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11月1日(木)★M:世田谷PT★★S:タイニイアリス

★「こんばんは父さん」(作・。演出:永井愛)二兎社
 たまりにたまった借金の返済の追い込みに出かけた闇金の若手社員(溝端淳平)は、相手の老人(平幹二郎)が大荷物を引っ張ってでかけるのを後をつけてゆく・・。老人の行った先は、廃工場だった・・、老人はこのこの工場の元の持ち主で、町工場の優秀な職人・経営者だった・・。いまは人出に渡った工場に入り込んだ老人は、闇金の若手に追い詰められるが、なんとここで、闇金阿が肩代わりさせるつもりだった長いこと別れ別れの一人息子(佐々木蔵之介)と再会するのだ、お互い一時は父は儲かり、息子はエリート社員だったのに今は落ちぶれてしまった・・。家族を捨てた父と、仕方なく落ちぶれ同志で昔のことを喋りだす・、父の妻、息子の母のこと・・。いささかメルヘンチックな廃工場での偶然の再会・・、名作「こんにちは母さん」と対をなす芝居だが、「こんにちは母さん」が永井の舞台の定番の茶の間だったが、もう父と子は茶の間で再会などできない厳しい状況下で、この工場を茶の間代わりにせざるを得ない・・・、闇金の若手は、この二人に挟まれ、会社からは厳しい指令でなんとか金目のものをと荷物を漁るが・・、このいかにもお芝居っぽい設定を活かしたのは平の演技だ。ギリシャ悲劇やシェイクスピア劇の台詞の名手はパンフで”僕は生活感のあるセリフをというものを、今まであまりしゃべったことがないんです”と言う阿・・、この芝居でも町工場のオヤジのしゃべりにしては、とても演劇臭い、これを普通のリアリズムの演技者が演じたらとっても暗くなるあkもしれないが、この演劇臭さ、演劇性が、この窮境を外に向って開く力になっている、この平の演技の先導で、父にたいするアンビバレンツにゆれるさ佐々木の演技も、取立ての溝端の演技も、過酷な現実ではあってもなんとか再生しようとするハリのある演技で舞台を創ったのだ。★★「韓国新人劇作家シリーズ第一弾 三作上演:(1)『秋雨』(作:ジョン・ソジョン、演出:金世一)、(2)『パパのパパごっこ』(作:オ・セヒョク、演出:荒川貴代)、(3)『一級品人間』(作:イ・ナニョン、演出:鈴木アット)。(1)は窮境の童謡作曲家の妻の娘が、体を売る話で、なにか煙霧につつまれたような詩情あふれる芝居、(3)は父親のl臓器を売って息子の教育費を捻出する強力妻の話で、これは韓国人独特の発想だと思う、ちょっとついていきにくいところがあるが、ゆくところまで行ってしまう面白い芝居、(2)の会社を首になった二組の失業者が、妻にそれを隠して会社に行っているフリをし続けるが、双方の妻は、それをとっくに知っていて、騙されたフリをする・・。これを坂本容志枝と久保庭尚子が夫と妻の男女をを演じる。二人の快演でこれはいささか苦いが、楽しく弾む舞台になって、なんともいえない楽観主義がみなぎっての快作だった。韓国の若手の芝居の紹介としてとても意義のあるタイニイアリスの企画だ。

by engekibukuro | 2012-11-02 07:52  

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