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2月11日(月)



▲M・プルースト「失われた時を求めて」3<花咲く乙女たちのかげに1>(吉川一義訳)岩波文庫。20世紀初頭のパリ、ブルジョワ、スノッブ、貴族の末裔などが集まるサロンのはなしなど、いま読んでおもしろいのか・・、それにこの巻は延々と改行なしに恋愛や芸術などの注釈、長ったらしい省察などが続く・・、訳者は”多くの読者が「失われた時を求めて」の完読をめざしながら挫折する主たる要因はここにある”とあとがきで書いていて、しかし”本巻の難関さえ通過すれば、「花咲く乙女のかげに」第二部からは格段に読みやすくなる。”そうだから、楽しみにしよう。
ただ、この巻でも素晴らしい箇所がある・・・。
 株式仲買人スワン氏の夫人、もと”粋筋の女”(高級娼婦)だったスワン夫人・・。”突然、小径の砂のうえにのんびりと遅咲きの華麗な姿が、正午を待って咲く世にも美しい名花のように現われる、それがスワン夫人だった。まわりにはいつも異なる衣裳の花を咲かせていたが、私がよくおぼえているのは薄紫色(モーブ)の衣裳である。やがて全身がすっかり輝かしく照らし出されると、長い花柄のてっぺんに高くかかげられ広がっているのが絹の天蓋のような大きな日傘で、散りゆく花びらを想わせるドレスと同じ色調である”
 岩波文庫で半年に一回でる、この大長編、ぜんぶよめるかなあ・・。

by engekibukuro | 2013-02-12 07:47 | Comments(0)  

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