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7月4日(月)S「竹田恵子オペラひとりっ切り『番外編』」

「キャバレー ・パダンパダン・・・私とあたし」(台本・演出:加藤直、ピアノ:山田武彦)、四谷区民ホール。
 当初予定の3月公演が中止になり、やっと復活公演が実現できた。エデイット・ピアフの歌を中心に、クルト・ワイルのブレヒト・ソング、ニーノ・ロータの歌もいれてある。竹田は公演が中止になったダメージだけではなく、大震災の惨状、原発事故の窮状をみて、無力感に襲われたとチラシに書き、だが被災地の人々に逆に励まされたと感じ、こんな時こそ「音楽」だと心を決めた。また、ピアフのシャンソンは、孤独や人生のどん底にあっても「生きる」こと。そこで発せられることばと音楽は、絶望を突き抜けて、人生に抗う魂とそれを許す極めて叙事的な表現だとおもうと、書く。だから従来のパターナイズされた感傷的な歌い方ではなく、都会の過酷な現実を反映した表現をこそ目指し、その強度がいまの「避難所」の映像にも耐えうるものとして歌うのだと・・・・・。山田武彦の地のそこからきこえてくるようなピアノにのって、竹田はピアフの歌を精根こめて歌った。それを聴いた復活公演を心待ちにしていた満員の客は、反原発のスピーチを含めて、盛大な心のこもった拍手で応えたのだった。今回は「番外編」だったが、これを聴いて本編の「ひとりっ切りオペラ」を是非早い機会に観て、聴きたくなった。竹田は根っからの歌役者なのだから・・。

by engekibukuro | 2011-07-05 12:46 | Comments(0)  

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