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6月28日(木)M「温室」新国立劇場

作:ハロルド・ピンター、翻訳:喜志哲雄、演出:深津篤史。
 ピンターの芝居は、難解といえばいえるかも知れないが、一風かわった芝居で面白いという風に観れば観られて、日本では口当たりのいい演出で上演されてきたようだ・・。しかし、この芝居は難解だというこわばりでなく・・よく、というよりさっぱり解からなかった。赤で統一された椅子、机などの家具、天井には赤いラウドスピーカー、舞台は客席に挟まれたオープン舞台で、終始、舞台はゆっくり回っている・・。段田安則が演じる上司(ルート)と高橋一生の部下(ギブス)が、”6457号の患者”の話を始める・・・どうやらここは国立の病院らしい・・、とにかくいろいろあって、最後にギブスが本省の役人に、患者たちにルートも専門職全員も全部殺されたと報告して終るのだが・・。帰って喜志哲雄さんの名著「劇作家ハロルド・ピンター」の「温室」の解説を読み返す。するとこの作品はピンターが1958年に書いて、1980年に上演された戯曲だそうだ。20年以上も自分で自分の作品に態度を決めかねていたと・・。精緻な戯曲分析の結論は、”悪の根源としての国家権力の存在を明示するかどうかという問題なのだと、私は思う”と、それは不条理劇作家などといわれているが、”20年という時間は、自分が政治的な劇作家として出発したという事実を彼があらためて確認し、今後の活動の方向を見定めるために、必要なものだったのである”と・・。
 そういう作品が、現在の日本でどう上演されるのか、深津は作品の面白さが分かりぬくさを凌駕すると信じて演出したのだろう・・。ただ、パンフでは喜志さんんはピンターのイギリス本国での評価につてのエッセイ(それはそれで実にためになるし面白い)で、「お温室」についての作品解説ではないし、深津と演出助手の川畑秀樹の対談は、内輪の話だ・・。こういう作品こそ、新国立劇場は、丁寧なピンターとこの作品についての解説が必要なのではなかろうか・・。なんだかフシギなよく輪kラない芝居だったという記憶しか残らないとしたら残念だ・・。喜志さんの本を読み返してから舞台を思い返したら、段田も高橋も、よくピンターのこの芝居の面白さを感じさせていたんだと思えるのだ・・、ピンターの芝居の別種の有意義な観劇だったとおもおう・・・。
▲週刊文春のグラビアで、立ち食いソバの域を超えた立ち食い蕎麦屋の紹介で、渋谷の”嵯峨谷”が紹介されていた。ドンキホーテの隣で、立ち食いでなくスタンドだが、10割蕎麦のもり蕎麦が280円・・うまい、シアターコクーンへの道順で、店はしっていいたが、笑うべき権威主義者のワタシは、週刊文春の権威の紹介がなければ入らなかった・・。しかし、芝居の前には丁度手ごろの店だね・・。

by engekibukuro | 2012-06-29 10:31  

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