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5月1日(火)S「川を越えて森を抜けて」加藤健一事務所

作:ジョウ・デイピエトロ、訳:小田島恒志・平川大作、演出:高瀬久男、紀伊国屋サザンシアター。
 貧しいイタリアの漁師の息子が、14歳でわずかなリラとボストンにいる親戚のアドレスだけもたされてアメリカへゆく船に乗る・・。親の別れの言葉は!”テンゴ・ファミーリア”「家族を養う」・・。イタリア人の最大の人生の価値は家族への愛、にもかかわらず本国での家族愛が叶わず移民された、この芝居の主人公フランク(加藤健一)は、アメリカで大工として懸命に働き、最愛の妻アイーダ(竹下景子)のために自力で家を建て娘を育て、男と女の孫ができた。孫の父親は2軒隣に住むフォードの自動車工だった同じイタリア移民のヌンツイオ夫妻(有福正志・一柳みる)・・。家族の絆が第一なのに、ニュージャージーのこの家から息子夫婦はフロリダへ引越し、孫娘は結婚してサン・デイエゴへ・・。残るは地元で働く孫のニック(山本芳樹)だけ、4人の家族愛はこの孫に集中、毎週日曜日のデイナーには、料理上手のアイーダの料理で集まるのが決まり・・。そのニックが昇進してシアトルに移るというのが、この芝居の中心・・。大工や自動車工だった祖父には、大学を出て時代の先端の仕事をやっている孫が昇進で地元が離れるというのが理解しにくい、というよりとんでもない家族への裏切りだ・・。祖父母4人が画策して地元へ残すためステキな娘ケイトリン(小山萌子)をデイナーに呼んでお見合いさせて・・。まあ、イタリア移民のアメリカでの暮らしの歴史の哀歓をたっぷり描いた再演の作品、いかにもカトケン事務所らしいハートウオーミングの客席の反応が抜群の芝居・・。、

by engekibukuro | 2012-05-02 07:13 | Comments(0)  

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