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9月14日(金)


▲「悲劇喜劇」10月号を読んだ。特集は・劇場と記憶・。特に前進座劇場の閉鎖をめぐる、津上忠、横溝幸子の文章、また横溝の前進座の藤川矢之輔へのインタビュー、嵐圭史の「前進座『大稽古場劇場』での幼少記憶」というエッセイ、これは中村翫右衛門が北海道の赤平市で官憲に追われ、そのまま地下に潜って、1年数ヵ月後に北京に現れた、いわゆる”赤平事件のハナシで、翫右衛門から直接きいたハナシで実に面白い。前進座の現状に光をあてたのは、現下演劇界でのバランスのとれた編集感覚だ・・。またこれも来年閉館するル テアトル銀座についての高橋豊の「『銀座セゾン劇場』、『ル テアトル』と二度の閉館」もこの劇場での上演作品、とくにピーター・ブルックの「マハーバーラタ」を思い出させてくれた。

・わたしの10代のころ、山村聡監督の映画「蟹工船」に少年漁夫として出演した。そのロケに千葉の勝山でひと夏を過ごした。岸壁に蟹工船のオープンセットを作ったのだ。そのロケで前進座の子供たちと一緒の宿だった。みな少年漁夫で、河原崎統一(あとの長一郎)、河原崎労作(あとの次郎)、寺田兄弟(あとの芳三郎、圭史兄弟)で、こちらは当時の青年俳優クラブの向こうを張って(?)少年俳優クラブという集団を砂川啓介(あとの初期のNHKの体操のお兄ちゃん、どらえもんの大山のぶ代のダンナ)などとやっていて、その砂川も一緒だった。丁度映画の凋落期で、それに山村監督が東大独文出で、しかも関西新派出身という変わった経歴で、それだからか色んな役者がでていて、大勢の漁夫の役の中で森川信とか木田三千男とか、新派の重鎮武田先生とか、若い頃の熊倉一雄や大塚周夫とか、女優は日高澄子、中原早苗・・、圭史さんは、その頃はなんだかひ弱な少年だったが立派な役者になって!

by engekibukuro | 2012-09-15 08:19 | Comments(0)  

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