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3月16日(金)






▼追伸・・昨日書いたみつわ会の「「不幸」の隠れたテーマは酒、舞台の大半の時間はちゃぶ台の上にお銚子が切れない芝居で、不幸が重なった義弟の新三郎は全くの下戸・・。酒飲みの義兄治兵衛がむりやり酒を飲ませてしまうまでの菅野菜保之の芝居がみもので、人生で酒こそが苦楽の要だという久保田万太郎のメッセージがとてもうまく芝居に組み込まれている・・。酒飲みのオレにはまたとない芝居だったのだ・・。
▼吉本隆明死去・・。思い出三つ・・。
・10台の末から20台の全半まで、出版社の未来社でアルバイトをしていた。主に倉庫の返品の整理・・。ある日、ノーネクタイで下駄履きの吉本さんが来社した。1959年刊行の「藝術的抵抗と挫折」のための来社・・。よく晴れた昼間だったのに、吉本さんが入り口に現れた瞬間、日食のように一瞬真っ暗になったような錯覚におちいった。それくらい暗鬱な雰囲気を漂わせた人で・・。倉庫の真上が社長室で社長の西谷能雄さんと吉本さんの会話を返品の山のうえで聞き耳をたてて聞いた。
・樺美智子さんが亡くなった60年安保のとき、その場所の国会から機動隊に追われて逃げたとき、道の横の堤の上の金網が破れた箇所があって、そこへ入ろうとしたら先を越された。それが吉本さんで、翌日しったが、逃げた先が警視庁の庭で捕まってしまった・・。こっちは助かったのだった。
・吉本さんの名著「丸山真男論」は最初一ツ橋大学の学生がガリバン刷りの冊子をつくって売った。それを買いに一ツ橋の共立講堂の脇の粗末な売り場に行った。帰りに混んだ都電にのって立って読み出したら、”混んだ電車の中で読むな!とだれかに怒鳴られた・・。

by engekibukuro | 2012-03-17 08:21 | Comments(0)  

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