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10月20日(土)M「啄木の妻 節子星霜」(作・演出:山本卓)

劇団波、しもきた空間リバテイ。
 10月3日のブログで紹介した山口の劇団波の石川啄木没百周年・坂田純治追悼公演の上演。坂田早稲田大学の学生劇団自由舞台での山本の先輩。
 これは節子を演じる岡本博子の一人芝居。普通、一人芝居というのは客に負担感がかかるもので、それは俳優の自意識につきあうのに骨が折れるのだが、ましてこの舞台は2時間強・・・。最初はタイヘンだと思ったが、岡本の節子のエモーションを太く貫きとおした演技に圧倒される2時間強であった。節子像の忘れがたい形象となった演技だった。これは、節子の生涯の切れ目切れ目の間にスライドに啄木の短歌や文章を映し、読み上げて節子のネレーションと照合させる、その間が絶妙なアチミングで、客の息継ぎになっていた。そして節子の啄木の短い生涯を明かにする語りから、貧苦と戦い荒野を彷徨いながら自分の文学を育て、流行の文学から、喰うべき歌、普通の生活者と分かち合う文学へたどり着く道程が見えてきて、それが今の時代への問いかけ、最後の傑作評論「時代閉塞の現状」を今に繋げる回路を作者は創ったのだ。だから今の質のちがった閉塞の現状を生きる若者にこそ、この短命に終わった啄木の”明日への考察”を、この舞台から感じて考えて欲しと思った。
終演後舞台で挨拶した岡本と山本に大きな花束が贈られて、会場が満員で皆感動した様子で、あhるばる山口からきた公演が成功したことが喜ばしい・・・。

・内田洋一さんがきてらした・・。
・おもろ、カップルと中川君の常連・・。来週いっぱい故あって禁酒するので、泡盛をじっくり味あって飲む・・。

by engekibukuro | 2012-10-21 09:55 | Comments(0)  

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