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2月16日(土)M さいたまネクストシアターVol .4

 [2013年・蒼白の少年少女たちによるオイデイプス王」作:ソフォクレス、脚本:ホーフマンスタール、訳:小塩節・前野光弘、演出:蜷川幸雄・井上尊晶、彩の国さいたま芸術劇場インサイド・シアター。▲会場のチラシに”私は思いかけず狭心症になり、1月24日に入院しました。・・・演出補の井上尊晶さんにパスします。 蜷川幸雄”とあり、驚いたが、あとで制作の渡辺弘さんにきくと、もう退院して大丈夫だそうだから、安心した・・・。
 冒頭胎児の姿が暗闇から浮かび、舞台下手の暗闇から一群の群集が出てくる、これはただちにこの前事故死したギリシャの映画監督テオ・アンゲロプロスの「旅芸人の記録」の北ギリシャの寒空にの下に現われた旅芸人たちのファースシーンを想起させた・・、あの「第二世界大戦の戦中、戦後のギリシャ民主のやすらぐことない様相を現代のギリシャ悲劇のように描いた映画」(双葉十三郎)のトップシーンだ・・。その群集はただちに古代ギリシャのコロスに成り代わる・・、背中に人体模型のようなもおを背負って、全員三味線をもっている・・、そして父親殺しと近親相姦の罪で破滅する周知の物語があhじまり、コロスは劇のカタストロフイに向う諸段階の切れ目切れ目に三味線をかき鳴らし訴え、呪詛し、慨嘆する・・。これは何ももたない、ギリシャ劇上演にありがちなコスチュームや様式を排し、それとナンノナニガシという既成俳優の演技力がどうのtぽいう界隈を避けた、ネクストシアターの裸の演技力が一丸となってソフォクレスのテクストを総員で体現したのだ。これはオイデイプスを演じた小久保壽人以下、それぞれの重要な役をここの若い俳優達がきちんと演じていたということを念頭においての総体の印象だ・・。その結果、このギリシャ悲劇の代表作のードラマの原型・演劇の基本ー(山形治江:ギリシャ劇大全)の構造が鮮明に見えて、三味線の音曲が体内にしみこんで、この名作の呼び起こすもの、これは人間などになぜ生まれてきたのだという根本的な疑義を呼び起こすのだ。ネクストシアターは「真田風雲録」「美しきものの伝説」「ハムレット」と続き、この「オイデプス王」で新しい表現集団として確固とした足場の第一歩を築き上げたとたしかに感じた・・。
▲おもろ。今晩はひさしぶりに島田君がきた。三泊四日の京都旅行から帰った中川君、歌舞伎ファンのカップルと菊之助の結婚を喜び合う・・。

by engekibukuro | 2013-02-17 10:29 | Comments(0)  

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