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4月30日(月)





▼図書館へ。「文藝」夏号、佐々木中「晰子の君の諸問題」という小説を読む・・。いやあ随分と凝った高級な小説・・。21歳の大学でセーヌ川で投身自殺したドイツの20世紀最高の詩人トリスタン・ツエランを研究し、今はツエランで卒業論文を書いている晰子という学生の生活の諸問題を、相当な知識人とおぼしき連れ合いの目から描いた小説・・。ツエランとラカンの関係とか、はなはだ高踏的でついてゆくのがたいへんで、・・。晰子は料理にも凝っていて、豚バラ肉での角煮の複雑で手間がかかる料理法は、これもフウウというのみ・・。わかんなくても面白かったが・・。
・「中央公論」の村田奈々子「ギリシャはどれほど「ヨーロッパ」か」が興味深かった。現在財問題で存亡の危機にさらされている・・。なにしろ今の首相は無給(自分から)だそううだ・・。そのギリシャの複雑な歴史を教えられた。今のギリシャはローロッパ文明の発祥地である古代ギリシャとのつながりはない、長年オスマン・トルコの統治下にあって、ギリシャ国家として独立したのは20世紀にはいる前後だと・・・。いまは、豊かなヨーロッパと貧しいヨーロッパでの貧しい方の代表国家で、一人のギリシャ人の発言「私たちが氷山に向って突進しているなら、少なくても堂々と、私たちを溺れさせてください」と・・。
・8日に観るさいたま藝術劇場の蜷川演出の「海辺のカフカ」のため、未読だった村上春樹の原作を読み始める・・、いやあ、面白いね!。

by engekibukuro | 2012-05-01 06:10 | Comments(0)  

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