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1月29日S無機的INORGANIC(2)有機の彼方へ」解体社

構成・演出:清水信臣、カンバス。総タイトルの2回目の公演。今回はちょっとコンセプトが掴みずらく、判じ物めくが、世界から剥奪された身体、リアリテイに関与する能力と関心が奪われた身体、アトム化された人間たち、この舞台はそういう決定的にネガテイブな身体、有機的なものが奪いさられた身体を併置、接触させ、それを示したものだと思う。2月の最終部で全貌が顕かになるのだろう。このタイトルのキャッチコピー「ゾーエーこそが人間の思考を回復できるのだと思う」とあるが、無知をさらけだすが、ゾーエーという言葉がわからない。どなかたにご教示をお願いしたい。
★アレクサンドル・ソクーロフ監督「チェンチェンへの旅 アレクサンドラの旅」をユーロスペースで見た。チェンチェンの軍の駐屯地へ大尉の孫を訪ねてゆく80歳の老婆のはなしだ。ロシヤでは親族が訪ねてゆき数日間一緒に過ごすのはよくあることらしい。この祖母を演じるガリーナ・ヴィシネフスカが素晴らしい。彼女は世界的な名チェリストであるロストロボーヴィチの妻で彼女自身も世界なオペラ歌手だ。ロシヤの女の存在感か圧倒的だ。この映画は戦闘のシーンは映さない。が、駐屯地の戦闘準備やそこでの日常の映像かもたらす気配こそが、戦争の過酷さがすみずみまでゆきわたって感じられた。祖母のチェンチェンの女たちとの交流が男たちの戦争の身勝手さを静謐に告発していた。

by engekibukuro | 2009-01-30 10:49 | Comments(0)  

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