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10月15日(金)S「鋼鉄番長」劇団☆新感線

作・演出:いのうえひでのり、サンシャイン劇場。

 当年とって70ウン歳のとしよりにとっては、ナンジャラホイみたいな芝居で、大とまどいだったが、観客動員日本一の劇団の超満員の客は心から楽しんでいたようだ。
 わたしのあずかりしらぬネタが満載されているらしいコミカルミュージカルで、むろん鋼鉄番長は橋本じゅん。舞台は一糸乱れぬアンサンブルでラストまで見事に貫徹、新感線の役者群のすみからすみまで、自分の持ち味を発揮、主張していた。
 とにかく舞台一切が贅沢に設えられ、いのうえの大げさにいえば、どんな一瞬にも演技、ダンス、歌、大道具、小道具、照明に新しいアイデイアをおしげもなく注ぎ込む演出力は驚嘆に値する。いのうえの演出のサンプル集大成のようだ。そして、間断なき激しいアクションの連続を最後までエネルギーを持続して、舞台を維持した橋本、古田新太の両巨頭のせめぎあい、高田聖子のぐにゃり演技など、それを支えたアンサンブルの力、新感線の実力の展示会だった。やはり、この劇団は古田、高田が柱だね・・・。

▼メモ。14日の東工大の集まりのときいただいた宮本起代子さんがおつくりになっている「因幡屋通信 宮本起代子芝居噺」を読む。芝居が自分の生活や人生のなかで、しっかり位地ずけられたいる文章で感銘をうけた。いろいろわたしの知らない、観たこともない劇団の芝居を観ていらっしゃる。とりあげられている「鵺的」という劇団はきいたこともないし、劇団フライングステージは名前は知っているが観たことはない。自分の観劇範囲がごく限定された世界だと思い知った。唯一、観ていた芝居で、共感したのは「犯罪加害者の家族の苦悩を描いた作品の筆頭に、自分は土屋理敬の「そして飯島君しかいあなくなった」を挙げていることで、これはまさしくたいへんな傑作だった。「因幡屋通信」は読み応えが確かな通信だった。

by engekibukuro | 2010-10-16 09:06 | Comments(0)  

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