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9月11日(水)★M新国立劇場★★S上野ストアハウス

★「OPUS/作品」(作:マイケル・ホリンガー、翻訳:平川大作、演出:小川絵梨子。
 新国立の2013/2014シーズンの新企画として、宮田慶子芸術監督は「Try・Angle」を立ち挙げた。これは新鋭演出家3人、小川絵梨子、森新太郎、上村聡史に自分で作品んを選び演出するというもの。これがその第一弾だ。森はクリヅトファー・マーロウ「エドワード二世」、上村はサルトル「アルトナの幽閉者」だ。
 この作品は弦楽四重奏団の話。第一ヴァイオリンのエリオットが段田安則、第二ヴァイオリンのアランが相島一之、ヴィオラのドリアンを加藤虎ノ助、チェロのカールが近藤芳正、さらにドリアンに代ったヴィオラがのグレイスがイキウメの伊勢佳世。同じ30年続いた弦楽四重奏団を題材にした丸谷才一の小説「持ち重りすうる薔薇の花」を読むと、カルテットのそれぞれの生活と関係が、学校仲間からだから、関係を維持しカルテットを存続することの大変さが描かれていたが、この芝居も仲間同士の確執や行き違いがシニカルなウイットに富んだ台詞の応酬で活写されて、男女、同性の愛の軋轢、癌の進行とか、楽器の扱いとか色々難題が振りかかってきて、そんな中でドリアンは”一線を越えた”と他メンバーから外され、グレイスが代わったのだ、テキストの芯を舞台にきちんと据える力に秀でた小川の演出が、この芝居でもカルテットのメンバーの悲喜こもごもを曳きだした舞台だったが、最後にリーダーのエリオットが他メンバー僧院の一致でカルテットから外される、その理由が度重なる演奏ミスだというのが、こちらの聴覚能力の不足だけではないと思うが、よく分かなかったことが残念だった・・。
★★日韓演劇週間<生きる>ことの考察・コルモッキル(韓国)「鼠」×温泉ドラゴン(日本)「birth]・
・「鼠」(作・演出:パク・グニョン)。これは劇評の構えはとれない。字幕が全然読めないかあrで、読めた高橋豊さんに”それでは全然分からなかったでしょう”といわれた・、そのとうりで、舞台ではある一家、妊婦とその夫らしき男、どっちかの母親、夫の兄弟夫婦らしき男女、それらの家族の話ぐらいしかわからない・・、そんな大それた事件が起こるわけでもなく、一見、日常茶飯の描写に見たのが、あらすじとかあとで読むと、洪水で廃墟になった都市で生き延びるために人間狩りカルマをしてその肉を喰って、辛うじて生きている一家だそうだ。この一家の人間は、近親相姦は普通のことで、そういえばヘンなシーンはあった、そういうすさまじい設定だったと、演出家によると、自分が生きてゆくためには子供まで喰ってしまい、そのことで彼らは罪悪感などみじんもないそうで、そういえば人物たちは皆平然としていたな・・。作・演出のパグ・グニョンは”物質が世の中のすべての基準になってしまった今日において、人間が生きていくということは、結局誰かを犠牲にし、喰ってしまうことと変わらないのではと思ったのがこの芝居をつくることのきっかけでした。”と書いている。それが人肉食へ一直線・・・。チョン・ウイシンの「焼肉ドラゴン」で店のおかみを演じた女優も出ている俳優陣は、やっていることの凄さを感じさせないどっしりした一種の平穏さをを保っていたなとひるがえって思った・・。
・・「birth](作・演出:シライ・ケイタ)親に捨てられ施設で育った4人のアウトローが「オレオレ詐欺」にのりだし、たまたまの標的が実母だった・・、その女からしぼるだけしぼるという仲間と、さすがとんでもなく冷たくされてきたといっても、母は母、そのことで仲間割れして・・。この芝居はガタイのデカイ役者の壮絶な、一触触発のバイオレンスの気配がたぎっている口論の猛迫力、いいことじゃないことは分かりきっているのに、いまさらなんだ、一種の掟やぶりの情の訴え、その早口の応酬がすさまじい・・。だが、母、血の力に屈服してゆく・・、この芝居はこのド迫力の舞台が取り上げた対象を演劇的に昇華していりかどうか・・。一過性のストリートファイトに遭遇したときの恐怖に似ているのか・・、私はその結末の急激な感傷への転位を含め、一瞬の拒否反応が兆したのは事実だが、このフィジカルの魅力を湛えた猛スピードの舞台は、自分の芝居に対する尺度をゆるがせたのも事実で、良質で刺激的な、次の芝居を観たくなる舞台だったと結論する。
・初日、補助席がでる大盛況、上野ストアハウスも色々な劇団が使用し、知名度も上がり、親しみやすく観やすい劇場として定着してきたようだ、初日のカーテンコールを司会した代表木村眞悟さんも嬉しそうで・・。初日乾杯のビールも舞台、客席に出て、稽古でも酒が入るというパク・グニョンさんがタバコもというので、酒とタバコの初日乾杯、いまや衛生、清潔一辺倒で皆病院みたいになっている劇場に、昔の楽しい劇場がもどってきた夜だった・・。16日まで・・。

by engekibukuro | 2013-09-12 16:00 | Comments(0)  

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