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5月15日(日)M「第一部『赤と黒の無知』第二部『缶詰族』」

作:エドワード・ボンド「戦争後曲ー三部作」より、演出:イクタサトウ、座・高円寺。
 この公演は座・高円寺の劇場創造アカデミー1期生 修了上演。イクタサトウは生田萬と佐藤信の共同演出の別名。一種の衝撃を与えられた舞台だった。★「赤と黒の無知」は、母の胎内で被爆した”怪物”の「生きることのなかった生涯」を語り、★★「缶詰族」では核戦争後の荒野に身を寄せ合って生きる人々の絶望的な様子が描かれる。★は”怪物”(さとうこうじ:賛助出演)を目ぐっての仮の生涯の顕在化として、9項目のピースに別けて描かれる。1紹介、2学習、3愛、4食事、5販売、6仕事、7軍隊、8人間という名を喜んで捨てられる者はどこにもいあない、9葬儀。★★は核戦争により人類滅亡の瀬戸際に立たされたときに、軍事基地の廃墟から膨大な量の缶詰が発見され、労働と生産から人間が解放されて、一種の天国が出現する。ふたつの作品は、ボンドの作風、表象のありよう、それに付着し連動する言葉が、極めて独特でそのまま見聞きするとついてゆくのがタイヘンだが、つぶさに判らなくても、ここで舞台にあがっている核戦争後の廃墟、放射能による被爆などは、今の大地震尾の被災、放射のへの恐怖など、外部のハイコンテクストがテクストの圧力を高め、イクタサトウのクールな演出、1期生のまだ生硬ではるが、懸命な演技が、まるでテクストに憑依しているよう衝撃を生んだ。それにしてもこの作品が、1985年のもので、佐藤信がこのテクストを震災まえに選んだという予言性がに驚く・・・、震災前と後ではまるで異なる印象をうけたに違いないからだ。

▼メモ。夜、1歳半の孫がきて、揚げと切り干し大根の煮つけをむさぼり食った。。、

by engekibukuro | 2011-05-16 09:23 | Comments(0)  

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