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9月4日(火)S「クールの誕生」紀伊国屋ホール

作:鈴木聡、演出:山田和也。俳優集団D-BOYS(ワタナベエンタ-テイメント)によるDーBOYS STAGEは10回公演を重ねて、今回Dステという名称で新出発、その第一回公演。1960年代の日本の高度成長勃興期のサラリーマンンの悪戦苦闘を描いたコメデイだ。大手広告会社博報堂の社員で、同時に演劇集団「ラッパ屋」を立ち上げていた鈴木の、もっとも得意の分野だし、日本での有数のコメデイ作家だし、演出が商業演劇のベテラン演出家山田だから、しっかりした面白い舞台だった。B-BOYSの自分たちが生まれていない年代のサラリーマンをちゃんとそれらしく、”ネクタイをしていてもそれぞれ違う個性的な”群像として演じているのに感心した。とくに初めて観たが、脱臼スタイルの柳浩太郎はおもしろいねえ・・。その彼らをラッパ屋の鈴木テイストの完全体現俳優の三鴨絵里子、弘中麻紀、俵木藤太が支えて、珍しや青年団の永井秀樹が酒や女の接待を強要する販売権独占の会社副社長を演じた。戦争の影がまだ消えないあの時代の気分が濃厚に醸されたユニークな芝居だった。
▲82歳の高倉健主演の「あなたへ」を見た。まちがって選んでスクリーンから3列目の席で見たから健さんの存在感に圧倒されて、過剰堪能・・、健さんにからむ役者が刑務官という役の人物ではなく高齢の大スターへの敬意が勝ってしまうような按配だったが、スクリーンから健さんの業績と人生がにじみでた滋味あふれでた映画だった。とくに亡妻の遺骨を骨壷からつかみ出し、船べりから海に落とし、その骨が海中に舞う映像が美しかった。散骨とはこんなにキレイなものなのか・・。
・アルトー研究者で演劇評論家、最近は俳句修行中の堀切克洋君が、”月光ほろり”という俳号で週刊金曜日の俳句欄に投句して、選ばれた15句の打ち4句も選ばれた。選者は櫂未知子さん。兼題は・サンドレスと・水飯。選出句は”新郎のアロハ新婦のサンドレス”、★”海色の切手を買いにサンドレス”、”水飯の箸に生まるる暮色かな”、”水飯といふ明るさの座敷かな”、★は特選句だ。

by engekibukuro | 2012-09-05 09:20 | Comments(0)  

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