オリジナル・メンバーの水沼健、奥村泰彦、尾方宣久、金替康博、土田英生に岡嶋秀昭、ヨーロッパ企画の諏訪雅、中川晴樹が加わった・・。舞台は、窃盗や万引きなどの軽犯罪の犯罪者専門の刑務所。水沼と土田が看守であとは受刑者、囚人への融和政策で看守と囚人は刑務所内では仲よくしようということで、双方まるでお仲間のように過ごしていたが・・、管轄してる国家マナヒラが分裂し、マナヒラとヒガシマナヒラの二国ができ、おまけに極小地域のコチまで独立した。マナヒラ出身は看守の水沼、囚人の奥村、岡嶋、ヒガスマナヒラ出身は囚人の尾方、金替、諏訪、看守の土田、コチ出身は囚人の中川一人・・。それまで囚人も看守もゲームとか踊りとか、和気アイアイと過ごしてきたのに、出身地がそれぞれの分裂国家になってしまって、生まれた国への忠誠というかアイデンテイテイに目覚めてしまい、一寸した行き違いなのに話がおおげさになってきて、小さな亀裂が国分裂を尾反映してどんどんエスカレートしてゆき、看守、囚人いりみだれての大乱闘の騒動になり、怪我人続出して・・。この芝居が現代の寓話で、あたら国家とか宗教とかが表立つと、それまで仲良く暮らしてきた他民族や他宗派と殺し合いになるという今の中東世界や、MONOは京都の劇団だから、いまの大阪の橋下政治とか、連想の範囲はとても広くて・・。ただ、土田の作風がそんなに深刻な書き方をしないから、なんだか隔靴掻痒で、だから大乱闘の場は芝居にしないであとの語りだけですませているぐらいで、物足りない感じが拭えない・・・。が、土田特有のリズミカルな台詞を楽しむのがMONO必見法で、今回もそれは期待にかなった・・。
▼アフタートークはこの芝居の舞台美術の柴田隆弘とMONOの役者でまた有能な舞台美術家でもある奥村泰彦の二人の話が土田の軽妙な司会で面白かった。どうもいままで奥村と水沼の顔と名前を混同していたみたいで、このトークではっきりした・・。
・おもろ。カップル、昔のジャン・ギャバンの「望郷」やイングリット・バークマンとハンフリー・ボガードの「カサブランカ」なんかの話で勝手に盛り上がって、面白かった・・。
# by engekibukuro | 2012-02-19 09:35 | Comments(0)