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10月23日(土)M★弘前劇場★★唐組

★「地域演劇の人々」(作・演出:長谷川孝治)アサヒ・アートスクエア。
 地域演劇の人々の活動を全面的に描いてゆく芝居だと思って期待していったが、一寸趣が違って、長谷川の「プラタナスの夜」という芝居の稽古風景を中心にして、劇団員の生活、劇団の有力者の死、中国から客演に来た女優の話などを点描してゆく芝居で、少し拍子抜けした。だが、長谷川の特有のリリシズム、独特のテイストはきちんと確保されていた。まずは満足だ。
★★唐組は珍しく2本立て。雑司が谷・鬼子母神境内。
・「ふたりの女」(作・演出:唐十郎)。紫式部が描いた葵上と六条御息所の物語の唐十郎版だ。光源氏の精神科医光一は稲荷卓央、精神病患者を装う六条と光一の身重の妻アオイを藤井由紀が二役演じる。この芝居は唐が第七病棟に書き下ろした作品で、石橋蓮司と緑魔子が演じた。この舞台は二役を演じ別けた藤井が素晴らしい出来だった。稲荷は二人の女に翻弄される光一の情けないようで、健気な男の色気を放散させていた。気がたち、気が鎮まる唐独特の鎮魂劇だ。
・「姉とおとうと」(作・演出:唐十郎)。クラブ<ダリヤ>につとめる姉・沙万砂(サマンサ)とおとうと一馬な絆が強すぎる強すぎる。ほうとに血をわけた姉・おとうとか・・。<ダリヤ>のボーイ主任が沙万砂のために運んできた盥は、鹿児島のおばあちゃんが貸してくれたものだった。その盥で鹿児島の天草を洗う。天草はカンテン、話はカンテン・みつ豆屋の押入れへ・・・。沙万砂を赤松由実が演じて、あとは若手と唐。若手を唐の芝居になじませる育成舞台のようだ。若手が夢中で頑張っていた。
・テントに老若男女の客が一杯。唐の芝居は、今の悪い時代に生きている人々の心を底の底で癒すおおきな作用があるようだ。やはり凄い演劇者だと改めて感じる思いだった。

by engekibukuro | 2010-10-24 10:57  

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