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2月21日M「ワーニャ伯父さん」あうるすぽっと

作:A・チェーホフ、英訳:マイケル・フレイン、訳:小田島雄志、演出:山崎清介。一風変った「ワーニャ」を山崎が演出した。細かい枝葉を剪定して物語と人間の核だけが露出した舞台だ。ちょっとキレイなだけで、1日中どんより無為に過ごすエレーヌにワーニャもアーストロフも夢中になり、仕事もなにも捨てて入り浸る。ソーニャもアーストロフへの実らす恋に身を焦がす・・。キャステイングが面白い。木場勝己のワーニャは自分の巧過ぎを制御するのが大変なくらい巧い。小須田康人のアーストロフがしれっとしていて面白い。「1980」の柴田善之のセレブリャーコフが空疎な空威張りの教授を好演。井沢磨紀のソーニャは絶品(おれが井沢の大ファンだから、えこひいきかも)。人間のろくでもなさと崇高、愚かさと賢明さが平然として一人の人間のなかに両立しているサマがまざまざと見えてくる舞台だった。これぞチェーホフだという感じだ。ラストのあのソーニャのセリフも井沢は心から聴かせた。「伯父さんや私にはもう喜びはないけど、辛抱してやっと死んで神様のところへ行けば神様がよく辛抱したと慰めてくれてやっと息がつけるのよ」。おれももうすぐ息がつけるか・・・。

by engekibukuro | 2009-02-22 11:18  

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