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5月19日(水)M「甘え」(作・演出:本谷有希子)

劇団本谷有希子、青山円形劇場。劇団創立10年目だそうだ。一人劇団でよくやってきた。今回は父(大河内浩)と二人で暮らす小池栄子が演じる娘(順)の話。元モデルだったという母は離婚した。そのわがまま勝手な父に再婚相手(広岡由里子)が現れる。幼馴染の友達はだれにでもさせる女キョウコ(安藤玉恵)で、彼女はは読書家の順を慕っている。そのキョウコに優しくしてくれる先輩(水橋研二)を順に紹介する。舞台は随所に穴がある木製の抽象舞台。娘のことも他人こともを考えない父や再婚相手、無邪気だが無軌道な友人に囲まれて、ひたすら生存の価値感を読書で模索する順は、煮詰まって父を殺そうとするがことごとく未遂に終わる。父は”本ばかり読んで現実に向き合えない”と順をののしる。現実の混沌は本なんかではどうにもならないと・・。順は価値観の砂漠で漂流するばかり・・。遂にはキョウコの世話で、見知らぬ5人の男相手に・・。ベルが5回鳴って幕。本谷本来のエキセントリックなタッチで煮詰まった、こじれた世界を濃密に描く。小池の鬱屈した演技と、安藤のあけっぴろげな演技のコントラストがバツグンに面白い。ポツドールの看板女優だった安藤のポツドール時代の体当たり演技が一皮むけて、類をみない個性的な女優として目を見張らせた舞台だった。

▼メモ。一月1回の血圧検査で出版健保へ。2時間近く待たされてイライラしたから、血圧上昇、担当の女医のT先生、”お待たせしたからかしらね・・””そうですよ”、先週先生がお休みしかららしい。ロビーで海苔巻きの昼飯を済ませ、青山円形へ。劇場を出たら雨、濡れて帰ってCTに寄り「スターリン」、マリナーズ4連敗。

by engekibukuro | 2010-05-20 10:29 | Comments(0)  

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