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12月24日(月)M「JIPANG PUNK-Goemon RockⅢ」 

作:中島かずき、演出:いのうえひでのり、作詞:森雪之丞、東急シアターオーブ、劇団☆新感線。

 うなぎのぼりに集客している、新設された渋谷の東急ヒカリエの11階の東急シアターオーブ。この劇場は海外からのミュージカルの招聘公演が主体だが、日本ではこの劇団☆新感線が、オープニングラインナップに加えられたのだ・・。クアパ2000の大劇場、入ってちょっ戸惑うぐらいの壮観で客席が3階まである、天井が高いまさに大劇場の格が感じられる劇場だ。そういう劇場での演目はいかに?ということで、いのうえは、新感線のレパートリーの中ではー「五右衛門ロック」なら、歌あり、踊りあり、チャンバラありの”お約束”痛快音楽活劇”でいちばん新感線らしい作品になる!と、この作品を舞台に上げたのだ・・。キャストも豪華、劇団No1の古田新太の五右衛門を中心に、客演・劇団のメンバーは三浦春馬、蒼井優、浦井健治、高橋由美子、橋本じゅん、高田聖子、粟根まこと、それに大劇場をもともせず圧倒的な貫録で舞台を圧した、堺の豪商を演じた村井國夫、太閤秀吉の麿赤兜・・。休憩一回の4時間の舞台は、空海が秘匿したという財宝を奪い合う大活劇で、荒唐無稽、あざとさをものともせずに、役者それぞれの見せ場を周到に置いて、活劇ミュージカルの大高揚シーンの次には、大劇場もひっそりする男女の哀憐の場が続き、多彩きわまるストーリーの展開を、森の作詞の歌と踊りの場でアクセントを添えて、絶対に飽きさせないといういのうえの覚悟が貫徹した。青井優の女泥棒が面白く、本格ミュージカル俳優でもある村井の演技と、情況劇場のアングラ役者から大駱駝鑑の舞踏の名手への麿の存在感が、いのうえの仕事の総仕上げを、古田の五右衛門とともに支えたのだった。多少大味だったにせよ、大劇場の満員の客席のオープニングラインナップに選ばれた重責を果たした劇団☆新感線のカンパニーとしての実力を見事に証明したのだ。

by engekibukuro | 2012-12-25 07:55 | Comments(0)  

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