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5月25日(火)S「神崎与五郎東下り」(作・演出:横内謙介)

劇団扉座、座・高円寺。大衆演劇の人気役者だが、飲み、打つ、買うの遊びが度を越して、挙句の果てにヤクザの愛人と駆け落ちして芝居に戻れず、今はタクシーの運転手で毎晩娘のやっている居酒屋で飲んだくれて、喧嘩騒ぎをしょっちゅう起こして娘に迷惑をかけている男が主人公。ある日昔の仲間と今の座長が訪ねてきて、先代の追善興行に「神崎与五郎東下り」を出すので出すので、男の持ち役だった役をやりに戻ってきてくれという話になった。今の座長はかっては男の下だったが、「おやまルンバ」という曲が大ブレイクしていまや大スターだ。話がまとまり、稽古も順調にいってさすがといわれた男だが、ある日昔のヤクザがらみの問題が再燃して・・。まあよくある人情噺なのだが、この芝居の見所は男を演じた六角精児の演技だ。今はテレビの売れっ子でブレイクしていて舞台は久しぶりだが、一回り大きくなって戻ってきた。元々天分豊かな役者だが、さらに磨きがかかって客を呑み込む舞台になった。六角を知り尽くした高校時代からの盟友の横内が六角を最大限に活かした台本を書いたのも勝因だ。客演の市川笑也が座長に扮して花を添えた。さらに昔の役者仲間を演じた岡森蹄は扉座の前身である善人会議の時代からの六角と双璧の役者で、この二人の丁々発止の芝居も楽しめて、同じく創立メンバーの中原三千代rも要の役で出て、この劇団の魅力と力を十分感じさせた舞台だった。娘を演じた高橋麻里もよかった。

▼メモ。会田誠の「絵バカ」展をミヅマアートギャラリーで見た。大作3点。「灰色の山」は一見灰色だが、目を近づけると無数のOA機器と絡んだサラリーマンの死体が描かれた壁一杯に聳える山水画。会田は北京で半年かかって描いたという。藤田嗣治の名作「アッツ島玉砕」へのオマージュだという。さながら「キャピタリズム玉砕」だ。壁2方を埋めた「万札地肥瘠相見図」は1万円札の図柄を金箔をまぶして並べた。会田はこの絵は<これっぽちも意味はない、あるのはただ網膜への刺激、視神経への純粋な奉仕、これこそ日本の伝統絵画の真髄だ>と語っている。東京芸大油絵科出身の会田が四半世紀ぶりに描いたという油絵が「1+1=2」は原色の絵の具自体が歓喜のあまり踊っているようなアンフォルメル。あと東京芸大の1年生の女子が裸で踊るビデオ「よかまん」を上映。見事なバカバカしさは元気の源だ。座・高円寺に行く前に駅前の「代一元」で今年初めての冷やし中華を食べる。この店で十代のとき初めて冷やし中華を食べて美味さに驚嘆した。そ以来冷やし中華はこの店に決めている。下北沢にも姉妹店があったが閉店してしまった。

by engekibukuro | 2010-05-26 14:24  

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