8月31日(水)S「ノミコムオンナ」鈴木製作所、Tモリエール

作」蓬莱竜太、演習:鈴木裕美。振付家を置かず、ダンスの即興のエチュードだけで、作品を創ってゆく試み・・。蓬莱が大枠の台本を書いた。舞台はしょぼくれたボクシンブジムで、そこのオーナーの一人娘の美女を、カフェのチェーン店の息子と、ジムに入ってきた野暮ったいボクサー志望の青年が奪い合う話し・・。台詞の代りにダンスでいかに人間相互のにコミュニケーションが可能で、客への説得力があるか・・。元宝塚の陽月華、瀧川英次が中心だが、ほかはダンス畑の未知の人たちだった。ジムのオーナーを演じた久保酎吉だけが台詞主体の役で、舞台の柱になっていた・。陽月の男をノミコミ、男の激情を霧散させる不思議な魅力が舞台に漂い、名付けようのないノージャンルのパフォーマンスだが、鈴木とパフォーマーたちが、エチュードを積み重ねて創って来たという手ごたえと楽しさは確かに伝わってきた・・。

▼「新潮」9月号。討論「いま始まる生存と創造」石川直樹・岡田利規・坂口恭平。主に大震災・原発事故のそれぞれの体験に即した話。岡田は奥さんが放射能にナーバスになって熊本に引っ越したそうだ。この世代の発言のほうが「at]の大沢真幸や山口二郎らの既成インテリの発言より率直で柔軟だと思った。佐々木敦「批評時空間」は中島新作、飴屋法水演出「おもいのまま」前田司郎作・演出「未だ定まらず」松井周作・演出「ゲヘナにて」などの演劇時評。「テアトロ」9月号で渡辺保が前田の「未だ定まらず」の野村昇史が演じたシャルルという女装の男が「天照大神」だという、実に面白い見方だな・・。扇田昭彦「つかこうへいの「戦争劇」」、村井健「死者の目でこの世を見る」が要をえて適格・・。菅孝行演劇時評「社会と演劇の視野」では北区のつかこうへい劇団の最終公演「売春捜査官」と四季の「ヴェニスの商人」を褒めた。今月は否定的言辞なし・・。褒める文章のほうがいいね、芝居がほんとうに好きなことがわかる・・・。
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by engekibukuro | 2011-09-01 11:33 | Comments(1)  

Commented by 山田勝 at 2011-09-01 23:38 x
原発震災から文学は生まれるのか?と思います。
過酷な炭鉱労働からでも「地の底の笑い話」のような文学や炭坑節のような「歌」が生まれたけど、原発労働者から「労働歌」は生まれるでしょうか。文学が生まれたとしてもそこには絶望と虚無しかないとしたら……。

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