11月27日(土)M「野がも」ベルリン・ドイツ座

国際イプセン演劇祭・作:H・イプセン、演出:ミヒャエル・タールハイマー、あうるすぽっと。
 ポスト・ドラマ演劇という概念が、なかなかつかみきれなかったが、タールハイマーの、この舞台を観て解ったような気が十分した。新鮮で素晴らしいぶたいだった。舞台全面を斜面の回り舞台が占める。俳優達はその斜面を上り下りする。その不安定な行動が、この戯曲の核心を感受させる。また、舞台前面にとってあるスペースで、俳優がほとんど直立して台詞を語る。俳優は現代服。イプセンの時代の装飾は一切ない。まさに現代人のイプセン。戯曲から、人物たちの生の強度のみ抽出して、俳優は演じるというより自らの役を個々に造形する。それによってそれぞれの役の深度が深まり、感情が制御の限界まで高まる。物語そのものは、エキセントリックな正義漢が、人間誰でもの嘘もあるフツウの人生をなんとか送っている人間を破滅させるというもの。そのふつうの、どこにでもいる人々の悲劇が、人間存在の普遍的な悲劇性として、スリリングに舞台に屹立した。特に最後に自殺する少女ヘドヴィクを演じたヘンリッケ・ヨリッセンの演技は忘れられない。ポストドラナ演劇という演劇の革新をはっきり感じさせた舞台だった。

▼メモ。おもろで谷岡健彦さんに会う。重に俳句の話。谷岡さんの近作。
  ・靴音のくっきり尖る世寒かな   ・竜の吐く此岸の水の澄みにけり

・息子一家をよんで、誕生祝を強行するため、すね肉でビーフシチューをつくる。ワインを1本(もちろん安ワインだが)、どぶどぶ鍋にいれるのは気分がいい・・・。
[PR]

by engekibukuro | 2010-11-28 08:13 | Comments(0)  

<< 11月28日(日)M「演劇「津... 11月26日(金)S「くにこ」... >>