人気ブログランキング | 話題のタグを見る

3月24日(土)M「満ちる」(作:竹内銃一郎、演出:松本修)

MODE、座・高円寺。
 この芝居ひさしぶりが二つ。竹内の新作と、体調が思わしくなかった主役の映画監督を演じたすまけいの出演・・。舞台は映画のスクリーンを模した、おおきな枠で表面が区切られている。つまり、舞台で演じられている芝居が、同時に監督が撮っている映画のシーンでもあるとういう趣向・・。話はある島の民宿での出来事、20年前から姉が営んでいる民宿に、脱サラした弟夫婦が経営に加わって・・。この民宿に映画のロケ班が泊っている。この映画の監督が、映画界の鬼才といわれていた監督で12年ぶりに撮る映画だ・・。だが、撮影は監督が昔の活動ヤの流儀を持ち込んでシナリオが気に入らなくて頓挫して、おまけに酒と女にだらしないのも今時通用しなくて、主演女優に手を出しかけてセクハラで女優がおりるというトラブルまで持ち上がって、鬼才を尊敬してる若いスタッフたちも頭を抱えている・・。この厄介を解決するのに唯一期待できるとして、監督の娘で小説家で映画監督でもあるたいへんな俊才でタイトルでのに「満ちる」という名の女性を呼ぶ。2歳までしか暮らしたことがない父親を嫌っているが、才能だけは尊敬しているから多忙をさいてやってくる。まずはシナリオ直しに・・。だが、それも監督とごちゃごちゃして・・。竹内はもともとシナリオライター出身で、松本も大の映画ファン、映画の現場の民宿の人間も巻き込んだトラブルをなんだか懐かしそうに活写して、すまけいもこの大監督の昔風のいい加減な振る舞いの下の貫禄や魅力を舞台いっぱいにみなぎらせた・・。それをうけて”満ちる”の山田キヌオ以下、若い役者も映画の現場の雰囲気を精一杯かもし出して・・、結局監督は、民宿の女あるじに手をだして、そのトシを考えないムリがたたって心臓造発・・、監督が死んだあとにその一回で子供が生まれた・・。ラストに監督の”カット”の大声・・。映画と舞台劇を融合させた、映画への愛を身にしみて感じさせる秀作だ。竹内は前より魅力的に平明な芝居を書き、松本はこういう本の演出は独断場だ・・。すまけいの健在ぶりも嬉しかった。舞台劇と映画を両方観られてトクな気分にンンなったワケ・・。
▼おもろ。中川君、カップル、おおいに盛り上がって、1週間が終わった・・。

by engekibukuro | 2012-03-25 08:26 | Comments(0)  

<< 3月25日(日)M「なにもいら... 3月23日(金) >>