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9月28日(水)メモ








▼デボラ・ソロモン「ジョセフ・コーネル 箱の中のユートピア」(白水社)読む。
20世紀の風変わりなアメリカのアーテイストであるジョセフ・コーネルの500ページ近い伝記。日本でも展覧会が何回も行われ、作品のコレクターも多いらしいが、わたしはこの人を知らなかった。コーネルの作品は、チープな雑貨や、写真や、名画の複製などを材料にしたコラージュ・・。それを箱につめた箱作品・・。そういう箱作品とアッサンブラージュで、シュールリアリズムの作家たち、ナチを逃れてアメリカにきていたヨーロッパの例えばマルセル・デュシャンに評価され、戦後アメリカを席捲したジャクソン・ポロックらの抽象表現主義の時代にもデ・クーニングに評価され、ついにはポップアートの時代まで生き残り、アンデイ・ウオーホルに好まれた・・・。真にアメリカ的な文化が詰まったアートとして時代々の美術風潮を乗り越えた。私生活では殆ど一生を母親の圧政下に置かれ、障害者の車椅子で暮らす弟の面倒を彼が死ぬまで献身的に世話をいて、一生独身だった・・。ほぼ晩年、やっと母親のクサビから脱却、性的な行為をはじめたときの相手が、ニューヨークで絵を画いていた若い頃の草間弥生だったという。性的関係はあったが、コーネルはインポテンツだったと草間は回顧している・・・。一生ニューヨークのクイーインズで暮らし、ニューヨークから一歩も出ず、甘いものに偏執して、多分、酒もタバコもやらず過ごしたコーネルの一生を、顕微鏡的にまで詳細に記述した、ずっしりと読み応えのある本だった。、

by engekibukuro | 2011-09-29 07:14  

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