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2月13日(水)






▲Bunkamuraザ・ミュージアムで「白隠」展を見た。84歳まで無数の禅画を書きまくった臨済宗の坊主白隠、その絵画的な面白さで、欧米でも多くのコレクターがいる。この白隠展が日本で初めての本格的な展示で、解説の山下裕二によると、これから本格的な研究が始まるそうだ。画にはかならず画賛がつくが、この賛を読み解くのが大変で、文字そのものも読むのが困難、この白隠展の基本の趣旨は、”禅画に込めたメッセージ”で”ユーモアに包まれた、深いメッセージ”・・。ただ、この禅のメッセージの伝達のための書画の枠を超えている・・。欧米のコレクターが”賛”など必要がないというのもわかる・・、とにかくメッセージの深さはわからんが、画の面白さと全体にみなぎるユーモアでとてもいい気持ちになれた。とくに<すたすた坊主>という画、”笹と桶を持ち、腰に注連縄を巻いただけのほとんど裸の坊主。大道芸をしながら物乞いをし、金持ちの商人の代りに寺社に代賛参した坊主が実際にいたらしい。人々の幸福を願って代参する様を、白隠は布袋になぞらえているが、これまた白隠の自画像でもある”・・・。ちなみに画題の英語は<Busy Busy Beggar>。80歳を超えた最晩年作の「半身達磨」も凄い。江利が朱で「朱達磨」と呼ばれている、縦2メートルもある巨大像「自分の心にこそ、仏が宿り、それを自覚することで仏になる」と白隠は説いているが、お説教をなどなにするものかというほど、画そのものの魅力と迫力が一切を凌駕している。

by engekibukuro | 2013-02-14 09:02 | Comments(0)  

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