人気ブログランキング | 話題のタグを見る

10月31日(日)M「愛と嘘っぱち」流山児★事務所

作:鹿目由紀、音楽:浅井さやか、振付:石丸だいご、演出:流山児祥、座・高円寺。
 大逆事件を題材にしたミュージカルだ。鹿目は名古屋の人気劇団「あおきりみかん」の主宰者。今どき大逆事件をミュージカルにしようと鹿目に書かせた流山児のアイデイアはいつもながら凄い。
 鹿目もそれに応えて、しっかりした良い台本を書いた。なにより菅野スガを8人のスガにして、この複雑剛毅な女傑の内面の葛藤のポイントを8人に分担させたアイデイアが独創的で、スガの全体像に迫った。スガの恋人であり、スガと同じく処刑された幸徳秋水はじめ、事件に連座した人々も周到に描かれていて、事件の全容もきちんとわかる。スガのほかに無政府主義・社会主義者の夢を次の世代をが継がんとする少年が主要人物だが、この少年の夢とヴィジョンが今の時代に説得力をもつかどうかが分れ目だろう。ともあれ、浅井の音楽、石丸の振付とも活気あふれる舞台で、特異で面白いミュージカルだった。

▼メモ。佐藤優が解説した「新約聖書1」を買った。聖書の新書版で手軽に読める(文春新書)のが狙いで、重要な箇所は佐藤の手でゴシック体で強調されている。テキストは新共同役訳。この新共同訳の旧約・新約聖書を勤め人のころ、1日5ページときめて通勤の電車で読み、半年以上かかって読み終えたことがあった。
まずは巻末の「非キリスト教徒にとっての聖書ー私の聖書論1」を読む。佐藤はキリスト教徒だ。そこで菅直人の「最小不幸社会」を批判して、菅を存在論ヴィジョンをもたない情勢論的思考の持ち主だと断定している。なるほど菅は情勢の後追いだけの政治家にみえる。これと対置させて、「目に見えないもの」をつかむのが宗教だとして新約聖書を置く。それと柄谷行人の「世界史の構造」をとりあげ、関連させているが、この本の読解
では佐藤のそれが一番頭に入る。聖書本文はゆっくり読もう。
・ワールドシリーズ、レンジャーズがホームのにどってやっと一勝した。頑張れ!

by engekibukuro | 2010-11-01 10:42 | Comments(0)  

<< 11月2日(火)★「ダーウイン... 10月30日(土)M「家族の写... >>