったかぎりでも有意義で面白い舞台だった。、
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# by engekibukuro | 2008-08-15 15:51 | Comments(0)  

「由比正雪」流山児★事務所8月11日S

唐十郎作、流山児祥演出、本多劇場。この芝居は69年の新宿西口公園でのあの「腰巻お仙」上演事件の前の年68年に花園神社で上演されたが、観ている人は少なくて幻の芝居のようで扇田さんも観ていないそうだ。この芝居は唐の芝居の臭いが全く感じられない。セリフも唐ワードでなくて、唐の作とは思えない感じなのだ。正雪の時代の江戸、島原の乱、天草四郎とか、それらの事件についてのナレーションを入れるとか、芝居全体がアングラのコードを使っていない「普通の芝居」なのだ。その時代を彷彿させる吉本隆明「言語にとって美とはなにか」をもじった、「剣にとって美とはなにか」などのセリフが頻発するが・・・。つまりアングラ芝居、唐独特の芝居の最前期の作品なのだ。だからこの芝居を観て福田善之の「袴垂れはどこだ」を思い出した。唐は福田がリーダーだった劇団「青藝」にいた。歴史上の人物に現在を重ね、江戸のアウトロー、浪人正雪の時代への反逆を描き、クウデターを起こす話は福田の作風をかなり忠実に学んだ芝居だと如実に感じさせた。流山児がこの作品を掘り起こして上演したことは、唐の作品の理解のためにも演劇史的にも有意義なことだった。テクストを損なわないきちんとした舞台だった、長年下積みだったイワオが柳生十兵衛という大役をもらって、とにかくサマになっていた。嬉しいことだ。  
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# by engekibukuro | 2008-08-12 09:30 | Comments(0)  

ダンス企画おやつテーブル「秘密の応接間」7月

7月26日(金)主宰まえだまなみ、ルーサイト・ギャラリー。このギャラリーは柳橋のビクターの歌手だった芸者市丸の旧居を改装したギャラリー、妾宅の面持ちの構えで2階の部屋から隅田川が目の前。応接間のソファーともともとのこしらえを使う。この女性4人のグループは「世代間ギャップ」が売りだそうで、だから小田幸子さんも有力な一角を占める。小田さんの少女時代の夢が叶った初デヴュー。世代の違いは、それぞれの身体の違い。そのギャップの交流、違和をおもしろくダンス、あるいは多少演劇的なパフォーマンスに仕立てたあんばいで、時に激しいがおおまかな全体にはゆるい女たちの時間が流れた。応接間の奥の棚の上の狭い空間で二人で船を漕ぐような激しい「青春時代」のダンスの燃焼とかソファーでおやつをたべながらの足だけの交錯とか・・・。小田さんのハイライトは若いダンサーとお皿にのった一つのショートケーキをカットしてお互いにスプーンでクチに入れあうパフォーマンス。まあ、女どうしの官能のパフォーマンスか・・・。秘密の応接間でdの女たちの秘密の時間を覗かせてもらった、男にはなんとも不思議でうらやましいような女たちの親密、結束をみせてもらいました。^
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# by engekibukuro | 2008-07-26 08:40 | Comments(0)