人気ブログランキング | 話題のタグを見る

3月13日(火)





▼ロマン・ポランスキー監督の「おとなのけんか」を見た。これは、11年の1月にシス・カンパンニーが上演した、ヤスミナ・レザ作「大人は、かく戦えり」の映画版・・。演出がマギーで大竹しのぶ・段田安則夫婦と秋山菜津子・高橋克実夫婦のけんか・・。映画ではジョデイ・フォスター・ジョン・C・ライリー夫婦とケイト・ウインスレット・クリストフ・ヴァルツ夫婦、映画は舞台と同じ、一杯道具で舞台中継のようにも見えるし、室内映画でもある・・。どっちにしろ4人の実力俳優に縦横無尽に演技させて、ポランスキーの才気満点の、双方の子供のけんかの始末の話が無茶苦茶にエスカレートしてゆくサマを描き挙げた、大哄笑の映画だった。1962年の処女作「水の中のナイフ」を同じ時期のポーリッシュ・リアリズムのアンジェイ・ワイダの「灰とダイヤモンド」とともに見て、両方面白かったが、作風がことなる、この二人のポーランドの監督は、ふたりとも世界的名監督になった・・。ポランスキーは仏、英、米で映画を撮り、その国の監督より、その国らしい映画を撮った。アメリカでのジャック・ニコルスン主演の「チャイナタウン」など、レイモンド・チャンドラーの原作を、ひいてはアメリカのハードボイルドの小説をアメリカ人のどんな監督より面白く撮った。「チャイナタウン」は私のベスト5にはいる名作あdし、オギリスで撮ったトーマス・ハーデイ原作のナスターシャ・キンスキー主演の「テス」は、イギリスの風土を完璧に描いた。この舞台劇の映画化も、ジョデイ・フォスター・ジョン・C・ライリー夫婦が捨てた、子供が可愛がっていたハムスターがラストにひとコマ、けげんそぅな表情ででてきて、なんともしゃれた才気が光った映画だった。

by engekibukuro | 2012-03-14 10:27 | Comments(0)  

<< 3月14日(水)S「黄色い月」... 3月11日(日)M「サド侯爵夫... >>