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1月6日S「動員挿話」三田村組、サンモールスタヂオ

作:岸田国生、演出:三田村周三。三田村さんの初演出。彼はいままで古屋治男、蓬莱隆太、田村孝祐ら彼が学んだ舞台芸術学院の後輩の作家の作品を上演してきたが、今回は舞芸時代、他のクラスが上演したこの芝居が忘れられず、上演したそうだ。明治37年の夏の東京、陸軍将校の家に住み込んでいる馬丁夫婦の話。夫が将校について戦地に行くのを妻が命がけで拒む。夫は妻を愛しているが、馬丁仲間から孤立するのを恐れ、将校の要求も拒めず、一旦は妻に同意するが、結局戦地に行くことを決意せざるを得なくなる。妻は絶望して井戸に飛び込む。国の戦争は私たちの身分とは関係がないと、夫婦の愛だけが全てだと言い張る妻の迫力が胸を打つ。ひとりよがりのエキセントリックな女にみえもするが、彼女のもつエキセントリシーしか国家の暴力にたち向かえる術はないのだと難得できるのだ。深津篤史の演出で新国立劇場でも上演したが、この舞台も岸田の戯曲の凄さを十分に伝えていた。

by engekibukuro | 2009-01-07 11:03  

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