人気ブログランキング | 話題のタグを見る

8月1日(水)M「招待されなかった客」東京乾電池

作:別役実、演出:柄本明、東京乾電池アトリエ。
 角替和枝の魔女、ベンガルの神父の二人芝居。演出が柄本明で、乾電池最高の組み合わせだ。作品もじつに凝ったハイブローな内容だ・・。アメリカのどこかの町に住んでいる魔女の家に教会から追放された神父が間違った招待状をもってやってきた・・。幕開きに魔女がドクロが先っぽについた長い杖を片手に”エミリー、エミリー”と叫んでいる・・・、のちに段々わかってくるが、このエミリーはあの名作、S・ワイルダーの「わが町」のヒロインのエミリーなのだ・・。それは魔女の部屋の隅に「わが町」のミニチュアが置かれ、劇の人物の人形がいて、魔女は人形をいろいろ動かす、突然現れた未知の神父も「わが町」のあの町にいたことがあり、持参の招待状もあの町の誰かから送られてきたらしい・・、知らないもの同志の共通の記憶が「わが町」の人々で、さらにこの神父は魔女裁判専門の神父で、魔女と噂された女を裁判にかけ、火あぶりにしてきた・・、「わが町」のなにかの大事な日にもニューイングランドのセーラムの魔女裁判に出廷していた・・。これはたあdちにアーサー・ミラーの「るつぼ」を思い出させる・・。このいまや尾は打ち枯らした魔女と、追放された神父との劇の中身の含蓄は近代アメリカ演劇の記憶のあぶりだしで、だからそのことをしらなかったらさっぱりわからないだろう、が、それを見せてしまうのが角替とベンガルの演技力、別役の台詞の魅力としっかりした表面をもつ不条理な意外性・・・。この別役テイストとしかいいようがないものを二人の役者は十分感じさせたのだ・・。わたしは不明にしてこの戯曲をしらなかった、だからたいへんありがたかった・・・。

by engekibukuro | 2012-08-02 08:22 | Comments(0)  

<< 8月2日(木)★M・KAATキ... 7月31日(火)M「露出狂」(... >>