人気ブログランキング | 話題のタグを見る

6月25日(土)M「12人ー奇跡の物語ー」オフイスコットーネ

作:Rejinald Rose,脚色・翻訳・演出:小川絵梨子、プロヂューサー:綿貫凛、Space早稲田。
 この舞台の小川・綿貫による新味と成功は狭いスペースを逆用して、客席を対面式にして舞台を挟んで観るの構図にしたこと。これによって臨場感が迫り、この陪審協議が身近な自分の問題としてより切実に感じられたのだ。
 ヘンリー・フォンダが主演した白黒映画を封切りで見て以来、様々な座組で、昨今の蜷川幸雄演出まで何回観たことか・・。三谷幸喜の潤色もあった・・。何回も観て、劇の主要なプロセスも結果も分かったていても、つねにスリリングな体験がもてるのは、原作の力だろう。今回は主役は寺十(ツジナシ)吾だったが、他の俳優は初めて見る人も多かったが、稽古を重ねたことがわかる、立派なアンサンブルを創り上げていた。翻訳劇の匂いを極力消して、日本人の話、出来事としての舞台にする工夫が細かくなされている。だから今の日本の裁判員制度に直結する極めてアクチュアルな舞台になったのだ。この舞台で、この劇のキーワードの”合理的疑問”という言葉が、切実に理解できkたことがなによりの収穫だった。それと11対1でも1人で疑問を守り続け、ほとんど徒労だと思われてしまう話し合いを続行させてゆく辛抱とエネルギー、その結果として全員無罪の評決が出るまでに至った経過をよく記憶しておくべきだろう。この舞台のサブタイトルのー奇跡の物語ーにしないために・・・・・。
▼メモ。谷岡健彦さんと一緒に観た。終わって池袋へ。フラミンゴで黒ビールを飲んでから、おもろへ。芝居と俳句の話、このごろじゃ俳句のほうが主で、27日の湯島句会の話。480句集まったそうで、谷岡さんがいうのは選句で選ばれるのは宝くじにあたるようなものだそうで、ましてオレのような初めての投句が・・、夢見ることさえおこがましい・・・・。が、ワクワクするのは仕方がない・・・。

by engekibukuro | 2011-06-26 11:29 | Comments(1)  

Commented by 山田 at 2011-06-26 11:50 x
全員一致の評議を主眼とするアメリカの陪審制に対して、多数決、それも職業裁判官が主導する日本の裁判員制度は対局にあると思います。日本の裁判員制度は個の尊厳を描くドラマにはなりませんね。
チラシやパンフレットにそのことを注記しないと日本の裁判員制度と陪審制が混同、誤解されかねない…かなと危惧しますが。

<< 6月26日(日)S「太平洋序曲... 6月24日(金)M★Pカンパニ... >>