9月19日(月)M「「背水の孤島」(作・演出:中津留章仁)

TRASHMASTERS、笹塚ファクトリー
 中津留の大震災関連芝居、4月の「黄色い叫び」に継ぐ第二作。休憩なしの3時間10分、大変なエネルギーだ。被災地へのボランテイアの経験、見聞に基づいた芝居でもある。前編と後編に別れている。前編は被災地の家を流されて納屋に住んでいる一家・・。母親は津波で死に父親と姉、弟がは住んでいる。被災地でも最も貧しい一家として、また、大学受験を目指す成績優秀な弟の毎日を紹介するテレビ局のドキュメント番組のクルーが毎日取材していて、女性のボランテイア、役場の職員、学校の教師などが出入りしている。前編での中心は、震災の当日、孤立して逃げ惑い、救いにも絶望した姉が、同じような状態だった役場の職員と刹那の救いとしてセックスしてしまい、学校教師と婚約していた姉は妊娠する。その中絶費用の算段で福島原発へ出稼ぎに行った相手の男は被爆した。そのほかいろいろ話が詰こめられていて、話の運びも、芝居だからといってもすれすれのあざといぐらいのご都合主義だが、被災地の生活の困難、ボランテイアと地元の人の軋轢、テレビ局の人間の無神経など、人間関係のきしみ、それらr一体の困難の強度だけは伝わるが・・・。
後編はかあり年月が過ぎた・・。被爆した人々の放射線障害が顕著になり、それでも政府は原発推進政策で、その費用を外国に売る国債で賄おうとしている。原発反対も昂進して推進派の国会議員が殺された。舞台は財務省の特別室、財務大臣の周囲の主要職員と大臣を訪れる人物達は、前編の人物たち(これは中津留の劇作パターン)、弟は東大をでて大臣の秘書官になり、姉は東北大をでて医者になって、放射能障害の治療法を研究テーマにして論文を書き上げた。後編の中心は、弟が偽装した放射能爆弾事件。このはなしの運びも方も荒唐無稽でタイヘンなのだが、とにかくこの偽装爆弾で大臣を脅かし、国債は暴落し無価値になり、政府の原発推進は阻止された。弟は逃亡できて、まあ一種のハッピーエンドで終わるが、なんだか力ずくの芝居で困憊するが、その負荷を一掃するイメージが最後のシーンにあった。弟は、大臣に国債の発行停止と太陽光発電の実施を要求した。その太陽光は木の葉から発する樹木スタイルで、土地も公園や道路に植えらればよく、いわば日本中でどこでも発電できる・・・。その林のミニチュアに照明が当たってキラキラと美しくて、、原発の代替発電として実現可能をも思わせ、この芝居の主調低音である原発反対のテーマが美しく結実したのだ。帰りに中津留さんは”芝居が長くてすみませんでした”と・・・。
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by engekibukuro | 2011-09-20 09:52 | Comments(0)  

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