人気ブログランキング | 話題のタグを見る

11月11日(金)M★かもねぎショットS★★ナイロン100℃

★「スキマに立つ」(作:高見亮子、演出:扇田拓也))ザ・スズナリ。ひさしぶりに高見の書いた芝居を観た。高見独自の作風は持続している・・。ベルリンでアートの勉強していた若い女性が帰国して、家に帰るのだが、町が変貌して迷ってしまう・・。公園で椅子に座っているおばさんに道を聞く・・が、このオバサンもよくしらない・・。この1日公園で自前の椅子にすわりっきりのオバサンの名は腰掛澤さんという・・スキマを埋めるのが仕事だという・・・。それから色んな人々がでてきてスキマを埋めているらしいが、やってることがよくわからない・・。この独自すぎるテキストでは扇田が演出のスキマを見つけ、関与するのはごく僅かだっただのだろと思った・・・。
★★「ノーアート・ノートライ」(作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ)本多h劇場。初演は10年前。舞台はパリの居酒屋。芸術家志望でパリにきて、オチこぼれてしまった日本人の吹き溜まりのような店・・。みな女に食わせてもらったり、似顔絵描きや贋作やテレビ局の作詞の下請けとかの賃仕事でしのいでいる連中だ・・。この芝居はなにかストーリーの軸があるのではなく、彼らの暮らしっぷりの生態を会話で描き、これは役者の個性、演技でみせてゆく舞台・・。その男ばかりの役者の演技がもう素晴らしい!みのすけ、三宅弘城、大倉孝二、広川三憲、吉増裕士、喜安浩平のナイロンの役者たちの10年前と比べての驚くほどの演技力の向上、それに「大人計画」の主戦役者だった温水洋一が久しぶりに舞台に本格的に戻って来て、さらにベテラン山崎一が参加、そのアンサンブルの質の高さは近頃稀にみるものだ・・。とくにこの居酒屋のバーテンに扮した温水は「大人計画」の時代から名優にちかい存在だと思っていたから、このメンバーのうちでも興趣を盛り上げるきわっだった芝居をしていて、とても嬉しかった・・。だからこのメンバーの演技によって、ケラの本の。その会話のギャグ満載の妙、人物達のいきの合い方、人物の個性の鮮やかさが浮き彫りになって、この報復絶倒の芝居の質の高さを成立させていた・・。とくにアrストの”泳げたい焼き君”の合唱シー ンは圧巻だった。出発当時は小劇場の傍流だったが、いまやケラの芝居やナイロンの役者たちは演劇界の主流になったのだ・・。
▼メモ。ラ-シュ・アーレン「悪魔たち」(晩成書房)読了。このスエーデンの劇作家は世界的に評価が高いそうだが、また昔、劇団旧真空鑑の舞台も見た事があるが、北欧的な暗さ、おもっ苦しさは、富永由実さんはよく訳したと思うが、なかなか馴染みにくいものだ・・・。

by engekibukuro | 2011-11-12 12:15 | Comments(0)  

<< 11月12日(土)M「トラベラ... 11月10日(木)メモ >>