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8月12日(木)S「CHA」オーチャードホール

チャイニーズ・スーパー・エンテテイメント(藝術監督・演出:李西寧)。旗幟雑技団+江西省雑技団のアクロバッテイック・ショー。上海万博で披露されたショーだ。演出の李はシルク・ド・ソレイユの雑技総監督でもある。中国古来の「茶」の様々な眼目を、茶山・茶禅・茶器・茶館・茶馬・茶境の六景に分けて、それにふさわしいショーを構成する。最高難度の超絶技巧の目もくらむような数々で、会場は拍手の嵐。超絶技巧の連続では流石に飽きるだろうから、各景のドラマテイックな構成、特にフィイニッシュの決まり方が勝負。それぞれ見事に美しく決まって最高の暑気払いだった。
▼メモ。「クリント・イーストウッド:レトロスペクテイブ」(リチャード・シッケル)キネマ旬報社。読了。クロントの全作品の写真満載の解説本。きわめて簡潔に全作品の要点を抑え、クリントの映画に対する姿勢と成長を描き、その全貌を明らかにしたとても良い本だった。「許されざる者」や「ペイルライダー」も良かったが、高齢に成ってからの映画、「ミステイック・リバー」「ミリオンダラー・ベビー」「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」「チェンジリング」「グラン・トリノ」「インビクタス/負けざる者たち」がそれぞれ素晴らしかった。ひとつひとつ作風は異なるが、共通しているのは、上質な「普通の映画」だということ。声高な説教も藝術くさいのねりなどない、我々が子供のときから親しんできた「映画」の他の楽しみの延長なのだ。80歳を迎えても今新作をヨーロッパで撮っているという。「わたしの作る映画はどれもわたしに教えてくれる。それが映画を作り続ける理由になっている。わたしは映画作りをやめてゴルフをするだけの人生を送ってもいい時期に来ている。しかし、硫黄島について2本の映画を作る中で、わたしは戦争について学んだ。わたし自身についても多く学んだ」クリントの言葉だ。わたしのような高齢者にとっては、クリント・イ^ーストウッドは鑑であり、素晴らしい先行者で、新作がとてつもなく待ちどうしい唯一の監督だ。

by engekibukuro | 2010-08-13 12:33 | Comments(0)  

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