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9月3日(火)S「悪霊ー下女の恋ー」(作・演出:松尾スズキ)m津緒

M&Oplaysプロデュース、本多劇場。
 おそらく松尾の代表作おいってもいいこの作品の再々縁。男の主役のタケヒコは初演は池田成志、再演が宮藤官九郎だが、なんといってもタケヒコの母であり、その母キメが壮烈な事故死を遂げたあと、そのままそっくりのタケヒコの下女ホキに変身する役の広岡由里子の初演からの代表作でもあって、これはもう広岡の芝居だといっていいぐらいで、松尾が”10数年前の初演以来、「悪霊」で広岡由里子が演じた訳は、恋する乙女と老いた母。はたしてこの再再演、老いた母はますます充実するだろぅが、恋する乙女はどう処理するか。もっともスリリングな公演にありそうだ”と書いたが、着物姿の老母も充実していたが、ショートパンツの乙女の鮮やかで元気なこと、まぶしいくらいだった。しかし、この芝居、広岡の存在は大きいのだが、タケヒコの異母弟で二人でやっているお笑いコンビの相方の今回は賀来賢人が演じるハチマン、タケヒコとハチマン二人が結局奪いあい、その二人を操作して巧妙にすり抜ける平岩紙が演じるナミエ、この4人のチョウチョウ発しの芝居であることは厳然としていて、今回のタケヒコを演じた三宅弘城の交通事故での車椅子の芝居と椅子から立ち上がるきわどい動きが、演劇界有数の身体能力の高い三宅ならではの見せ場がこの舞台の重要なポイントでもあって・・。さて、この芝居、究極のブラックコメデイだといってしまうしないもので、ことごとく瞬間もゆるがせにしない見せ場の連続で、列挙したらきりがなく、背徳につぐ背徳、血縁のダークネス、右翼の親戚、庭の風見鶏の置物にあったピストル、天上のヘリコプターからの母の声、亡父の溺愛したジオラマ・・、どんでん返しの連続、舞台を追いかけるのがタイヘンなくらいで、松尾の劇作能力の高さが如実に示された舞台で、こういう面白い舞台をちゃんと伝えられる面白い劇評を書ければ・・・、だが、まずは翌朝のブログではそういう願望を書きとめるだけで・・・。

by engekibukuro | 2013-09-04 07:42 | Comments(0)  

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