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10月26日(土)M「しあわせ日和」鴎座、テレプシコール

ーサミュエル・ベケットよりー企画・美術・演出:佐藤信。
The Happy Days(Samuel Beckett)へのオマ^ジュ・・。竹屋啓子 田村義明。
 この公演は次の(10・31-11・03)「森の直前の夜」(ベルナール=マリ・コルテス作)と二本立ての上演だ。この公演の全体のキャチフレーズは★「極私的演劇宣言 あなたに伝えたいことがある」★
 舞台の大半を占める箱の穴から首だけ出してうつむいている女、さて首をたててあのセリフをと・・・、しかししゃべらないば、いつまでたっても・・・・、そうか、竹屋さんはダンサーなんだと改めて思い直す・・、ここから上半身だけの驚くべきパフォーマンスが始まる・・・。彼女は横のカバンから、歯ブラシとクリームをだして、歯を磨き、いろいろな小物を箱の上に並べてしげしげととみつめたり、急になにや遠くを見つめたり、腕を左右に伸ばしてダンスの香りを感じさせたり、箱の後ろに潜んでいるらしい男にモノを投げて、そこだけは笑ったり、目玉をクリクリさせて自分で喜悦満面の表情を見せたり、セリフのないサイレント・パフォーマンスの支えは顔だけ、表情の多様な変化を主眼にするしかない・・・、それを竹屋は、1時間あまり、さまざまな変化を持続させたのだ・・。むろん佐藤の演出の、表情の変化、モノを置くタイミング、など極微的な間の置き方の配慮、そして全編を流れる音楽の佐藤の極上のセンスがこのパフォーマンスの支柱なっている・・。とにかく竹屋の表情の豊かさと可愛らしさは抜群で、第一級のダンサーの余技(?)ではぜんぜんない・・。ラストに物影の男の求愛パフォーマンスを穴から出られない女が悲しげに見つめるみちめるが恩んがが男女の到達不可能性・・・・・
ベッケトへのオマージュは完ぺきになされた,佐藤の極私的と自ら見限っの想像力の威力は、私は六本木の地下の舞台から佐藤の芝居を数多く観てきたが、この舞台は佐藤の演劇のエッセンス、結晶点だと感じさせたのだ。そして、二人の芸術家同志の夫婦にしかできない、まさしく極私の賜物なのだった。

▲おもろ。カップル、中川君、久しぶりの岸本さん、カップル氏の川越の家ではもう暖房をいれたそうだ。

by engekibukuro | 2013-10-27 11:03 | Comments(0)  

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